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ERPとは?基幹システムとの違いや導入のメリットデメリットなど詳しく解説

公開日2024/08/12 更新日2024/09/12 ブックマーク数
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ERPとは?

近年、ERPがビジネスシーンにおける重要なキーワードになりつつあります。ERPはかつて大企業において導入されるケースがメインでしたが、ここ数年、クラウドERPサービスを提供する事業者が増えたこともあり、中小企業でも活用されることが増えてきました。 そこで今回はERPとは何か、混同しやすい基幹システムとの違いや導入するメリットなどについて詳しく解説しましょう。

ERPとは?

ERPとはEnterprise Resources Planningの頭文字で構成された言葉で、日本語では「企業資源計画」と呼ばれています。

ここでいう企業資源とは、企業がもつヒト、モノ、カネ、情報のことです。企業はこの4つの資源を活用して戦略を立案し、利益を作り出していきます。ERPはこの経営資源を合理的、効率的に利用し、高利益につなげるためのシステムです。

ERPの特徴は、一言でいえば「情報の一元化」です。企業には会計、人事、生産、物流、販売などの部門があり、それぞれの部署では日常業務を効率的にこなしていくため、部門独自の管理システムを構築しています。会計部門であれば会計管理システム、人事部門であれば人事管理システム、販売部門であれば販売管理システム、生産部門であれば生産管理システムが利用されているのです。

ERPは、これら部門ごとのシステムで扱う情報を統合データベースとして集中化し、リアルタイムで扱えるようにするための統合的・上位的システムといえます。

ERPの意義・考え方

従来の考え方では、部門ごとの管理システムは部門内で完結しているのが常識とされていました。たとえば、会計管理システムでは簿記理論に基づく会計ソフトが活用され、人事部門では人事考課を効率的に行うための評価システムなどが用いられています。シンプルに考えて、それらシステムの間の共通要素はないようにも見えるでしょう。人事部門では会計管理システムを使用する必要はないからです。

しかし、人事部門において会計部門で扱っている情報を活用できる可能性は十分にあります。たとえば、人事考課を行う上で、どの従業員がどの程度の売上・利益に貢献したかを会計・経理の情報を活用して分析、参考にすることも可能でしょう。同様のことは他の各部門間でも当てはまります。

部門ごとに収集・運用されていた管理システムの情報を統合・一元化できる上位システムのERPの導入により、部門を超えた情報連携、データ分析が容易に可能となります。それにより企業全体のパフォーマンスを高め、経営の判断速度の向上も図れるのです。

ERPの歴史

ERP(Enterprise Resource Planning)システムは、企業の資源を統合的に管理するための情報システムです。その歴史は1960年代にさかのぼり、当初はMRP(Material Requirements Planning)として製造業の在庫管理や生産計画に使われ始めました。1980年代にはMRP II(Manufacturing Resource Planning)へと進化し、財務管理や人事管理など他の業務への適用範囲も広がっていきました。1990年代に入ると、これらのシステムはさらに発展し、ERPとして全企業資源の統合的管理を目指すようになります。この進化により、企業は効率的なリソース配分を実現し、業務プロセスの最適化が可能となりました。今日では、ERPはクラウドサービスとしても提供され、より多くの企業が手軽に高度なリソース管理を実現しています。

主なERPの種類

主なERPの種類には、以下のようなシステムがあります。

SAP ERP
SAPはドイツ発のERPソフトウェアで、世界中の大企業や中堅企業で広く導入されています。製造、サービス、財務管理、人事管理など多岐にわたる業務をカバーし、カスタマイズの自由度が高いことが特徴です。

Oracle ERP Cloud
Oracle ERP Cloudは、財務、プロジェクト管理、調達、リスク管理、その他多数の業務を一元管理できるクラウドベースのサービスです。高い拡張性とセキュリティを備え、大規模な企業に適しています。

Microsoft Dynamics 365
Microsoft Dynamics 365は、CRMとERP機能を組み合わせたビジネスアプリケーションプラットフォームです。中小企業から大企業まで幅広い規模の会社に適応し、オフィスとの高い連携性が利点です。

Infor CloudSuite
Infor CloudSuiteは業界特化型のERPソリューションを提供し、製造業、流通業、サービス業など、特定の業界に特化した機能を持つことが特徴です。クラウドベースで提供され、迅速な導入が可能です。

これらのERPシステムはそれぞれ異なる特性を持ち、企業のニーズに応じて最適な選択が求められます。導入にあたっては、企業の規模、業界、具体的な業務要件を考慮しましょう。

ERPと基幹システムの違い

ERPと類似した概念として「基幹システム」があります。基幹システムとは、上記で述べたような、部門ごとに構築される個々のシステムを指します。

しかし、効率的な組織運営ができていない中小企業などでは、部門ごとの基幹システムも十分に構築できていない場合も少なくありません。効率的な企業経営を実現するためのシステムとして、この基幹システムの導入をまず進めていこうとする企業も多いです。

