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テクノロジーの進化によって、便利な世の中になっているが、中でも著しい進化を遂げているのがAI(人工知能)である。しかし、AIの進化がもたらすものは、便利な世の中だけではない。最も懸念されているのが、AIに仕事が奪われてしまうのはないかという不安だ。
その不安のきっかけとなったのは、2014年にオックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授が発表した衝撃的な論文「THE FUTURE OF EMPLOYMENT(雇用の未来)」である。
その衝撃の内容とは、「今後10年から20年で仕事の自動化が進み、仕事の約半分が機械に奪われるという」という予測である。
そこで、デジタルペンの新しい価値をご提供しているワコムは、AI化が進むと予測される時期に社会人になる小中学生を持つ30歳から50歳までの男女に、「職業に関する意識調査」を実施したが、AI(人口知能)やRPA(ロボットによる業務自動化)によって、60.4%が「失業者が増える」と回答している。
では、今後10年間で、AIやRPAなどで業務の自動化が進んでも、生き残ると思う職種の1位は医療・介護系(55.2%)、2位が研究・教育系(47.4%)、3位がデザイナー・クリエイター系(40.0%)である。
デザイナー・クリエイター系が3位にランクインした理由は、「芸術的センスが必要な仕事」(72.7%)、「何もないところから新しいものを生み出す発想力が求められるから」(46.8%)、「決められた仕事を行うのではなく、仕事を作る立場」(42.1%)という結果である。
ところが、子どもになってほしい職業では、1位が医師・看護師(33.7%)、2位が会社員(32.4%)、3位が公務員(28.9%)で、10年後も生き残る職種3位にランクインしたデザイナー(8.0%)、ゲームクリエイター(3.9%)のクリエイター系は下位になっている。
しかし、子どもに身につけさせたいスキルは発想力・想像力(63.1%)で、いずれもクリエイター系に求められるスキルだ。
デジタル社会がさらに進化を遂げ、活躍が期待される職種の上位にランクインし、発想力や想像力が求められるクリエイター系だが、親の意識は、アナログ時代から続く“安定”という2文字が、どうしても頭から離れないようである。
長期的視野での採用計画を立案する際には、このような親の意向を熟知しておくことも、プラスに作用するのではないだろうか。
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