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コロナ対応で露呈した日本のデジタル化の遅れは、裁判所がIT専門部署を発足させ、デジタル化に向けて本格的に動き出しました。書類などの紙文化が色濃く残るこの裁判所のデジタル化に向けた動きで、日本のペーパーレス化は進むのでしょうか。
裁判が決着するまでの流れを見ていくと、提訴から口頭弁論、そして判決と、裁判が決着するまでにはかなりの期間が必要となります。
もちろん、公正な判決を下すためには、提出された証拠や証人の発言内容の検証などを、念入りに進めていく必要があります。そのため、長期戦になることも仕方ないでしょう。しかし、手続きや書類作成などは、デジタル化することで時間を短縮することも可能です。
そこで、裁判所と弁護士事務所にウェブ会議を導入し、争点整理など法改正の必要がない手続きについては、インターネットを通じてできるようにしました。このウェブ会議方式は、全国の地裁でも導入が進み、コロナ禍で利用が増加傾向を示しているようです。
裁判所でのデジタル化が先行しているのは民事分野で、家庭裁判所でも2021年12月から、離婚や相続などの調停手続きの一部で、ウェブ会議が試行されています。また、刑事分野でも書証や証人尋問のIT化の検討が始まるなど、デジタル化の動きは加速しています。
さて、裁判所の執務室といえば、資料が机の上に堆く積み上げられた、まさに紙文化の象徴のようなイメージを抱くのではないでしょうか。
ところが、裁判を扱ったテレビドラマでもお馴染みのこの光景は、現在の執務室ではほぼ見られなくなりつつあります。裁判所に、デジタル改革の波が押し寄せていることを示すのが、この執務室の光景といえそうです。
ところで、デジタル化によるペーパーレスへの取り組みは、裁判所だけでなく、民間企業の課題でもあります。では、デジタル化することで、どのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
まず、これまでの紙の文書や資料、請求書や契約書などの会計書類をデジタル化して保存、保管することは、業務の効率を大幅に改善することにつながります。また、資料や情報も探しやすくなるでしょう。
次に、書類をプリントアウトする必要がなくなり、用紙代やインク代、印刷機器のメンテナンス費用、資料の郵送費用、廃棄費用など、紙に関連するコストを大幅に削減できます。
また、書類などを保管するスペースが必要ありません。オフィスを有効活用することもでき、セキュリティを強化することで紛失や情報漏えいのリスクを低減することもできるようになるでしょう。
メリットがあれば、デメリットもあります。デジタル化にはハードウェアやソフトウェア、ツール、システムなどの導入のほか、通信環境を整えるなど、それなりのコストがかかります。
また、導入コストだけでなく、システム障害が発生した際の対策も整えておかなければなりません。サーバーや端末が故障してしまうと、データにアクセスできなくなるだけでなく、データそのものを失ってしまうリスクもあります。
デメリットもありますが、世界の潮流は紛れもなくペーパーレスに向かっています。これまで「世界から周回遅れ」と揶揄されてきた日本の司法分野のデジタル変革も、本格的に動き出しています。民間企業もその流れに乗り遅れないようにしましょう。
コロナ禍でテレワーク導入が拡大したことに伴い、デジタル化・ペーパーレス化が一気に進むという期待もありました。しかし、紙文化から脱却するためには、まだまだ多くの課題を乗り越える必要がありそうです。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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