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新型コロナウイルス感染症の拡大は、経済に大きな打撃を与えたが、日本生産性本部の余暇創研がまとめた「レジャー白書2021」(10月4日発行)によると、業界によって明暗が大きく分かれる結果となった。
2020年度の余暇関連市場規模は55兆2,040億円で、前年に比べ23.7%減の大幅ダウンとなり、なかでも緊急事態宣言などによる行動制限の影響をモロに受けた産業は大きなダメージを受けたようだ。
一方で巣ごもり需要が増加し、個人を対象とした余暇活動の参加状況で上位を占めたのは、レンタルや配信を含む「動画鑑賞」(3,900万人)、仕事や勉強などを除く娯楽としての「読書」、「音楽鑑賞」などである。
前年の首位だった「国内観光旅行」は4位となり、2位につけていた「外食」も6位と順位を下げ、個人の余暇活動の傾向は、旅行・外食から在宅レジャーへと大きくシフトしている様子がうかがえる。
なかでも、前年比43.7%減と大きく落ち込んだのが「観光・行楽部門」で、海外旅行は9割減である。旅行業や航空、バス、遊園地・レジャーランドなどの業界にとっては、行動制限が極めて大きな打撃となったようだ。
カラオケや飲食、ゲームセンター、パチンコは、行動制限の影響を受けて不調だったが、公営競技やゲームは好調だったようで、「娯楽部門」全体では前年比21.8%減にとどまっている。
「スポーツ部門」は、スポーツ用品や施設、観戦はマイナスだったが、自転車とゴルフ練習場はプラスとなり、前年比15.9%減、「趣味・創作部門」は前年比9.5%減で、動画配信、音楽配信、電子出版が大幅に上昇した一方、外出を伴う鑑賞レジャーは激減している。
コロナ禍の影響は業界・業種によって大きく明暗が分かれる結果となった。今後、緊急事態宣言もまん延防止等重点措置も全面解除となり、行動制限も段階的に緩和していくことが予想される。解除となった10月初旬の週末には、各行楽地の人出は軒並み増加したようだが、その影響がこの後どうなるのかが気になるところだ。第6波の引き金になるのか、それとも経済再開の足掛かりとなるのだろうか。
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