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「独占禁止法違反の疑いで公正取引委員会がA社に立入検査」などのニュースが報じられることも決して少なくありません。
独占禁止法とはどういう法律なのか、公正取引委員会とはどういう組織でどのような活動をしているのかを、コンパクトにまとめてみました。
自由経済社会は、それぞれの事業者が独自の判断で商品やサービスを提供し、消費者はその中から自由に自分が欲しいものを選ぶという仕組みによって成り立っています。ところが、なかには自らの利益を優先するため、自由競争が原則のルールを破る事業者もいます。
公正かつ自由な競争を促進するために制定されたのが「独占禁止法」(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)で、私的独占や不当な取引制限(カルテル・談合)、などを規制する法律です。
この独占禁止法に違反する行為を取り締まるために、事業活動を監視しているのが公正取引委員会です。違反行為の疑いがあれば、公正取引委員会は事業者への立入検査、事情徴収などの行政調査を行います。
違反行為が認められた事業者には、排除措置を命じるほか、違反の内容によっては、課徴金や刑事罰などの厳しい措置が採られることもあります。
では、課徴金の対象となる独占禁止法に違反する行為には、具体的にどのようなものがあるのかを見ていきましょう。
公正取引委員会が発行している独占禁止法のガイドブックには、「カルテル・入札談合等の不当な取引制限、私的独占(支配型・排除型)及び一定の不公正な取引方法(共同の取引拒絶、差別対価、不当廉売、再販売価格の拘束及び優越的地位の濫用)」が対象であると挙げられています。
最近のニュースから拾うと、大手パソコン部品メーカーが自社のCPU採用を取引条件とする私的独占や、旅行業者5社が修学旅行費用料金の基準を設けたことで「カルテル」(不当な取引制限)にあたるとして、排除措置命令が下されたことも記憶に新しい事件です。
その他にも電気設備工事の入札参加業者による入札談合や、大手家電販売業者による優越的地位の濫用、抱き合わせ販売など、自由経済社会おける市場の競争を阻害するような事件は後を絶ちません。
独占禁止法は、公正で自由な競争を促進し、事業者が自主的な判断で自由に活動できるようにすることを目的に制定された法律です。消費者のニーズに応えるために、事業者が創意工夫を凝らした魅力的な商品を供給するために切磋琢磨することで、日本経済の活性化・発展にもつながります。
不当な価格の吊り上げや、自社に有利となる条件を提示しての取引は、市場のメカニズムを破壊するだけでなく、消費者の不利益にもつながります。
ところで、公正取引委員会は、どのようにして違反行為を監視しているのでしょうか。市場や経済の動きを注意深く監視していることはもちろんですが、不利益を被っている事業者や消費者からの通報などから、違反行為の手がかりを探しています。
違反の疑いがあれば、事業者への立入検査を行い、帳簿や取引記録などの関係資料を収集して詳しく調べます。また、関係者に事情聴取などを行うこともあり、こうした丹念な調査から違反行為に関する証拠を収集していくのです。
違反行為が確定すれば、排除措置命令や課徴金納付命令の行政処分が下されます。もし排除処置命令に従わなければ、刑事罰が科されることになります。
気づかないうちに違反行為をしないためにも、管理部門の担当者は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律ガイドブック「知ってなっとく独占禁止法」(公正取引委員会)を、手元に置いて、常に確認しておくことがおすすめです。
「独占禁止法」の施行は昭和22年で、昭和31年には補完法として「下請法」も施行されています。過去の独占禁止法違反のケースを見ていくと、大手が下請けに不利な取引条件を迫ることが多く、立場を利用したパワハラ行為にも通ずるものがあるのではないでしょうか。公正で自由な事業競争こそが自由経済社会の基本であり、企業の成長に欠かせないことを、改めて認識することが大切なようです。
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