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事業者にとっても個人にとっても、税金は少ないに越したことはありませんが、法に触れて納税額を減らすと脱税になってしまいます。脱税は明確な犯罪であり、法的な罰則の対象にもなります。
しかし脱税に関する知識を、日々の業務で得ることは難しいでしょう。それでは、あらためて脱税とはどのような行為なのか、今回の記事では経理の視点を踏まえて、脱税の定義とそれが発覚する理由について解説します。
所得税や法人税は所得をもとに算出されるため、経理担当者は営業経費・減価償却費などを適切に管理して、なるべく申告する所得額を低く抑えます。これは合法的な節税と見なされます。
ところが違法行為であることを知りながら、意図的に納税額を減らすとそれは脱税です。 法的な規定はないものの、合法と違法との線引きを以下にまとめてみます。
・節税:合法的な会計基準に従って税額をなるべく低く抑えること
・申告漏れ:経費の計上ミスなどにより、意図せず税額を過少に申告してしまうこと
・所得隠し:課税逃れとも言われ、意図的に過少な税金を納めること
・脱税:完全に違法行為と認識しながら、不正な手段で過少な税金を納めること
申告漏れは脱税には該当しませんが、場合によってはペナルティの対象になることもあります。所得隠しは軽度の脱税と考えられ、罰則も課せられます。
脱税の方法としては大きく二つが考えられます。一つは収入自体を過少に申告することで、もう一つは経費を過大に申告することです。具体的な方法は主に以下の三つであり、これらは脱税の常套手段といえるものです。
現金売上の一部を計上しなかったり、事業とは別の銀行口座を悪用したりして、収入そのものを実際よりも過少に申告する方法です。
架空の仕入れ先からの請求を計上する、架空の外注先への発注を偽装する、領収書の金額を改ざんするなどして、経費の金額を過大に申告する方法です。
期末在庫は売上原価として経費扱いできず売上総利益が増えるため、その分税金が加算されます。そのため、在庫を少なく計上することにより、売上総利益を少なく申告するという方法です。
主な脱税の手口を挙げてみると、いずれも経理部門の業務と密接に関わっていることが分かります。では、経理の仕事は事業所内で行われているのに、なぜ脱税がバレるのでしょうか。その理由を考えてみましょう。
脱税がバレる理由でもっとも多いのが、税務署や国税局が行う税務調査によるものです。税務調査を受けると帳簿や書類はもちろんのこと、取引先とのやりとりや、具体的な現金の流れまですべてもれなく調査されます。
また、取引先が税務調査を受けた時に、その相手先として調査の対象になるケースも考えられます。いずれにしても税務調査が入った場合は、ほぼ100%脱税が発覚すると考えたほうがよいでしょう。
資産状況に合わない支出があったりすると、それがきっかけで税務調査に至るケースもあります。脱税した資金で、不動産などの大きな買い物をした場合です。税務署は、法人経営者や個人事業主の資産にまで目を光らせています。
国税庁では、脱税に関する情報提供窓口を開設しています。ここから密告されて、脱税がバレるケースもあります。
脱税でも金額が大きい場合や、悪質であると判断された場合には、「10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその併科」という刑事罰の対象になります。 また刑事罰の場合でも、それ以外の脱税の場合でも、発覚した場合には本来納めるべき税金に加えて、付帯税も支払わなければなりません。
まず脱税した金額そのものは、本来納付するべきだった税額と、実際に納付した税額との差額を、追徴課税という形で納めなければなりません。さらにペナルティとして、重加算税と延滞税が課せられます。
かなりの金額を原則一括で納入しなければならないため、経営的に大きなダメージを被るのは間違いないでしょう。取引先や顧客への信用問題にもつながり、経営を続けること自体難しくなるはずです。また、とくに悪質だと認定された場合には、経営者や経理関係者の逮捕に至るケースもあります。
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法律に定められた正しい方法で、可能な限り納税額を抑えられれば、それは経営上のメリットにもなる節税として評価されます。しかし脱税の場合は、本来納めるべき税金を、違法と分かっていながら意図的に納付しないという悪質な犯罪です。
脱税の手口は、ほとんどが不正な経理操作によるものであり、精査されればほぼ100%バレます。それで経営が破綻してしまっては、まさに本末転倒です。税金は正しく上手に納めて、脱税ではなく節税を目指しましょう。
■参考サイト
Tax tech「脱税はなぜバレる?」
税理士紹介センター 「脱税とは?節税とどう違う?」
サン共同税理士法人 「脱税とは?」
岡田税務法律事務所 「脱税とは?」
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