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高年齢雇用継続給付には、①高年齢雇用継続基本給付金と②高年齢再就職給付金があり、基本的には60歳以降の賃金が60歳到達時点に比べて75%未満に低下した状態で働き続ける場合に給付金が支給される制度です。
①高年齢雇用継続基本給付金 | 60歳定年後に継続雇用される労働者など基本手当を受給していない被保険者であった期間が5年以上ある方が対象(60歳到達時点では支給対象者ではなくても後に支給対象となる場合を含む)。 支給期間は、被保険者が60歳に到達した月から65歳に達する月まで。 |
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②高年齢再就職給付金 | 基本手当を受給した後、60歳以後に再就職した被保険者であった期間が5年以上ある方が対象。 支給期間は、再就職し基本手当の支給残日数が200日以上あるときは2年間。支給残日数が100日以上200日未満のときは1年間。ただし、支給は65歳に達する月まで。 |
高年齢雇用継続給付の支給要件としては、以下の要件を満たす必要があります。
本記事では、主に①高年齢雇用継続基本給付金に焦点をあて、解説していきます。
60歳定年の完全定着を図るため、平成6年に高年齢者雇用安定法の改正が行われ、あわせて高齢者の働く意欲と能力に応え、定年後60歳から65歳までの雇用の継続を援助・促進するための高年齢雇用継続給付が雇用保険制度に設けられ、平成7年4月1日から施行されました。
高年齢雇用継続給付と密接に関連する高年齢者雇用安定法についての詳細は、以前執筆した下記記事を参照ください。
https://www.manegy.com/news/detail/9486/
高年齢者雇用安定法による高年齢者雇用確保措置の進展等を踏まえ、高年齢雇用継続給付の給付率が令和7年4月より見直されることとなりました。
現行の給付率は最大15%であり、賃金低下率が 61%以下であるとき、支給対象月に支払われた賃金の15%が支給されます。賃金低下率が61%を超えて75%未満である場合、低下率に応じて15%から徐々に支給率が下がりますが、支給率や支給額を求める計算方法は複雑であるため、一般的には給付早見表を用いて計算をします。
支給額=支給対象月に実際に支払われた賃金額×支給率
見直しがされる令和7年4月からは、新たに60歳となる労働者への同給付の給付率は最大10%に縮小され、低下率が64%以下の場合は賃金額の10%、低下率が64%超75%未満の場合、低下率に応じて10%から徐々に支給率が下がります。
高年齢雇用継続給付の見直しが企業に与える影響として、定年を60歳に定めている企業は再雇用後の賃金が下がってもある程度まで収入が確保できるよう、高年齢雇用継続給付による給付額分を考慮して、60歳以降の賃金を引き下げている企業は少なくないと思います。見直しにより、高年齢雇用継続給付の支給額が減るため、60歳以降の賃金の引き下げ幅を再検討する必要があります。
令和7年4月から高年齢雇用継続給付が見直され、支給率が最大10%に縮小されることにより、60歳定年後、継続雇用をしている企業は影響がどれほどあるか調査をした方が良いでしょう。影響がどれほどか判明したなら、定年再雇用後の賃金の引き下げ幅についての見直しをご検討ください。
留意点として、賃金月額には上限額と下限額があり、支給において支給限度額と最低限度額があります。それらは「毎月勤労統計」の平均定期給与額により毎年8月に改定がされることにご留意ください。
現在、高年齢雇用継続給付の支給対象月の標準報酬月額が60歳時賃金の61%未満であるときは、標準報酬月額の6%に相当する老齢厚生年金が支給停止となっています。
今回の改正により高年齢雇用継続給付の支給対象月の標準報酬月額が60歳時賃金の64%未満であるときは、標準報酬月額の4%に相当する老齢厚生年金が支給停止となります。
令和7年4月からの高年齢雇用継続給付の見直しについて解説しました。
この度の改正は、高年齢者雇用安定法による高年齢者雇用確保措置の進展等を踏まえ、高年齢雇用継続給付の見直しが図られるものとなりました。雇用保険部会報告書にあるように、高年齢雇用継続給付は最終的に廃止が検討されています。
企業は、高年齢労働者の処遇改善を行い、今後、高年齢雇用継続給付がなくとも働き続けられるよう、不公平感が発生しにくい賃金制度の設計が求められるようになります。
【筆者のご案内】
イデアル社会保険労務士事務所
社会保険労務士 上見知也
【参考】
厚生労働省 高年齢雇用継続給付の見直し
厚生労働省 高年齢雇用継続給付についてのリーフレット
職業安定分科会雇用保険部会 高年齢雇用継続給付について
年次経済報告
厚生年金保険法施行規則の一部を改正する省令案について(概要)
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