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日本の年金制度は、公的年金である基礎年金(国民年金)と被用者年金(厚生年金)、そして企業が独自に支給する企業年金の3階建てとなっています。その3階部分に当たるのが企業年金ですが、金融庁は、企業年金を取り巻く状況の調査結果(ボストン・コンサルティング・グループ合同会社に委託)を公表しました。
人生百年時代といわれますが、公的年金だけでは、悠々自適の老後を送ることはできないとされています。それだけに、企業が社員の福利厚生の一環として設ける任意の企業年金は、会社員の心強い味方といえるでしょう。
しかし、公的年金ではありませんから、すべての企業に企業年金の制度が導入されているわけではありません。加入者数300人以上という条件を満たした企業が企業年金基金を設立し、その基金を運用して年金給付を行うというものです。
企業年金には確定給付企業年金と確定拠出年金、厚生年金基金の3種類があり、中小企業退職金共済制度・特定退職金共済制度も、広義では企業年金と考えられます。今回、金融庁が公表したのは、加入者が約900万人の「確定給付型企業年金制度」の状況についてです。
確定給付企業年金は、企業と社員との間で決めた給付額を、退職後に受け取るというものです。この企業年金を支えているのが、年金資産の運用益ですが、運用に失敗すれば、社員と約束している給付額を払えなくなる可能性もあります。
そのため、年金資産の運用状況については、株主をはじめとするステークホルダーも注目しています。つまり、年金資産の運用状況が企業の評価や業績に与える影響が極めて大きく、企業年金制度を維持していくための課題も指摘されています。
課題の一つとされているのが、欧米諸国との企業年金の運用戦略・運用手法の違いです。そのため、海外の制度・運用との比較分析をするとともに、日本の企業年金を取り巻く状況と課題を整理するために行ったのが、今回の調査の目的です。
では、調査によってどのような課題が抽出されたのかをみていきましょう。制度面についての課題は、以下の6点です。
1. 多様なステークホルダーの期待に対応した目的・ミッションの定義
2. 運用高度化に向けたガバナンス・インセンティブの強化
3. 運用戦略・運用成果に関する情報公開の促進
4. 専門性をもった内部運用体制の構築
5. 運用成果に基づく業務委託先間での競争原理の強化
6. 中小基金における共同運用プラットフォームのさらなる活用
それぞれの詳細については金融庁のサイトで確認できますが、決定的に違うのは、「4.専門性を持った内部運用体制の構築」についてです。欧米の先進諸国は、投資の専門家が運用を担当していますが、日本では経理・財務の人材が運用を行っていることです。
投資の専門家には、プロとしての運用判断や説明責任も求められます。すなわち、運用益を出すために任されているわけです。
しかし、経理・財務担当者は、資金繰りなど企業財務の経験はあっても、長期運用の経験は少ないのではないでしょうか。このプロとアマの差が、運用成績の差にも表れているといえそうです。
課題には、運用戦略・運用体制に対する情報開示も挙げられています。株主や投資家は財務情報だけでなく、企業年金の運用成績にも注目しています。こうしたステークホルダーが求める運用実態に関する透明性に応えることが、投資を呼び込み、企業年金制度の持続的な改善につながることを、この調査結果は示唆しているようです。
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