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大量退職の原因となっている人の部署異動はできますか?

公開日2018/09/05 更新日2018/09/05

Q:従業員の本音の退職理由がなかなか聞けずに困っている人事担当です。

最近勤続3年目までの社員の流出が続いており、マネージャー職の社員(Sさん)のパワハラが原因ではないかと噂をよく耳にします。
退職予定者への面談や現職者への定期面談時に詳しくヒアリングしようとしても、社員たちはSさんを恐れてか、「わかりません…」と濁されてきちんと答えてくれません。
また、事情を話し人事部長にSさんとの面談をお願いしましたが、口がうまく誠実な態度であったため、一概にSさんのせいとは言えないのではと判断しました。
このままだと、せっかく苦労して採用した大事な社員がどんどん減ってしまい、人手不足のブラック企業となってしまうのかと危惧しています。
Sさんを異動させられればベストなのですが、正当な手順がわかりません。

どなたかご教授お願いします。

A:マネージャーとしての適格性を欠くので、異動を命じる

状況が見えませんが、きっと大きな企業様でしょうか。
マネージャー職の方が、自分の部下の離職に気が付いていない。

それは、マネージメントが欠落しているような気がします。

その方の部署・グループの売上げ・経費の使用状況など、計数的に見えるものはないのでしょうか。
チェックをしてみて、問題があれば注意もできるのでは?
また、マネージャー職の上司の方がいらっしゃれば、どのような対応なのでしょう。

「マネージャーとしての適格性を欠くので、異動を命じる」
答えになっていないかもしれませんが、一つのヒントとして、書いておきます。

桑野真浩(社会保険労務士)先生の回答

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労働契約上の根拠があれば認められる配転命令権

人事異動は、サラリーマンの宿命のようなものですが、使用者側の都合だけで、いつでも行使できるものではありません。それは、時には、人事異動がサラリーマン人生を大きく左右してしまう可能性がある、きわめてデリケートな問題だからです。

「業務上の必要がある場合は、配転を命ずることができる」といったことが、就業規則に明記され、労働契約上の根拠があれば、使用者は従業員に対して配転を命じる(配点命令権)することができます。

ただし、それが権利濫用に当たる場合は認められていませんから、まずは、就業規則を確認し、配転がありうるということが労働契約の内容となっているかどうかを確認することがポイントです。

配転・出向・転籍に関わる法的問題

人事異動は、使用者側の都合で、勝手に行使できるものではありません。以下の法的根拠も確認しておく必要があります。

労働契約法第3条

労働契約法第7条

労働契約法第12条

労働契約法第14条

一口に人事異動といっても、職務の内容を変える配置転換、勤務地が変わる転勤、籍は所属企業に置いたまま、他企業で業務に就く出向、他企業に席も移して業務に就く転籍などがあります。

配転命令権の行使が権利濫用となるのは?

配転命令権の行使の、どのようなケースが権利濫用となるかについては、判例法理が確立しています。たとえば業務上の必要性が存しない場合、また、業務上の必要性が認められたとしても、不当な動機・目的(嫌がらせなど)でなされた場合、労働者が通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものなどです。

一方、悪質なセクシャル・ハラスメントやパワー・ハラスメントは、懲戒解雇が認められる可能性もありますが、それを証明するような証拠が必要となります。

軽度のセクハラ、パワハラについては、まずは注意指導、あるいは訓告や減給といった軽微な懲戒処分が妥当のようです。

ともあれ、人事異動はサラリーマンにとっては、人生を左右するかもしれない出来事、それだけに会社としても人事異動を命令する場合は、それなりの手続きが必要となります。クリアしなければならない法的問題もありますので、弁護士など専門家によく相談することが大切です。

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