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ワクチンの接種により、アメリカやイスラエルでは新型コロナウイルスの感染者数が減少し、飲食店の人数制限が解除されるなど、少しずつ日常を取り戻しつつあります。ホテルや旅館を運営する星野リゾートは、2023年に外国人観光客数が2019年の水準に戻る見通しを示すなど、日本においても経済回復のシナリオがポジティブになっています。
働き方を一変した新型コロナウイルスの感染拡大ですが、収束後の働き方はどうなるのでしょうか。また、リモートワークになることで、生産性にはどのような影響を与えるのでしょうか。この記事は意識調査をもとに、その内容を解説するものです。
公益財団法人日本生産性本部が実施した「働く人の意識調査」によると、テレワークそのものの割合は減少しています。緊急事態宣言が出た直後の2020年5月のテレワーク実施率は31.5%ですが、2021年4月は19.2%まで減少しました。直近1週間で5日以上出勤したと回答した割合は2020年5月が9.5%で、2021年4月は20.8%です。少しずつコロナ前の働き方に戻っていることがわかります。
その一方で、自宅勤務に満足している人の割合は高くなっています。2020年5月はテレワークに満足していると答えた割合が18.8%だったのに対し、2021年4月は27.1%まで上昇しています。
テレワークへの満足度が低い人が出社へと切り替え、満足度の高い人がそのままテレワークを継続していると考えられます。
テレワークによって生産性は向上したのでしょうか?先ほどと同じ調査では、2020年5月の時点で自宅作業によって効率が上がったとの回答は7.2%でした。しかし、2021年4月は15.5%まで上昇しています。実は効率が上がったとの回答は、調査を続けた2020年7月、10月、2021年1月、4月で少しずつ上昇しています。
テレワークに慣れた人はその働き方を継続したいと考えており、それに合わせて生産性も向上しているようです。内閣府がテレワークで不便な点を調査した結果、「社内での気軽な相談・報告が困難」が1位、「取引先とのやり取りが困難(機器、環境の違い)」が2位、「画面を通じた情報のみによるコミュニケーション不足やストレス」が3位となりました。
社内外のコミュニケーションは情報共有ツールが発達したことにより、活発に行われるようになっています。また、通信環境も向上しているため、環境の違いによるストレスも少しずつ低減するでしょう。
ITツールの販売などを行うアーデントは、全国のテレワークをしている人を対象に「テレワークと生産性の関係」についてWEBアンケート調査を行いました。
テレワーク実施前と後とで、生産性が上がったとの回答が最も多かった職種はIT系の技術職でした。パソコンを使い一人で作業・開発するような仕事は、自宅で作業することで急な来客や電話対応に時間を奪われることがなくなります。
IT技術職の次が営業職でした。これは、テレビ会議が進んだことにより、会社訪問や出張が大幅に削減できたことが大きいものと考えられます。
反対に生産性が下がったのは、コンサルティングなどの専門職と、サービス業です。コンサルタントは企業の課題を洗い出して解決策を提案し、実行する集団です。専門家を集めた細かなミーティングが不可欠であり、資料作成に関連するデータ収集などは小まめな報告や相談が欠かせません。クライアントとの距離が遠くなることにより、案件も獲得しづらくなります。アメリカでは金融業やコンサルティング業が、いち早く出社体制を敷いています。テレワークの生産性の悪さが際立っているのでしょう。
サービス業もテレワークには苦心しています。住宅や自動車、婚礼など多くの販売員は、顧客とのやり取りにZoomなどのコミュニケーションツールを導入しました。しかし、商品価値よりも人と人との信頼関係が、購入や成約の足掛かりになる日本の営業スタイルでは、上手く活用しきれなかったものと考えられます。
テレワーク実施前の自分の生産性を 100% とした時、実施後の生産性がどう変化したかという質問に対しては、80%に落ちたという回答が最も多くなっていました。その次が変わらないとする100%です。全回答の平均値は91%となっており、生産性が落ちたと感じている人が多いようです。
しかし、テレワーク頻度が週に3回以上の場合、生産性が上がったと回答した割合が多くなっています。逆に、週に2回以下では、生産性が下がった人が多いようです。週に3回以上、テレワークができるような環境を整備していることが生産性に関わっていると考えられます。
テレワークは緊急事態宣言下の一時的な措置ではなく、一部の人々の間では常識となりました。テレワークによって家族と触れ合う時間が増え、生活そのものの見直しにも繋がっています。
生産性向上のためには通信環境を整えることや、コミュニケーション手段の確立が欠かせません。組織の運用を管理する側は、ルールや仕組みづくり、ツールの準備、テレワーク実施者の評価基準の設定など、最適なものを構築するために試行錯誤を繰り返す必要がありそうです。
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