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2023年のスギ花粉の飛散量は過去10年平均と比べて約2~3倍ともいわれ、多くのビジネスパーソンも苦しんでいます。そんな中で注目を集めているのが、企業による花粉症手当の支給です。花粉症手当とはいったいどのような手当なのでしょうか。
目次【本記事の内容】
花粉症手当とは、従業員が花粉症により医療機関を受診した際に支払った診療費、および花粉症対策のために負担した薬の費用に対して、企業側が手当を出すという福利厚生施策です。
花粉症はアレルギー症状の一種であり、主にスギ、ヒノキなどから放出される花粉が原因で発生します。正式名称は「季節性アレルギー性鼻炎」です。
症状としてはくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目がかゆくなる・腫れるなどが中心です。ビジネスパーソンにとっては集中力を削ぐ原因にもなるため、薬を服用するなどの対策も必要となります。花粉症手当を支給すれば、それまで我慢していた従業員も「手当が出るなら病院に行ってみよう」との考えに至りやすくなるでしょう。
花粉症によって仕事のパフォーマンスが低下することで、日本全体の経済損失につながることも問題視されています。特に2023年は冒頭でも述べた通り花粉量が多く、特に対策が求められる年です。経済損失も、それに合わせて増大化すると予想されます。
またビジネスパーソンの場合、一昔前までは「季節性のものだから我慢すればよい」との考え方が一般的で、平日に通院する時間を取りにくいこともあり、とにかく我慢してやり過ごすのが通例でした。
しかし今では、ちょっとした時間を使って医師の診察を受けられるオンライン診療もあり、さらに効果的な薬が市販薬として多数販売されるようにもなっています。花粉症手当の支給は従業員に対して、こうした便利な「社会資源」を活用する意識を高める効果があります。
実際に花粉症手当を導入している企業では、導入前後で従業員全体の残業時間が減り、営業受注件数も増えたとの結果もみられています。また花粉症手当を受けたことで福利厚生の便利さに改めて気づき、その他の福利厚生の利用率が高まる効果もあったようです。
実際の支給額は企業ごとに異なり、例を挙げてみると、既に5年前から花粉症手当を導入している企業では、1回あたりの支給額は5,000円です。そのほか、花粉の時期に合わせてマスク、ティッシュの配布も行っています。
従業員数が増えると企業の負担額も大きくなります。この場合、花粉症によって企業がこうむる損失額と花粉症手当にかかる費用とを天秤にかけ、費用が大きくなる方を避けるという考え方もあるでしょう。しかし「働き方」への意識が社会全体で高まる昨今、花粉症手当については「働きやすさを追求する」という考え方のもと、費用度外視で積極的に導入する意識を持つことも重要ではないでしょうか。
2023年の花粉飛散量は多い予想で、これまで症状がなかった場合でも「今年初めて発症した」というケースが多いと考えられます。
花粉症の症状であるくしゃみ、鼻水、鼻づまりが仕事の効率・生産性を下げることは、古くからいわれていることです。
現在では医療体制、薬も充実し、きちんと意識して対策を行えば症状は大きく軽減できます。花粉症手当は、医療、薬の力で花粉症をしっかりと抑えて業務に取り組もうとするビジネスパーソンをサポートする、意義のある制度でしょう。
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