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中小企業では、新しく採用した人材が早期に離職してしまうという問題があります。採用時に魅力的な言葉を使うものの、実際の職場環境とはギャップがあり、それが離職の原因になっているようです。
今回は、採用のアンマッチを中心に、中小企業の採用のポイントを解説します。
「採用のアンマッチ」(ミスマッチ)とは、企業が新しい社員を採用する際に、その人のスキル・価値観・職務の要件と、企業文化や実際の職務内容が一致しない状況です。社員の目線から見れば、「期待と現実のギャップ」とも呼べます。
よく見られるのは、社員が入社時にもっていた仕事に関する期待と、実際の職務内容や職場環境が異なる場合です。たとえば「創造的な仕事を期待していたが、実際はルーティンワークが多い」といったケースが挙げられます。
企業の目線では、社員のもつスキルや経験が、職務に必要なものと合致していない場合を指します。加えて、社員の個人的な価値観や働き方が、企業の文化や倫理観と合わない場合も、アンマッチ(ミスマッチ)の状況となるのです。
採用のアンマッチが企業にもたらすリスクとして挙げられるのが、「高い離職率」です。アンマッチにより社員が職場に満足しない場合、早期離職が起こりやすくなります。とくに新入社員に多く見られ、採用戦略など、さまざまな努力が無駄になる可能性があります。
生産性の低下も、採用のアンマッチがもたらす悪影響です。社員が職務に適していない、または職場環境に満足していない場合、当然ながらパフォーマンスは低下し、組織全体の成果にも悪影響を及ぼすでしょう。
個人やチームのモチベーションの低下も考えられます。社員がチームワークや職場の文化に適合していない場合、他の社員のモチベーションや、職場の雰囲気に悪影響を与えるかもしれません。たとえば「新しい社員がチーム内でのコミュニケーションに積極的に参加しない」「他のメンバーとの意思疎通がうまくいかない」などの場合、チームの協力体制や情報共有が妨げられ、プロジェクトの進行に影響を及ぼす可能性があります。
採用のアンマッチは、企業のブランドにも傷を付けることがあります。とくに昨今のようなSNS全盛の時代では、ネガティブな話が大きく広まる可能性も否定できません。たとえば不満をもつ社員が、友人、家族、またはSNS上で企業に対する否定的な意見を共有すると、瞬く間に全国・全世界に広まってしまうリスクもあります。
中小企業における採用は、とくにリソースが限られているため、効率的かつ効果的に行う必要があります。採用のアンマッチを防ぐためには、以下で紹介する4つのポイントを意識するとよいでしょう。
まず1つ目は、スキル面でのアンマッチを防ぐために、明確な要件を作成することです。採用のアンマッチで起こりがちなのが、「職務に必要なスキルをもっていない人を採用してしまった」というケースになります。
要件を作成する際は、職務内容、責任範囲、必要なスキルや経験を具体的に記述します。過度に理想化された(キラキラワードを用いるような)記述は避け、実際の職場環境や業務内容を正確に反映させましょう。
2つ目は、企業文化と価値観を明確化することです。採用ブランディングでもよくある話で、ターゲットに対する企業文化・価値観の訴求は、採用戦略のなかでも重要な項目です。とくに中小企業の場合、他社との差別化を図りやすい点でもあります。
企業の文化、価値観、ビジョンを明確にし、求職者に伝えます。同時に、候補者が企業文化に適合するかどうかを評価するための面接を実施するのも重要です。スキル面と文化・価値観の面が揃ってはじめて、新しい社員が遺憾なく自分の力を発揮できるようになります。
3つ目は、スクリーニングプロセスの徹底です。スクリーニングとは、特定のプロセスや手順を通じて、候補者を評価・選別することで、採用時に重要な役割を果たします。履歴書の確認だけでなく、面接・テストなどを通じて、多角的な視点で候補者を評価します。
スクリーニングでは、現在のスキルだけでなく、適性や潜在能力を考慮するのも重要です。「現在のスキルでは不十分だが、成長の可能性や学習意欲がある」と評価できれば、その採用には十分価値があるといえます。
4つ目は、フィードバックやコミュニケーションの促進です。具体的には、採用プロセスが終了し、実際に入社して働くようになった段階でのコミュニケーションを指します。社員のモチベーションやパフォーマンスの向上、職場の雰囲気の改善に関わる重要な項目です。
フィードバック、コミュニケーションの促進として有効な取り組みは、定期的な1on1ミーティングです。上司と部下(新入社員)が定期的に個別で面談を行い、仕事の進捗、課題、キャリアの目標などについて話し合います。ポジティブな側面だけでなく、改善の余地がある点についても、建設的かつ具体的なフィードバックを提供しましょう。
採用のアンマッチは、とくにリソースが限られている中小企業にとって大きな問題となり得ます。採用プロセスの一つひとつを見直し、改善できる部分がないかどうかを探ってみましょう。採用後、新入社員にどのようなフォローができているかを振り返るのも重要です。
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