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移転価格税制の概要
移転価格税制は、海外子会社など(「国外関連者」といいます)との取引を通じた日本から海外への利益移転を防止するため、その取引価格を第三者と行われる適正な価格(「独立企業間価格」といいます。)で行われたものとみなして、差額について課税する制度です。
独立企業間価格について
適正な取引価格である独立企業間価格は、国税当局もその算定根拠とするものがなければ課税が困難です。そこで、海外子会社との取引が第三者と同様のルールのもと行われていることの説明などを記載した『独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類(ローカルファイル)』の作成義務を企業に課しています。
どんな取引が対象となるのか?
日本企業が海外に子会社を設立し、取引をはじめると、企業規模や取引量に関係することなく「移転価格税制」や「国外関連者に対する寄附金」といった取引価格に着目した税務上の検討事項が発生します。対象取引は、次の取引で、第三者であれば対価を当然もらうすべての取引(「国外関連取引」といいます。)が対象となります。
1.資産の販売や購入
2.役務の提供
3.その他の取引
例えば、商品や製品等の輸出入、特許や商標など無形資産の売買や使用許諾、経理や人事の代行、各種技術指導などのサービス提供などで、日本から海外に利益が移転しているものがその対象となります。したがって、国内取引、日本企業の海外支店などとの取引は対象となりません。
中小企業における移転価格税制のポイント
~Point 1 ローカルファイルへの対応について~
国外関連者との取引がある場合、税務調査で要請があったときは、取引金額にかかわらず、ローカルファイルを提出等する必要があります。ただ、すべての取引について作成することは労力と費用を要するため、例えば、A社との取引規模が30億円、B社との取引規模が100万円であるときは、調査で問題になりそうな国外関連者との取引(例えばA社)から優先的に作成を行っていくこ
とをお勧めします。
~Point 2 移転価格と国外関連者への寄附~
「移転価格税制」と「国外関連者への寄附金」の区分は難しいことが多く、中小企業では比較的短期間での課税判断が可能である「国外関連者への寄附金」による指摘を受けるケースが多くなります。
例えば、海外子会社が負担すべき出張旅費や出向者給与を国内親会社が負担している場合等には、「国外関連者への寄附金」と指摘を受けることがありますので、適正な対価を収受するなどの対策が必要となります。
移転価格税制や国際税務に関する疑問点がございましたら遠慮なくお尋ねください。
「中小企業における移転価格税制の基礎」につきまして、WebサイトのActusNewsletterもご参照ください。
◆アクタスWebサイト『Actus Newsletter』「中小企業における移転価格税制の基礎」
移転価格税制に関する制度につきましては、下記HPもご参照ください。
財務省HP:移転価格税制の概要
国税庁HP:移転価格ガイドブック~自発的な税務コンプライアンスの維持・向上に向けて~
国税庁HP:移転価格事務運営要領の制定について(事務運営指針)
記事提供元
アクタス税理士法人
アクタスは、税理士、公認会計士、社会保険労務士など約140名
で構成する会計事務所グループです。中核となるアクタス税理士法人では、税務申告、国際税務、相続税申告など専門性の高い税務コンサルを提供しています。
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