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いよいよ6月、多くの人はゴールデンウィーク明けの“憂うつ感”から抜け出して、日常生活に戻っていることでしょう。しかし、なかにはまだ「やる気が出ない」「毎日がつらい」「体が重く感じる」…、といった状態の人もいるようです。もしかしたらそれは「5月病」を引きずっているのかもしれません。
5月病は誰もがなる可能性があり、仕事に悪影響を与えます。「こんなにしんどいのは自分だけかも」と思っている人がいるかもしれませんが、職場ではいつもと変わらないように見えるアノ人も、実は5月病に悩んでいるかもしれないのです。
マネジーではこのたび、管理部門に勤める人々を対象に、「5月病」の実態調査を行いました。本記事でその結果をまとめてご紹介します。
【調査概要】
調査テーマ:管理部門・士業の「5月病」実態調査
調査実施日:2024年5月8~5月15日、5月17日~5月21日
調査方法:Webアンケート
調査対象:マネジー会員ユーザー
有効回答数:202人
【回答者属性】
年齢:20代以下 2.5%、30代 13.4%、40代 21.8%、50代以上 62.4%
職種:経理 19.8%、総務 18.8%、人事 12.4%、経営企画 10.4%、法務 6.9%、内部監査 5.4%、その他の管理部門 18.3%/士業(会計士・税理士・弁護士など) 5.0%、事務所勤務スタッフ(会計事務所・監査法人・法律事務所など) 3.0%
設問1では、これまで5月病だと感じたことはあるかを尋ねました。 結果は、最多が「毎年ではないが感じたことがある」(41.1%)でした。「ほぼ毎年感じている」人々と合わせると、半数の人が5月病と感じたことがあるという結果になりました。
5月病の経験の有無を仕事の満足度別で見てみると、仕事に満足していない人の方が「ほぼ毎年感じている」率が高く、逆に満足している人は過半数が5月病を感じたことがないと答えました。
また、仕事のプレッシャー度が高い人ほど5月病をほぼ毎年感じている割合も高く、プレッシャー度が低い人は64.6%が5月病と無縁でした。 職種別で見てみると、「ほぼ毎年感じている」人の最多は「事務所勤務スタッフ(会計事務所・監査法人・法律事務所など)」(16.7%)でした。「毎年ではないが感じたことがある」人の最多は「法務」(57.1%)で、以下「経営企画」(47.6%)、「経理」(45.0%)と続きました。
設問2では、今年(2024年)は5月病の症状を感じたかを尋ねました。 結果は感じている人が26.7%、感じていない人は73.3%でした。感じていない人の方が3倍近く多く、大半の人がゴールデンウィーク明けにしっかり気持ちを切り替えて仕事に臨んでいるようです。
職種別で見てみると、 感じている人で最多なのはやはり「法務」(50.0%)でした。逆に、感じていない人の最多は「事務所勤務スタッフ(会計事務所・監査法人・法律事務所など)」(83.3%)で、2番目に多かったのは「内部監査」(81.8%)でした。
設問3では、5月病の自覚症状について尋ねました(複数回答可能)。 結果は、最多が「元気ややる気の低下」と「疲労感・だるさ」で同じ69.6%、次に「集中力の低下」(42.2%)が続きました。
年代別で見てみると、「元気ややる気の低下」と「疲労感・だるさ」は共に40代が80.8%で圧倒的に多く、「疲労感・だるさ」は20~30代の若い世代も81.0%と高い割合になっています。
やる気の低下や疲労感・だるさ、集中力の低下は、仕事に大きな悪影響を及ぼします。今回の結果では、50代以上の高年齢層よりも、若い世代や40代の方がこれらの症状に悩んでいることが判明しました。5月病は年齢に関係なく、若くても辛い症状になりやすいと言えるでしょう。
設問4では、5月病の原因は何であるかを尋ねました(複数回答可能)。 結果は、最多が「仕事や職場に関する不満・ストレス」(66.7%)、2番目が「長期休暇が終わってしまったことへのストレス」(48.0%)でした。3位以下の「気候・気温・湿度」や「プライベートのトラブル」など仕事と無関係なものは、当てはまる人の割合が低く、5月病は仕事や職場に起因すると考えている人が多いようです。
