公開日 /-create_datetime-/
「従業員がまったく業務に集中できていない」「無断欠勤が多い」といったケースに遭遇した場合、職務怠慢として片付けるのは早計です。とくに、普段は真面目な従業員が上記のような行動をしている場合は、精神疾患の可能性も考えられるでしょう。
従業員が精神疾患になってしまうと、普段通り業務が遂行できなくなってしまい、休職・退職に至る可能性もあります。今回の記事では、精神疾患についての知識や、企業が取るべき対応について詳しく解説します。
精神疾患とは、気分の落ち込みなど、心身にさまざまな影響が出る状態を指します。職場でのハラスメントや長時間労働など、主に「過剰なストレス」が原因です。
精神疾患にはさまざまな種類があり、特定の病気を指しているわけではありません。よく知られている精神疾患としては、「うつ病」があります。気分が落ち込んでしまい、周囲の人や物に対する関心が薄れてしまう病気です。
「統合失調症」も、代表的な精神疾患です。現実感覚が乱れてしまい、幻覚や妄想が現れてくるなど、強い症状が出てきます。ほかにも、過度の不安に襲われる「不安障害」や、さまざまな「依存症(アルコール依存症、ギャンブル依存症など)」も精神疾患に分類されます。
「精神疾患」の種類はさまざまで、一般的に以下のような兆候が見られます。
精神疾患の兆候としてよく見られるのが「気分の変化」です。とくに精神疾患のケースでは、ネガティブな方向に変化していきます。「気分が落ち込む」「不安になる・悲観的になる」「過剰にイライラしてしまう」といった状態です。
従業員から上記のような訴えがあったり、もしくはそのような兆候が見られたりした場合は、注意が必要になります。
精神疾患の兆候として、「行動の変化」もよく見られます。とくに注意したいのが、周囲から見ても分かるような無気力状態であり、業務の遂行に支障をきたしているような場合です。
たとえば「遅刻や欠勤が増えている」「仕事の質が、以前と比べて明らかに低下している」といったケースに該当するような場合は、精神疾患を発症する確率が高いといえます。
精神疾患の兆候として、精神的なものだけではなく、肉体的な変化も見られます。睡眠障害や食欲不振は典型的な例です。ほかにも、常に体調が優れないといったケースもあります。
従業員が「睡眠不足で仕事に集中できない」「めまいや吐き気などの体調不良がある」と訴えている、もしくはそのような状態が見られる場合は注意が必要です。
上記のような兆候が見られた場合には、早期に医師の診断・及び適切な治療を受けなければなりません。
■関連ニュース
従業員のメンタル不調の原因の1位は?
従業員に精神疾患の兆候が見られた場合は、早期に対応するのが何よりも重要です。心理カウンセリング、もしくは専門医療機関を紹介し、なるべく早く受診させるようにしましょう。
専門家に「精神疾患」と診断され、当面業務の遂行ができなくなる可能性もあります。休業が必要になった場合は、休職制度についてきちんと説明し、従業員が休みやすい環境を整えましょう。
従業員が精神科などに通いつつ、業務を続ける場合もあります。ただし精神疾患によって、従業員の生産性やパフォーマンスが低下する可能性もあるため、一定の「配慮」が必要です。具体的な方法としては、「時短勤務」「業務内容の調整(負担軽減)」などがあります。
休職しているかどうかを問わず、従業員との適度なコミュニケーションは欠かさないようにしましょう。従業員が休業をしている場合は、通院の状況を聞きつつ、復職に向けて話を整理していきます。
厚生労働省の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」によれば、休業から職場復帰までの支援の流れは、以下の通りです。
・第1ステップ「病気休業開始及び休業中のケア」
・第2ステップ「主治医による職場復帰可能の判断」
・第3ステップ「職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成」
・第4ステップ「最終的な職場復帰の決定」
・職場復帰
・第5ステップ「職場復帰後のフォローアップ」
従業員に精神疾患の兆候を示した場合、避けるべき対応について解説します。まずは、「主治医の診断書を無視して仕事をさせること」です。損害賠償責任や、労災認定の可能性もあります。
休業中の従業員に対して、早く復職するようにプレッシャーをかけるのも厳禁です。より精神的な負担がかかってしまい、職場復帰が遅れる原因となる可能性があります。
従業員のプライバシーを軽視することも禁物です。「病気以外のプライベートな部分を根掘り葉掘り聞かない」「関係者以外に病気のことを漏らさない」などの行動は徹底しましょう。
「ストレス社会」ともいわれる現代では、自社の従業員がいつ精神疾患になっても不思議ではありません。とくに業界の構造上、長時間労働が常態化しているような場合は、従業員のメンタルヘルスケアに細心の注意を払う必要があります。
重要なのは、従業員が精神疾患になってから対応するのではなく、「従業員が精神疾患になるのを防ぐこと」です。今一度、職場環境を見直しつつ、メンタルヘルスケアについて考えてみてはいかがでしょうか。
■おすすめのお役立ち資料
■参考サイト
労働衛生コンシェル|労働安全衛生法第66条第1項~第6項
厚生労働省|心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き
サーベイツールを徹底比較!
【電子署名の導入を検討中の方にオススメ!】電子署名ガイドブック
債権管理・入金消込効率化『Victory-ONE/G4』導入事例 ~自動消込照合率が91%まで上昇! 株式会社有隣堂~
どう選ぶ?契約ライフサイクル管理(CLM)ソリューションの選定に役立つ評価チェックリスト
人事給与システムPROSRV on Cloud サービス資料
2025年上半期 上場157社で監査法人が異動 理由では「辞任」が過去最多、トップは「監査期間」
中小企業を対象とするM&A特有のリスクと対応 第1回 中小企業を対象とするM&A特有のリスクと対応
”自己健康保持義務”を会社は社員にどこまで求められる?~療養専念義務とは~
旬刊『経理情報』2025年8月1日号(通巻No.1750)情報ダイジェスト/法務
「社会人1年短期合格のススメ」通信講座で合格するために必要なこと Part1
総務・経理・営業の生産性に影響する法人車両の駐車場管理における落とし穴
電子署名の適法性 ~日本の裁判手続きにおける電子署名の有効性~
紙書類と郵送物の電子化によるコスト削減効果
26卒エンジニア学生551名に聞く|志望度が上がる・下がるサマーインターンシップ調査レポート
健康経営ソリューションとして 社宅・社員寮が果たす役割
経理の仕事内容とは?日次・月次・年次の業務と必要スキルをわかりやすく解説
”自己健康保持義務”を会社は社員にどこまで求められる?~具体的な場面ごとにみる「会社にできる対応」~
【公認会計士・税理士執筆】日本基準にものれんの非償却に向けて会計基準の改正が行われるか。その背景を解説
企業倒産、破産の割合が9割超で過去最大 ~ 背景に「手形減少」と「準則型私的整理」 ~
【最大17,000円分】『ManegyランスタWEEK -2025 Summer-』に参加してAmazonギフトカードをゲット!
公開日 /-create_datetime-/