一方でERPは、この基幹システムが扱っている部門ごとの情報を、統合して一元化するためのシステムです。そのためERPを構築するには、企業内の各部門(あるいは業務単位)において基幹システムが構築されている必要があります。
近年では、クラウド型基幹システムをサービスとして提供する事業者が増え、そこからさらに統合型総合基幹システム=ERPもクラウド型サービスとして提供している事業者も多数登場しています。費用はかかるものの、中小企業でもERPの構築は困難ではありません。

ERPが重要な理由

ERP(Enterprise Resource Planning)システムが管理部門担当者にとって重要な理由は、主に以下に集約できます。

1.一元化されたデータ管理
ERPシステムは、財務、人事、法務、総務など、異なる管理部門のデータを一元的に管理することを可能にします。これにより、データの一貫性が保たれ、エラーの発生を減少させます。

2.効率的な業務プロセス
各部門の業務プロセスを自動化し、統合することで、手作業による時間の浪費を削減し、業務の効率を大幅に向上させることができます。これにより、迅速な意思決定支援が可能となるでしょう。

3.リアルタイムでのレポーティングと分析
ERPシステムはリアルタイムでのデータアクセスと分析を提供するため、管理部門は常に最新の情報に基づいて意思決定を行うことができます。これにより、市場の変動や内部の問題に迅速に対応することができます。

4.コンプライアンスとリスク管理
法規制の遵守を自動化し、記録を正確に保つことで、法的リスクを最小限に抑えることができます。また、財務報告の正確性が向上し、監査の準備が容易になります。

5.コスト削減
不要な在庫の削減、過剰な資源の削減、プロセスの効率化により、全体的な運用コストの削済みが可能となります。

管理部門ではこれらの機能を活用することで、全社的な資源の最適化、コスト削減、リスク管理が強化され、企業の持続可能な成長を支援することができます。

ERP導入のメリット

ERPを活用することには以下のメリットがあります。

・企業内の全情報の「見える化」を実現できる
ERPの導入は、企業内のあらゆる情報を一元管理し、「見える化」できることを意味します。これにより経営層は効果的な経営分析が可能となり、より有効な戦略立案ができます。また集められるのはすべてリアルタイムの情報なので、最新の経営状態を常時把握できるでしょう。

・意思決定の迅速化
経営層の意思決定のスピードが格段に上がります。情報の一元管理により、企業内の情報をいちいち各部門から収集する必要がありません。

・情報収集における不整合・ミスを防げる
人の手で逐一情報をまとめる場合、作業の不正確さやミスが発生する可能性がありますが、ERPの活用により、そのリスクもなくせます。

ERP導入のデメリット

・初期コストの高さ
ERPシステムの導入には、ライセンス料、インフラの構築、カスタマイズ、社員研修など、初期段階で高額な投資が必要になる場合が多いです。特に大規模なERPは、全社的な運用を目的としているため、導入費用が数千万円から数億円に上ることもあります。この高額なコストは、特に中小企業にとって大きな負担となる可能性があります。

・導入期間と複雑性
ERPシステムは、企業の業務プロセスや既存システムとの統合を必要とするため、導入には長い時間がかかることがあります。プロジェクトの計画、実装、テスト、データ移行、ユーザートレーニングといった各段階を慎重に進める必要があり、これにより導入期間が数ヶ月から数年に及ぶことも少なくありません。また、システムの複雑さが増すことで、ユーザーの抵抗感や操作ミスも発生しやすくなります。

・柔軟性の欠如
市場には多様なERPシステムが存在しますが、一部のシステムではカスタマイズが困難で、企業の特定のニーズに合わせるのが難しい場合があります。特に標準化されたERPソリューションは、業界特有の要件や特異なビジネスプロセスに対応しづらいことがあり、企業が柔軟性を失う原因となることもあります。その結果、企業は追加のカスタマイズにさらなる投資を強いられることがあります。

ERPの選び方

ERPシステムを選ぶ際には、企業の特定のニーズと要件を明確に理解することが最初のステップです。どの業務プロセスを中心に効率化を図りたいのかを特定し、それに適した機能を持つシステムを選ぶ必要があります。また、事業の将来的な拡大や変化に対応できる柔軟性があるERPを選定することも重要です。このためには、システムのカスタマイズが容易であるかどうかを検討し、業界特有の要件に対応可能なERPを選ぶことが望ましいです。

さらに、ERPベンダーの評判とサポート体制も選定の重要な要素です。長期にわたるビジネスパートナーシップを築くためには、信頼できるベンダーを選ぶことが必要です。ユーザーコミュニティの存在や地域におけるサポート体制の充実も、サポートの質を判断する際の重要なポイントです。

コストと投資対効果の評価も欠かせません。初期導入費用だけでなく、長期にわたる運用コストも含めてトータルで考慮し、経済的に合理的な選択をすることが求められます。また、既存のITインフラや他のビジネスアプリケーションとの互換性も考慮し、シームレスな統合が可能なERP選びを心がけましょう。

