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企業は、取引先企業や労働者などと“契約書”を交わす機会が非常に多く、その取り扱いには細心の注意を払わなければなりません。案件担当者はもちろん、法務担当者は特に、契約書に関する基本や重要ポイントを押さえておくべきです。
本記事では、契約書を取り扱ううえで特に大切な「レビュー」と「管理」について解説しつつ、役立つ資料をご紹介します。 自身の知識に少々自信がない方は、この機会にぜひ再確認しましょう!
目次【本記事の内容】
「契約書レビュー」とは、作成した契約書の内容が明確で有効かつ妥当なものか、自社(自分)にとって隠れたリスクがないかなどを、法的視点で確認する作業です。企業で取り交わす契約書は通常、弁護士など法の専門家や自社の法務担当者などが確認します。
企業の契約書を法的視点で確認すべき理由はいくつかあります。以下に主な理由を挙げてみました。
契約書レビューをすることで、その契約書が法的に妥当であるかどうかを確認できます。不備や疑義がある場合は法的リスクが高まるので、法的視点の確認で問題点を事前に発見し、修正することで、リスクを最小化できます。 また、新しい法令や規制の導入、法改正などに適合しているかどうかも確認し、コンプライアンスを徹底できます。
契約書レビューによって、契約書の言葉や条件が的確で理解しやすい内容であるかを確認できます。契約書で使われている用語が曖昧であったり、文章がわかりづらい表現であったりすると、誤解が生じ、将来的にトラブルや紛争に発展するかもしれません。
契約書は、契約を結ぶ企業や労働者全てが、内容を正しく理解できるように作成するべきです。誤解によるトラブルなどのリスクをなくすために、契約書のなかの用語や表現が適切であるか確認し、透明性を高めます。
契約書レビューをすると、契約条件において交渉すべき点や潜在的な課題を把握できます。この把握によって、契約交渉時に自社の立場を確立できるため、理想的な契約に結び付くでしょう。
取引先企業や労働者との契約において、契約書レビューを受けた契約書は信頼されます。信頼性のある契約は、企業間や契約に関わる人々の関係性を良好かつ強化し、将来的な取引にも有利に働くことがあります。
これらの理由から、企業は契約書レビューをすることで、法的な安全性やビジネスの効率性を向上させることが期待できます。
ここでは、契約書レビューの基本的な進め方を解説します。
契約書は、取引をする企業や労働者の義務や権利を明確にするために交わすものです。そのため、まずは契約の内容と目的、契約に関わる当事者の関係、各種条件などについて十分な情報を集め、全体像を把握してから確認します。
特に重要なのが、契約内容とその目的、契約の条件、契約期間、契約金額です。これらが明示されているかを確認しましょう。
契約書の文章を読み、曖昧な表現や誤解されそうな内容がないかを確認し、あった場合は明確な定義や記述に修正します。特に、条件や契約期間、契約金額などは数字や文章の表現に気をつけます。
また、記載すべき必要事項が全てきちんと入っているか、同じような事項が複数にわたって記載されていないかも見ましょう。特に後者は、同じようでいて内容が異なっていると、混乱を招いてトラブルの原因となります。
契約書の内容が、法律上で問題がないかを確認します。国や都道府県など、所在地によっても法の要件が異なるため、関連する法律を細かくチェックします。
契約の変更や終了に関する条件が適切に記載されているかを確認します。将来的な変更に備え、柔軟に対応できるための条件を記載するのが望ましいでしょう。
自社にとってリスクや不利益となる可能性があるかを確認し、契約不履行になった場合の影響を調べます。リスク軽減策や契約締結前に必要な条件を追加して、リスクを最小限に抑えます。
契約書が法的に妥当かつ守られるかを確認するために、必要に応じて弁護士など法の専門家に見てもらいます。
最後に、契約書全体を再度確認し、内容に誤りや不足がないか調べます。また、全ての条件が当事者間で合意されているものかも確認します。この際に、レビューを行う法務部門だけでなく、契約に関わる自社の案件担当者にも確認を取ります。
