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SDGsの目標2.飢餓をゼロに

公開日2018/09/06 更新日2019/09/10
SDGsの目標2.飢餓をゼロに

人間の生理的欲求の中でも、生命維持に欠かせない欲求として「睡眠欲」「排泄欲」そして「食欲」があります。
人間が「人として」ではなく、ひとつの「生命体」として命をつなげるために必要不可欠な欲求です。その食欲が満たされず、命を落としてしまう人が、世界中に考えたくないほど大勢います。
今回はその「飢餓」について、SDGsの目標とともにご紹介します。

世界に広がる飢餓は7億9千万人を超える

SDGsの目標2では、「飢餓に終止符を打ち、食糧の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する」と記されています。

現在世界中で、7億9千万人を超える人が満足な食事にありつけず、栄養不足に陥っている状態です。
特に顕著なのがサハラ砂漠よりも南側のアフリカで、2015年時点で成人の過半数が食糧不安を抱え、4分の1が深刻な状況に陥っていました。

また、子どもの飢餓も非常に深刻な状況であると言えます。

2014年時点では、1億5,860万人にもおよぶ5歳未満の子どもが発育不全状態にありました。さらに9千万人の5歳未満児が低体重であり、アフリカでは現在でも4人に1人が空腹を満たせないまま眠りについていると言われています。

これらの飢餓は、さまざまな原因で改善が見られない、もしくは悪化の一途を辿ってしまっています。

たとえば、気候変動によって引き起こされた干ばつなど、自然災害に対処できず農作物の収穫が減少してしまったり、環境破壊、人為的災害、政治不安などが食糧不安を増大させてしまったり、いくつかの原因が複雑に絡み合って事態を深刻化させている状態です。

SDGs目標2「飢餓をゼロに」の主なターゲット

SDGsでは17ある目標のうちの目標2として、飢餓を撲滅するために8項目の具体的な内容(ターゲット)を設定しています。飢餓撲滅の8項目のうち、主要なものを以下にご紹介します。

【2.1】
2030年までに、飢餓を撲滅し、全ての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。

ここのポイントは、「栄養のある」という表現が入っている点です。

食糧を十分得られるのは飢餓撲滅の象徴的な目標ですが、大切な飢餓撲滅のもうひとつの目標に「栄養のある食糧を得られるようにする」というものがあります。

実は今、5歳未満の肥満児が急増している状態にあります。これは先進国に見られる、飽食による肥満ではなく、安価で糖分の多い食べ物や飲み物を多く摂取することで起こる肥満です。

栄養バランスの良い食事は材料費が高い傾向があり、さらに後発開発途上国では十分に食材が手に入らないという問題も横たわっています。そのため、収入があったときは少量のおかずに腹持ちの良い主食ばかりを食べてしまったり、手に入りやすい安価な飲料を多飲してしまったりする傾向があり、肥満児の増加を助長してしまっている状況にあります。

このような状況を改善するため、単なる「食糧不足」の解消だけではなく、「栄養のある食糧を十分に得られるようにする」という目標設定がなされました。

【2.3】
2030年までに、土地、その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場及び高付加価値化や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住民、家族農家、牧畜民及び漁業者をはじめとする小規模食料生産者の農業生産性及び所得を倍増させる。

これに対し日本は、国内向け施策として農林水産業の成長産業化を図り、「担い手への農地集積・集約化、法人化の推進、新規就農の促進、先端技術を活用したスマート農業の推進などによる農業生産現場の強化を図る」としています。

また国際的な施策として途上国の食料システム強化を挙げ、「官民連携による途上国等におけるフードバリューチェーンの構築を促進する」としています。

国の施策はもちろん大変重要なものですが、特にフードバリューチェーンの構築などにおいては、農業の技術や食品加工の技術、流通システムの構築など、「民」の技術を提供することが強く求められ、さまざまな企業の協力が期待されるところです。

【2.4】
2030年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。

これには私たちが直接できることとして、地球温暖化対策が挙げられます。地球温暖化対策は以前から叫ばれてきたことですが、私たちの日常生活においても、二酸化炭素排出量を抑える(たとえば電気自動車や公共交通機関を利用するなど)、食品ロスを抑える(ゴミ焼却時のエネルギーロスの削減、食品輸入削減による貨物船の温室効果ガス排出量削減につながります)などが挙げられます。

また、食品ロスを減少させることは、需要量を超えた過剰な食品の集中を抑制し、必要なところへ必要な食糧を届けることが可能になります。

このような、私たちの目の前にある問題に対する取り組みも、ひいては世界的な飢餓の撲滅にもつながっていくのです。

紹介したもの以外にもたくさんのターゲットがあります。たとえばインフラを整えることが非常に重要で、後発開発途上国のそれぞれの気候や土壌、地域性を生かした農作物作りを促進させることができれば、食糧不安を解消することができます。

まとめ

今この瞬間にも食糧に飢え命を落としてしまう人がいます。ただ単に食べ物という現物を送り届けるのではなく、抜本的な問題解決として世界はSDGsを掲げ、2030年に向かっています。

私たちにもできることはたくさんあります。まずは世界で起きている悲惨な現状を知り、その現実から逃げず、少しでも問題解決に取り組むことが大切です。世界中の人々が一致団結することが、今求められているのです。

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