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フリーランスという働き方が広がる中で、業務委託に関わる法規制の必要性が議論されてきました。その結果として、2023年4月28日に「フリーランス・事業者間取引適正化等法」が成立しました。施行されるのは2024年秋ごろの予定です。この記事では、この法律の概要と重要なポイントについて解説します。
フリーランスと業務委託契約を結び仕事を発注する場合、これまで委託に関するルールは、独占禁止法もしくは下請法に従って規制されていました。しかし今回新しい法律が制定されたことで、より厳格な規定が設けられました。
今回成立したフリーランス・事業者間取引適正化等法の目的は、主にフリーランスの業務環境を保護することと、フリーランスと事業者間での取引の適正化を図ることです。つまり弱い立場になりやすいフリーランスを守り、公平な立場で業務委託契約を結べるようにすることが、この法律の主旨だといえるでしょう。
今回の法律で対象になるのは、業務を委託する側の発注者と、その業務を請け負うフリーランスという2者です。ここでフリーランスに該当するのは、完全に個人で請け負う場合と、法人であっても1名の代表者以外に役員がいない場合との2つのケースです。ただし、どちらもほかに従業員がいないという条件があります。
一方の発注者については、フリーランスに物品の加工・製造や、情報成果物の作成を委託する場合と、役務の提供を委託する場合との2つが規定されています。実際にはほとんどの業務委託と外注が含まれることになるでしょう。
今回の法律は、発注者とフリーランスとの間で、適正な取引が行われることを目的に制定されました。今後業務委託をする発注者は、法律に規定された以下の7つの事項を厳守しなければなりません。
1)取引条件の明示:書面などで業務内容・報酬額などの取引条件を明示すること
2)報酬の支払い:納品時から60日以内の支払日を設定し、期日内に報酬を支払うこと
3)禁止事項:法律内で規定されている、フリーランスに対する不当な扱いをしないこと
4)募集情報の表示:募集広告の内容を正確で最新のものに保つこと
5)育児などとの両立に対する配慮:家庭と仕事との両立に配慮すること
6)ハラスメント対策の整備:ハラスメントなどに対する措置を講じること
7)中途解除などの事前予告:業務委託の中途解除などは30日前までに予告すること
上記以外にも、重要事項の書面などによる明示や、フリーランスの就業環境への配慮など、適正な取引を維持するためのさまざまな規定が設けられています。 フリーランス・事業者間取引適正化等法はすでに公布されており、2024年秋を目安に施行される予定です。
業務委託契約は、契約者双方が公平な立場で行われることが原則です。今後フリーランスに業務を発注する事業者には、法律に関わる最新の情報を確認することと、取引条件に関する書類などを整備することが求められます。フリーランスも共に仕事を進める重要な人材ですから、配慮が必要だといえるでしょう。
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