また、年代別で見てみると「仕事や職場に関する不満・ストレス」はどの世代もほぼ同じ割合でしたが、「長期休暇が終わってしまったことへのストレス」は若年層ほど高い割合を占めました。このことから、若者は楽しいゴールデンウィークから現実世界(仕事や職場)に戻る精神的ギャップを感じやすく、それがストレスになっているのかもしれません。
設問5では、設問4の「仕事や職場に関する不満・ストレス」についてさらに詳しく聞いてみました。 最多は「職場の人間関係」(35.3%)、次に僅差で「仕事の量・負荷」(32.4%)という結果になりました。
また、年代別で見てみると、「職場の人間関係」と答えたなかで最も多かったのは40代(50.0%)でした。40代は若手とシニアに挟まれ、中間管理職者も多く、難しいポジションです。そのため、人間関係に悩んだり疲れたりする傾向があり、不満やストレスを感じているのかもしれません。
設問6では、5月病改善に効果を感じた方法を尋ねてみました(複数回答可能)。 結果は、全世代での最多は「休息する・休暇を取る・十分な睡眠」(74.5%)で、次に「運動・食事・趣味などリラックスできる時間を作る」(62.7%)が並びました。心身共に休むこと、リラックスすることが、5月病対策に効果的なようです。
年代別で見ると、40代以上の人々は休息や休暇、リラックスする時間を特に重要視していることがわかります。一方、服薬や心療内科の受診および自己分析やカウンセリングの項目は20~30代が高めなのが興味深いところです。服薬や心療内科の受診、カウンセリングの利用に関しては、中高年より若い人々の方が、抵抗感がないのかもしれません。
設問7では、職場に5月病の際に活用できるケアの制度やサービスがあるかを尋ねました。 結果は、「ない」(55.9%)と回答した人が過半数で、「知らない・わからない」と答えた人は32.7%でした。
ほとんどの企業が、5月病の際に活用できる制度やサービスがない、または周知されていない状況のようです。このことから、日本の企業は5月病に関する従業員へのフォローや対策が遅れていると言えるでしょう。
設問8では、5月病による業務への影響について聞いてみました。 結果は「ある」が70.4%で、大半の人が5月病は業務に影響があると考えています。 また、年代別で見ると、「ある」は20~30代が最も多く、「ない」は50代以上が最多でした。中高年は“仕事人”としての経験値を高めるなかで、慣れや自分なりの対策などで業務への影響を回避しているのでしょう。
最後の設問9では、5月病をきっかけに転職を考えた、または実際に転職した経験があるかを聞いてみました。
結果は、「転職を考えたことはない」(76.8%)が多く、ほとんどの人は5月病になっても会社を辞めることまでは考えていないようです。
年代別に見てみると、本調査で最も「5月病になりやすい」「職場の人間関係や業務への不満・ストレスを感じやすい」という結果になった40代のうち、92.3%が「転職を考えたことはない」と回答。この世代は職場では重要な役割を担っている人が多く、また、子育て世代でもあることから、簡単には会社を辞められないのでしょう。
逆に、20~30代の若手は「転職をしたい/した」と答えた人が多かったです。企業としては、未来を背負う若者たちが5月病で離職してしまうかもしれないことに、強い危機感を持つべきでしょう。設問7で、5月病に向けた制度やサービスがない(もしくは周知されていない)企業が大半を占めていたことを踏まえ、まずはここから対策を講じる必要がありそうです。
今回の調査で、5月病に関してさまざまなことが判明しました。
・全体の半数の人が5月病を自覚したことがある。
・社会人の5月病の主な原因は、仕事や職場。
・ほとんどの企業で5月病対策が遅れている(活用できる制度やサービスがない、または周知されていない)。
・約7割の人が、5月病は業務に影響があると考えている。
これらのことを踏まえ、企業として今後どのような対策に取り組んでいくべきか、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
マネジーではこれからも、働く皆さんのお役に立てる情報を発信してまいります。
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