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企業が危機管理について考える場合、「不祥事を起こしたときの謝罪会見をどのように行うべきか」は最も重要なテーマの一つです。
SNSにより誰もが情報を発信・拡散できる現在、自社の社員・アルバイトを含め、どの人・組織から自社の不祥事情報が広がるのか予測が難しいのが実情といえます。どれほど対策を講じても不祥事発生のリスクは無くすことはできず、それゆえに起こった場合の対策を考えておくことが大事です。
そこで今回は、企業不祥事における謝罪会見のポイントは何かについて、詳しく解説します。
一般的に企業の不祥事とは、企業活動によって人的被害を与えた場合、個人情報漏えいや異物混入など今後被害が拡大する恐れのある事故・ミスを起こした場合、さらに粉飾決算や贈賄など違法性のある行動を企業・社員が行った場合などが該当します。
特に、社会的な影響力が強い事案、故意もしくは悪意によって生じた事案、組織上の欠点によって生じた事案等の場合は、社会から強くその失態を責められることになります。そのため、不祥事に対する緊急の謝罪会見が必要となってきます。
謝罪会見とは、企業の経営者や役員、管理者などがメディアの記者などを呼び、自社が起こした不祥事について謝罪する会見のことです。
謝罪会見はマスコミによりテレビや雑誌、SNSで報じられ、社会全体が注目します。会見の方法は慎重を期す必要があり、たとえ頭を下げて謝罪したとしても、会見の中で企業側の都合のみを強調し、言い訳めいたことを少しでも口にすれば、会見は裏目に出ることが多いです。その場合、謝罪会見が世間の反感を増長させる原因にもなってしまいます。
そのため、謝罪会見をする場合、その場の即興・思いつきでお詫びをすることは厳禁であり、事前に適切な準備をしておくことが重要です。ここでいう「事前」とは、「不祥事が起こってしまい、謝罪会見を行う前」という意味ではなく、不祥事が起こっていない平時から対策を考えておくことを意味します。
企業は人間が運営し、人間によって構成されているものである以上、何らかの不祥事が起こるリスクは常にあります。不祥事は生じるものという前提で、起こったときに備えて準備を整えておくのが望ましいです。平時の段階から謝罪会見の方法について理解しておき、企業組織内で情報共有しておけば、いざというときにも冷静な対応を行えます。
前もって謝罪会見の方法について考えておく場合、最低限抑えておきたいポイントが二つあります。その一つが、謝罪会見におけるお詫びの対象、お詫びをする理由を明確にすることです。
お詫びをする対象と理由が不明確だと、謝罪会見を見た人に「とりあえず頭を下げているだけ」という印象を与え、逆に企業に対する不信感を増やしてしまう恐れがあります。
そのため謝罪会見を行う場合、このお詫びが誰に対して行われているのか(消費者、取引先、株主など)、そして、自社がどのような損害を与えてしまったのか(今後与える恐れがあるのか)を明確に伝えることが大事です。
例えば、「通信障害によって携帯電話が一時不通になったため、通信会社が謝罪会見を行う」というケースを考えてみましょう。
この場合、お詫びの対象は、損害を与えたと想定される個人または法人の携帯ユーザーです。この点を言わないまま謝罪会見を行うと、誰に対して謝っているのか不明確になります。
また、「携帯が不通になって連絡ができなくなり、大変ご不便をおかけしました」など、自社の責任でどのような損害を与えてしまったのかについて、その認識をはっきりと話すことも必要です。
この2点を明確にしないまま、通り一遍倒に「このたびの不祥事は重く受け止めています。改めてお詫び申し上げます」などと言って頭を下げるだけでは、「ただ謝っているだけ」という印象を世間に与える恐れがあります。
二つめのポイントとして、謝罪会見時のメディア対応を疎かにしない、という点を挙げられます。
企業の不祥事によって損害を被るのは一人の個人ではなく、不特定多数です。そのため一人ひとりの被害者に対して謝罪していくことは不可能に近く、かわりにマスコミを通してまとめてお詫びをするというのが謝罪会見の目的であるわけです。
一般的に、謝罪会見は各メディアの記者が集まり、質疑応答の時間で記者から鋭い質問が出されるのが通例です。このとき記者が行う質問内容は、不祥事の被害者であれば誰もが自然に心に抱くと思われる疑問点・感情となるのが一般的です。
これは当然のことで、記者自身は別に企業の不祥事によって個人的に被害を受けているわけではありません。不特定多数の被害者に対して企業側はどう考えているのかを、より正確に報道するために質問しているからです。
そのため、記者の質問に不誠実な対応を見せたりすると、不特定多数の被害者に対する不誠実さとして報道され、謝罪会見はむしろ火に油を注ぐ形となる恐れがあります。
記者と対峙を迫られる企業側の人間としては、答えにくい質問を投げられることは不快にも感じることもあるかもしれません。
しかし、記者の質問に誠実に答えることが、自社の見解やお詫びの思いを、謝罪すべき不特定多数の相手に適切に報道してもらう機会になるのは間違いありません。企業側は、記者との質疑応答の時間を決して疎かにすべきではないのです。
企業は不祥事がいつ起こってもおかしくないと理解し、起こった場合に備えて謝罪会見の対応方法を前もって考えておくことが大事です。不祥事が起こっていない段階から対応策を考えておくことで、実際に生じたときも落ち着いた対応ができます。
謝罪会見の方法について検討する際のポイントは、お詫びの対象、お詫びをする理由を明確にすること、謝罪会見でのメディア対応を疎かにしないこと、の2点です。謝罪会見は対応方法を誤ると完全に逆効果となるため、会見のやり方等については普段から検討しておくことをおすすめします。
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