最後に、ERPの実装とデータ移行のプロセスも重要な検討点です。実装がスムーズに行え、運用停止時間を最小限に抑えられるシステムを選ぶべきです。適切なトレーニングとサポートが提供されることも、システムの成功的な導入と運用には不可欠です。これらの要素を総合的に考慮して、企業にとって最適なERPシステムを選定することが、効率的な業務運営と持続的な成長につながります。

ERP導入の流れとは

ERP(Enterprise Resource Planning)システムの導入は、計画的かつ段階的に進める必要があります。以下は、一般的なERP導入の流れです。

1. ニーズ分析と要件定義
導入プロジェクトを開始する最初のステップは、企業の具体的なニーズと要件を分析することです。どの業務プロセスを改善したいのか、どのような問題を解決する必要があるのかを明確にし、それに基づいて具体的な要件を定義します。この段階で、関連するすべてのステークホルダーを巻き込んで意見を集め、完全な要件リストを作成します。

2. ソリューションの選定
要件定義をもとに、市場にあるERPソリューションを評価し、最も企業のニーズに合致するシステムを選定します。このプロセスには、デモンストレーションの参加、ベンダーとの詳細な議論、既存ユーザーのフィードバックの検討などが含まれます。

3. プロジェクト計画とチームの構成
ERP導入を管理するプロジェクトチームを組織し、プロジェクトの詳細な計画を立てます。このチームには、ITスペシャリスト、業務知識を持つ社員、プロジェクトマネージャーなどが含まれることが一般的です。計画には、目標設定、スケジュール、予算、リスク管理などが含まれます。

4. システムのカスタマイズと構築
選定されたERPソリューションを企業の具体的な要件に合わせてカスタマイズします。これには、必要なモジュールの構成、ユーザーインターフェースの調整、特定の業務プロセスに合わせた機能の開発が含まれます。

5. テストと修正
システムが開発された後、広範囲にわたるテストが行われます。これにはユニットテスト、システムテスト、統合テスト、ユーザー受け入れテスト(UAT)が含まれます。テストの結果に基づき、不具合の修正や改善が行われます。

6. データ移行
既存のシステムや手動プロセスから新しいERPシステムへのデータ移行を行います。これにはデータのクレンジング、マッピング、検証が含まれます。データの正確性を確保するため、重要事項です。

7. トレーニングと導入
社員に対する十分なトレーニングを提供し、新システムの使用方法を理解してもらいます。その後、計画に従ってシステムを本格的に運用開始します。導入初期はサポートチームが常に対応し、問題が発生した場合に迅速に解決できるようにします。

8. 継続的な評価とサポート
システム導入後も、継続的なモニタリングと評価を行い、必要に応じてシステムの最適化やアップグレードを実施します。この段階では、ユーザーからのフィードバックを収集し、システムの改善に役立てます。

ERPの導入は複雑で時間を要するプロジェクトですが、適切な計画と実行により、企業の効率化と競争力の向上に大きく貢献します。

ERP導入時の注意点とは

ERPシステムの導入時には、成功へ向けていくつか注意点を考慮することが必要です。まず、導入の目標と期待値を明確に設定することが重要です。何を達成したいのか、どの業務プロセスを改善したいのかを具体的にし、全社的な理解と支持を得るためにERP導入のメリットと限界を関係者全員に伝えましょう。

また、ERPプロジェクトは多大なリソースを必要とするため、適切な予算と時間の割り当て、そして重要なのは適切な人材の配置です。プロジェクトチームはITスペシャリストだけでなく、業務を深く理解している社員からも構成されるべきです。

ステークホルダーの積極的な関与と効果的なコミュニケーションも非常に重要です。プロジェクトの進捗については定期的に更新を行い、全員が最新の情報を共有し、適宜フィードバックを提供できる環境を整えることが望ましいです。

さらに、ERPの導入は複雑で予期せぬ問題が発生することが多いため、詳細なプロジェクト計画とリスク管理戦略を事前に準備することが不可欠です。計画には、潜在的なリスクを特定し、それらに対処するための具体的な手順を含めることで、問題が発生した際に迅速に対応できるようにします。

これらの注意点を適切に管理することで、ERPシステムの導入は企業の業務効率化や競争力の向上に大きく貢献することができます。

まとめ

利点が大きいERPの運用ですが、実際に導入する場合は注意すべき点もあります。1つは初期費用と、カスタマイズや保守点検のためのコストが発生する点です。また、ERPは企業にとっての最重要情報を一元管理するため、万全のセキュリティ対策が欠かせません。情報漏えいが生じないよう細心の注意を払うことが求められます。

さらにERPは、かつてのアナログ時代では考えられなかった業務支援システムです。とくにITに不慣れな中高年世代の従業員(経営者・管理者層も含めて)の場合、使いこなすための研修・勉強が必要となります。そのために時間やコストをかけなければならないため、その点も注意したほうがよいでしょう。

■参考サイト
いまさら聞けないERPとは?基幹システムとの違いやメリットを解説
業務効率改善のための会計システム導入方法とその流れ


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