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日本企業のCXの取り組み状況をガートナージャパンが調査

公開日2021/07/02 更新日2021/07/03

近年、企業によるCX(カスタマー・エクスペリエンス)への取り組みが注目されるようになってきています。

CXとは、顧客視点を起点にしたマーケティング・企業戦略のことです。

今回は、日本企業のCXへの取り組み状況を成功事例も含めて紹介します。顧客との接点が多い企業は、CXへの対策が不可欠です。これからアプローチをしていく上で、知っておくべき知識についても解説します。

CX(カスタマー・エクスペリエンス)とは

CXとは、Customer Experience(カスタマー・エクスペリエンス)の略字です。日本語では、「顧客体験」や「顧客体験価値」と一般的に呼ばれています。

マーケティング・経営戦略で用いられるコンセプトの一つで、2000年ごろから注目され始めています。

「顧客体験」とは、顧客が、商品・サービスを購入する前の段階(認知・検討など)から、購入後のサポートまでに関わる、さまざまな体験のことです。

「顧客体験」における一連のプロセスは、顧客視点を起点にしていることがCXの特徴です。すなわち企業側の視点で提供している価値ではなく、顧客側の視点に立って体験する価値に重きを置いています。

商品の価値は、客観的には価格やスペック、機能などで合理性のある評価をすることができます。CXでは、ここに感情的な価値を上乗せします。顧客は感情的な価値によって、商品・サービスの購入や選択を行うという発想です。

たとえば、メーカー・ブランドに対するイメージや店舗の雰囲気、オンラインショップの使い勝手など、顧客がどのような体験をして、どこに価値を感じたのかを評価します。

経験価値マーケティングの第一人者であるバーンド・H・シュミット氏(コロンビア・​ビジネススクール教授)は、感情的な価値を5つに分類しています。

  • 「Sense(感覚的価値)」:視覚・聴覚・触覚・味覚・臭覚などの五感で感じる体験
  • 「Feel(情緒的価値)」:美しい・カッコいいなどの内面の感情に訴求する体験
  • 「Think(創造的・認知的価値)」:知的好奇心を刺激する体験
  • 「Act(行肉体行動、ライフスタイルに関わる価値)」:新しく挑戦したい体験
  • 「Relate(準拠集団への帰属価値)」:ファンクラブ、サークルなど特定のグループに属している体験

これまでのマーケティング分野では、商品の性能および付加価値が顧客のニーズ・ベネフィットを満たすという考え方が一般的でした。しかし、現在では、より全体的な顧客体験のプロセスも重要な要素だと考えられるようになってきています。そのために感情的な価値を、いかにデザインしていくかというCXの考え方が台頭してきたのです。

ライバル企業との差別化や、顧客との関係構築(新規顧客・リピーターの獲得)において、「顧客体験」を向上させるためのアプローチをする企業が増えてきています。

CXの取り組み状況

では次に、CXの取り組み状況はどのようになっているのでしょうか。

リサーチ&アドバイザリ企業である「ガートナー ジャパン株式会社」が発表した、日本企業のCXに関する調査結果(2020年11月実施)を参考にしてみていきましょう。

同社の日本国内ユーザー企業のCX取り組み状況について調査したところ、以下のような結果となりました。

【進行中・稼働済み】 10.2% (前年は6.6%)
【検討中】
11.3% (前年は10.8%)
【必要だが未検討/進捗が遅い 31.3% (前年は36.4%)
【必要なし】
18.1% (前年は18.3%)
【知らない/分からない】 29.2% (前年は27.9%)

前年よりも、CXに取り組んでいる企業は増えている一方で、「必要だが未検討/進捗が遅い」「必要なし」「知らない/分からない」と回答した割合を合計すると、全体の8割弱を占めていることがわかります。

ガートナー、日本企業のカスタマー・エクスペリエンスへの取り組みに関する調査結果を発表|ガートナー ジャパン株式会社

この傾向が続けば、CXを推進する企業と、推進しない企業では競争力に差がつき、その差が広がっていく一方ではないかと懸念されています。

CXの取り組みを進めていくためには、強力なリーダーシップが必要だと言われています。また、プロジェクトを円滑に進めるためには、そのリーダーのもと、メンバーがCXの目的をしっかりと理解して、組織を横断して粘り強く実施していかなければならなりません。

成功事例からCX改善を探る

CXの向上に力を入れることで、企業の競争力も鍛えられ、顧客獲得も期待できます。ほかにもファンづくりに成功すれば、ポジティブな口コミによる宣伝効果がもたらされます。CMや広告にも勝る、ビジネスチャンスを拡大する事も可能です。

CXを戦略として成功させるためには、事例から学ぶことをお勧めします。

一例を挙げると、フリマアプリで有名な「メルカリ」は、手間のかかるオフライン作業(梱包や発送)について、梱包資材を揃えた「つつメルすぽっと」を郵便局に設置してCXを改善しました。(当初予定実施期間が終了したため2020/3月で終了)

コーヒーショップの「スターバックス」は、接客マニュアルがなくスタッフが自分で考えて動くようにトレーニングを受けています。「スターバックス」ならではの接客は世界的に高い評価を受けており、これもCXのノウハウだといえます。

同じ業界・業態での事例を研究し、参考にすることでヒントが見つかるかもしれません。

まとめ

CXの基本的な知識を紹介しながら、企業の取り組み状況について紹介しました。

第一段階として、CXについての現状把握をするところからスタートし、定量的・定性的な分析をした上で、しっかりと計画・目標を設定して、効果の測定までを追っていくことでプロジェクトは成功します。必要性を感じたら、取り掛かってみてはいかがでしょう。

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