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多くの企業は3月を決算月としていますが、賞与として決算賞与(臨時賞与、年度末賞与、特別賞与)を支給している企業もあります。通常の賞与と決算賞与とでは何が違うのでしょうか。これには、経理担当者なら知っておかなければならない問題も含まれています。
ぜひご確認ください。
決算賞与とは、「企業の事業年度の業績に応じて支給される給与」のことであり、「社員への利益還元」を目的にしています。
一般的に「通常賞与」は夏・年末の年2回支給されることが多く、決算賞与の場合は「臨時賞与」、「年度末手当」、「特別賞与」など、その名称は企業により様々です。
決算賞与の支給日は決算が確定してから支給されるため、決算賞与は決算月後の給与支給日に通常の給与と一緒に支給されるのが通常です。
日本企業の場合、決算月は3月、6月、9月、12月が一般であるため、決算賞与の支給日はこれらの月の翌月の給与支給日となります。
決算賞与とは「事業年度終了の日の翌日から1カ月以内」に支給される特別給与のことで、その企業の事業年度の業績に応じて支給されます。
また、決算賞与には以下のメリットがあります。
決算賞与を支給する一番のメリットは、決算賞与支給額は損金算入ができるため節税対策として利用されることが多くあります。
例えば決算で法人税の課税対象利益額が1500万円となり、法人税の税率が40%だった場合、法人税額は600万円になります。
しかし、この課税対象利益額のうちの1000万円を決算賞与として社員に利益還元すれば課税対象額は500万円、法人税額は200万円となり、差し引き400万円の節税になります。
つまり企業は決算賞与を支給することで社員に喜ばれ、国に対しても適正な納税義務を果たす一石二鳥の効果を得られるのです。
決算賞与は業績と連動した給与という特性を持っています。したがって、決算で確定した余剰利益を社員に還元することで社員には「業績向上に貢献した」との実感が生まれ、「今期も頑張ろう」とのモチベーションや会社へのロイヤリティが高まります。
決算賞与は決算により確定した余剰利益を原資としている給与であるため、通常賞与のような○○万円、あるいは基本給の○月分といった業界平均や相場は無く、すべては余剰利益額に左右される賞与といえます。
支給額は通常賞与より少ないことが一般的ですが、同一企業でも通常賞与額より多い年があれば支給ゼロの年もあります。また、勤続年数や業績貢献度の違いで支給額に差があることも珍しくありません。
決算賞与を支給する場合、次の3要件を満たす必要があります。
1.決算日までに支給額と支給日を支給対象となるすべての社員に通知していること
2.通知をした支給額を通知したすべての社員に対し、決算日の翌日から1カ月以内に支給していること
3.支給額を①の通知をした日の属する事業年度において損金処理をしていること
この3要件は、決算賞与で節税する際の要件でもあるので、経理担当者は要注意です。
また決算賞与を支給することで法人税額は減少する一方で、手元のキャッシュフローは一時的に悪化します。
このため「会社側も従業員も決算賞与支給の恩恵を受けることができたが資金繰りが悪化した」といった事態にならないように、経理担当者や財務担当者は資金計画においても細心の注意を払う必要があるでしょう。
■参考サイト
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東証プライム上場企業の2023年夏季賞与・一時金支給額 労政研調べ
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