契約書は作成過程と同じくらい、作成・締結後の“管理”も大変重要です。企業は、企業間取引のほか、自社と仕事をする労働者との雇用など、さまざまな契約を交わすため、数多くの契約書を取り扱います。
「契約書管理」とは過去に締結した契約を管理することで、契約書そのものの管理はもちろん、取引内容や契約期日、契約更新時期なども常に把握できるように管理する必要があります。もし、契約書が適切に管理されていなければ、以下のようなトラブルが発生しかねません。
・契約書を探すのに手間がかかり、業務が非効率的になる
・契約更新期限を把握できず、更新ミスなどのトラブルに発展する可能性がある
・社内で契約内容の把握が徹底できず、共有漏れが発生する
・契約書の最新版がどれかわからなくなる
・機密情報が漏えいする可能性がある
特に更新ミスや機密情報の漏えいは、自社の信用性を損ねることになり、企業のイメージダウンや売り上げ減少にもつながります。契約書は、取引先企業や労働者など先方との信頼関係の下、交わす重要な書類です。適切に管理し、常に最新版を確認できる状態にして、取引内容や契約更新期限などがすぐに把握できる状態にしておきましょう。
契約書管理をするうえでの主なポイントは以下の3つです。
契約書は部署や個人で管理するものではなく、一元管理するのが基本です。部署や個人で管理していると、社内で契約内容を把握できず、更新ミスや情報漏えい、紛失などのリスクが高まります。責任部署を明確にしたうえで、社内関係者が常に契約情報を共有できるように管理します。
社内関係者が、取引内容や契約期日、契約更新時期などを常に確認できるように、台帳や文書データベースなどを用いて管理するのが理想です。
契約書には機密情報が記載されているため、社内においてもアクセス制御は必要です。(2)の「情報管理」をするうえで、契約書に関係のない従業員が安易に見ることができないように、文書データベースなどにアクセス権を設定して、情報漏えいを防ぎます。このアクセス制御によって、個人情報を保護できたり、機密保持契約への違反のリスクが低減されたりします。
なお、マネジーでは契約書のレビューや管理に役立つ閲覧無料の資料をサイト内で複数紹介しています。以下はその一部です。
契約書を作成する際に、ネットなどで出回っている雛形やテンプレートをそのまま使うと、さまざまなリスクが発生する可能性が高まります。記名押印する前に、弁護士などの専門家によるリーガルチェックを受けるのが望ましいでしょう。契約審査(レビュー)を経て個別の契約に応じた内容に設定しておけば、トラブル防止に効果があり、万が一トラブルが発生した場合も比較的スムーズに解決できるメリットがあります。 本資料では、契約書チェックの重要性やレビューを受ける際のポイントを伝えています。
本ガイドブックでは、企業間取引で発生しがちな契約トラブル事例や、契約書のなかでよくある修正すべきポイントを解説。併せて、株式会社リセのリーガルテックサービス「リーガルチェック AI」を紹介しています。
<内容>
・はじめに
・取引において契約で気をつけるべきポイント
・契約書審査のポイント
・「リーガルチェック」Tech の価値
・「リーガルチェック」Tech の便利な活用方法
・まとめ
近年、組織における契約書の管理方法が急速に変化しています。複雑な承認プロセスとマニュアルでのやり取りは、契約ワークフローに不要な混乱を招きます。
本資料では、契約書管理に関する調査の結果を詳細に説明しています。企業が管理方法の変化にどのように対応しているのか、契約管理の限界および課題について、通常業務で契約プロセスに関与している1,300人以上の人々を対象に調査しました。
各契約ステージにおいて、関係者、ツールそしてプロセスが契約ライフサイクルにどう関係しているのかを把握し、テクノロジーを導入することで改善できそうな場面について解説しています。
以上、契約書のレビューと管理に役立つ無料の資料をピックアップしました。複雑な内容の法律業務を円滑に進めるうえで参考になりますので、法務担当者の皆さんはぜひ上記の資料をチェックしてみてください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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