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過剰な返礼品競争など、何かと物議を醸すことが多い“ふるさと納税”ですが、返礼品の経費の総額が、国基準をオーバーしている自治体が138にものぼることが、読売新聞の調査で明らかになりました。総務省は基準を超えている自治体に初の警告書を送りましたが、なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。
目次【本記事の内容】
2008年にスタートしたふるさと納税は、応援したい都道府県、または市区町村に寄付をすると、2,000円を超える分が住民税などから控除される制度です。
この制度で税収アップを目指す自治体が、高額なおまけを用意する返礼品競争がヒートアップしたことで、2019年に「返礼品は地場産品、調達費は寄付額の3割以下、経費の総額は5割以下」という、新たな基準が設けられました。
基準を守らない自治体を、ふるさと納税の対象から外したこともあり、一時期は総務省と自治体の激しい論争も展開されました。それも一段落し、新基準によるふるさと納税が行われていたのかと思いきや、実はそうではなかったようです。
2021年度は1,786自治体がふるさと納税に参加し、寄付総額は過去最多の8,302億円に達したそうです。ふるさと納税の魅力は、なんといっても寄付した地域の名産品などが詰め合わされた返礼品などです。
その返礼品の調達費が2,267億円(27.3%)でした。しかし、返礼品には調達費用だけでなく、送料や仲介サイトへの手数料、さらに広く寄付を集めるために全国の人にアピールしなければならないため、宣伝広告費もかかります。その経費の総額は3,851億円(46.4%)でした。
全体では、「調達費=寄付額の3割以下、経費総額=5割以下」という国の基準はクリアしていますが、個々の自治体でバラつきがあり、1,786自治体の8%にあたる138自治体が基準を超えていたことが、今回明らかになったわけです。
ロシアによるウクライナへの軍事進攻以降、ガソリン価格が高騰したため、送料が上がるのも致し方ないのかもしれません。
ところが、新しいルールが導入された2019年度は253自治体、2020年度は174自治体がルール違反をし、そのうち27自治体は3年連続で基準の5割をオーバーしていたこともわかりました。
ルールを設けた以上、それを守らない場合は、総務省は当然、違反自治体を制度から除外しなければなりません。過去に対象から外された自治体もあるため、不公平になってしまいます。そのために、改善を求めて警告書を発送したわけですが、ふるさと納税の制度設計にも問題がありそうです。
そもそも、ふるさと納税がスタートした時点では、返礼品を地場産品から選ぶ必要もなければ、経費を総額の5割以下にするというルールもありませんでした。
そのため、多くの寄付を集めようと、各自治体はお得感のある返礼品をそろえるようになりました。ところが、返礼品競争がヒートアップし、ふるさとを応援するための寄付という、本来の目的から逸脱するような状況となり、新基準制定となったわけです。
しかし、返礼品の経費総額を基準内に収めようとすれば、他の自治体よりも返礼品が見劣りし、思うように寄付が集まらなくなると懸念を示す自治体の担当者の声もあります。なかには、返礼品の経費総額が65%という自治体もあり、送料や仲介サイトへの手数料などが自治体の大きな負担にもなっています。また新たな基準を設けることになるのでしょうか。
基準違反が横行している背景には、自治体間の過剰な返礼品競争があることは明白です。しかし、お得な“おまけ=返礼品”がなければ、ふるさと納税を利用する人も間違いなく減少するのではないでしょうか。納税者側としてはお得な方がうれしいですが・・・、今後の展開が気になるところです。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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