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外国人を採用している企業は、平成28年10月末時点で172,798事業所、1,083,769人(「外国人雇用状況」厚生労働省)となっています。外国人採用が届け出義務となった平成20年は、事業所数76,811か所、採用数486,398人でしたから、8年間で4割強の増加となっています。外国人を上手に活用していくためには、言葉の問題をはじめ、職場環境の整備などが必要となりますが、外国人を効果的に活用している企業では、どのような施策をとっているのでしょうか。事例を見ていきましょう。
目次【本記事の内容】
外国人は、日本企業の評価システムの不透明さ、昇進の遅さに、不満を抱いているという声を耳にします。優秀な外国人を効果的に活用していくためには、「職務内容の明確化」と「公正な能力評価・処遇の実現」など、外国人にとっても魅力的な就労環境を整備していくことが重要となります。
魅力的な職場環境を整備することで、生産性の向上にもつながっていくことが期待できますが、そのために必要なのが、職場内での円滑なコミュニケーションです。外国人社員の日本語能力を向上させるとともに、日本人社員の語学力も高めていく必要があります。
さらに、社員の能力開発やメンタルサポート、安全衛生の確保に加え、宗教・文化の違いを理解し、それを認める姿勢を醸成していくことも大切な要素です。
企業戦略として海外進出が必要であることを、社長自らが根気よく社員に発信し、社内に外国人が必要だという気運を醸成していったのが、本多機工株式会社です。同社は、外国人を採用していくことは当然という流れをつくりあげることから着手しました。
取り組みとしてユニークなのは、外国人社員に英語教室の講師を依頼していることです。外国人社員と日本人社員の相互理解が深まり、日本人社員の語学力の向上にもつながっていると言います。海外事業に挑戦してみたいといった声も聞かれるようになっているようです。
また同社では、外国人社員が独立して母国で事業展開を希望する場合の、積極的なサポートも行っており、これまでに3人が独立しています。これは、現地パートナーとして協力関係を構築するという戦略のひとつのようです。
担当業務を特定して採用する「職種別採用」を導入して、外国人を効果的に活用しているのがカシオ計算機株式会社です。
日本人、外国人に関わらず、職種別に採用して、新卒採用の段階で入社後のキャリアプランを明示することにより、早期離職やモチベーション低下の防止もなっているそうです。また、特定の分野に対して高い専門性や気概を持った優秀な学生の確保も可能となり、キャリアアップ志向の強い外国人の募集に対してのアピールポイントになっているようです。
また同社では、外国人社員が帰郷の際に利用しやすいように、長期休暇取得を促進するための「母国帰国休暇」制度を設け、入社3年経過後から、以降3年に1度のペースで、特別休暇として外国人社員に与えています。
さらに、イスラム教徒の外国人採用をきっかけに「お祈り部屋」を設置しています。外国人社員に対する宗教的配慮は、とても大切なことであり、社員食堂では、宗教上の理由で豚肉が食べられない人に配慮するため、豚肉を使用した料理であることが分かるような工夫もしています。
現地との時差を利用して、リレー式協業を可能にしたのが、株式会社小金井精機製作所です。同社は、2007年からベトナム大学の新卒者を積極的に採用していますが、ベトナム人技術者が現地法人を設立したことを有効活用しています。
ベトナムと日本の時間差は2時間ほどですが、日本で時間内に終えることができなかった業務を、ベトナムの現地法人が肩代わりするという、新たなビジネスモデルを構築しています。
そのほかにも、海外展開、販路拡大、外国人目線での商品開発やサービス提供、社員の意識改革など、外国人材を採用することで、成果を上げている企業がたくさんあります。
「CSR企業総覧(雇用・人材活用編)2018年版/東洋経済」に、外国人従業員が多くいる会社ランキングが掲載されています。1位は、音響・車載用スピーカー部品・製品の専業メーカーのフォスター電機で、連結従業員数49,194人のうち、総外国人従業員数48,670人と、実に98.9%が外国人となっています。
2位は、電子機器の受託製造・開発を行うEMS事業が主力のユー・エム・シー・エレクトロニクスです。連結従業員数10,862人に対して総外国人従業員数は110,697人と、外国人比率は98.5%となっています。
3位のマブチモーターは、連結従業員数23,768人、総外国人従業員数22,913人。4位のミネベアミツミの総外国人従業員数は72,310人。5位はりらいあコミュニケーションズで、中国や東南アジアなどに生産拠点を持つ製造業が、積極的に外国人を採用していることがうかがえます。
ちなみに、外国人従業員数がもっとも多かったのは、9位の住友電気工業の209,094人、外国人管理職が多かったのは100位の野村ホールディングスの181人です。
2004年をピークに、日本の人口は減少傾向にあり、持続的な成長を確保するためには、生産性の向上などの新たなイノベーションが求められています。その中で外国人の活用も、今後の企業の成長には欠かせない要素になっています。
現状は、外国人材の必要性を認識していながらも、迎え入れるための職場環境の整備や、言葉の問題をどう解決するかといった課題に対応しきれていない企業が多いと言えるでしょう。人材のグローバル化を視野に入れている経営陣は、すでに取り組み、成果を上げている企業の例が、厚生労働省「外国人の活用好事例集」、経済産業省「高度外国人材活躍企業50社」、一般社団法人・留学生支援ネットワークに詳しく紹介されていますので、参考にしてはいかがでしょうか。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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