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経済産業省は、EPA活用を推進していくため「EPA活用推進会議」を新たに設立し、EPAの効果的な活用に関する課題を検討していくことを発表しました。国際競争力を強化するためにはEPA活用が不可欠とされていますが、活用することで企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
「EPA=Economic Partnership Agreement」とは、特定の国や地域間との貿易や投資を促進するための経済連携協定のことです。日本は2020年2月時点で21の国・地域とEPAを締結しています。
EPAは、輸出入にかかわる関税の引き下げや撤廃、手続きの簡素化や規格・検疫相互認証など、ビジネス環境整備の協議などについて協定を結ぶものです。関税の負担が少なくなることで、小規模事業者であっても海外展開できるチャンスが生まれる可能性があります。
輸出入の際の関税撤廃や削減を定めた国際協定としては「FTA=Free Trade Agreement」(自由貿易協定)もありますが、EPAは物品やサービスの流通だけでなく、人の移動や知的財産権の保護、投資・競争政策など、より連携を強化するための協定です。
関税が撤廃されれば、外国製品を安く輸入でき、輸出の際もマーケットを拡大することが期待できます。輸出入ビジネスを有利に展開していくためにも、EPAの活用は欠かせないものと言えるでしょう。
しかし、中堅・中小企業等が新たにEPAを活用するためには、乗り越えなければならない課題があり、それは「三つの壁」と呼ばれています。
一つ目の壁は「知識の壁」で、複雑で専門的な制度・利用プロセスに関する理解が追いついていないこと、二つ目が、複雑な手続きを完遂できない「プロセスの壁」、そして三つ目が「協力企業の壁」で、取引先から原産性調査などの情報提供の協力を得られないことです。
こうした課題を解決するための方策を検討するのが、新しく設立された「EPA活用推進会議」です。7月6日に第1回の推進会議が開かれ、今年度中に、合計4回程度開催する予定です。
推進会議には政府関係者や学識者に加え、民間からは10業種の業界団体・企業、関連サービスを提供する事業者が参加し、効果的な改善策を検討するとともに、その検討結果を広く周知していくそうです。
では、EPA締結によって得られるメリットですが、関税撤廃・削減によって、輸出先の現地企業と対等に競争ができるようになります。また、数量などの輸入規制が撤廃されれば、商品やサービスの流通や販売もしやすくなるだけでなく、輸出入にかかる時間やコストの削減にもつながります。
貿易が円滑になれば、市場でも自由な取引が行われるようになり、市場の活性化に伴って、投資が促進されることにも期待が持てるようになるのではないでしょうか。
もちろん、メリットがあればデメリットもあります。もっとも懸念されるのが商品の安全性です。たとえば食品や食器などは、それぞれの国の検査機関で安全性を確認しなければなりません。
安全性を確認する手続きや検査は、国によって基準も違い、なかなか煩雑なものです。それを簡略化することもEPAの目的ですから、安全基準を満たしていない、つまり危険性の高い商品が流通する可能性が高くなることは、避けられないことかもしれません。
しかし、日本の貿易総額に占める割合は、EPA発効済みの相手国が51.6%と、すでに半数を超えています。さらにEPAを交渉中の国も含めると86.2%にもなります。日本産業の国際競争力を強化するためには、EPAを活用できる環境を整えることが重要です。
「EPA活用推進会議」で、どのような改善策が示されるのか、注意深く見守る必要がありそうです。
ビジネスのグローバル化によって、貿易にかかわる協定もTPP、FTP、RCEP、そしてEPAといろいろあります。はたして、輸出大国日本にとっては、どの協定がどれほどのメリットをもたらしているでしょうか?
バックオフィスとしては各協定の内容をしっかりと押さえつつ、自社のメリットになるかどうか検討する必要がありそうです。
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