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年収の「103万の壁」「106万の壁」が見直されたら?

公開日2025/01/22 更新日2025/04/11 ブックマーク数
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年収の「103万の壁」「106万の壁」が見直されたら?

連日報道されている通り、現在政府・国会でいわゆる「年収の壁」の議論が活発に行われています。
厚生労働省は、11月に実施された社会保障審議会の年金部会にて、社会保険における「106万円の壁」の撤廃案を発表しました。あわせて、社会保険の適用における企業規模要件も撤廃する方針を示しています。

【厚労省 11月15日審議会資料】
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001332348.pdf

今回は、特に社会保険の「106万の壁」が撤廃されたときに想定されること、その前後で経営者や人事担当者が取りたい対応について考えました。

アタックス・ヒューマン・コンサルティング

▼この記事を書いた人

アタックス・ヒューマン・コンサルティング
お問合せ先:mitoma@attax.co.jp

中堅中小企業の「ヒト」に関するお悩みを共に考え、解決へと導く人事・組織コンサルティング会社。
20年超の経験と多岐にわたる人事領域の専門性を活かし、利益に直結する人事戦略策定から伴走型の現場定着までをワンストップで支援している。

「年収の壁」議論の背景

社会保険の「106万の壁」や所得税の「103万の壁」は、社会保険制度や税制における納税・納付の有無を分けるボーダーラインです。

これら「年収の壁」の見直しや撤廃によって、就業調整していた短時間労働者の労働意欲向上が期待できるため、企業は労働力確保を望めるでしょう。

一方、労働者にとって税金・保険料負担による手取り収入の減少、事業主にとって社会保険加入者の増加による事務手続きおよび社会保険料の負担増といった懸念があります。​

企業が備えておきたいこと

もし社会保険の「106万の壁」が撤廃された場合、事業主にどのような対応が求められるでしょうか。

1.社員へのヒアリングと要員計画の見直し

「106万の壁」の撤廃や「103万の壁」の見直しが行われたら、これまで就業調整していた短時間労働者が労働時間の変更を希望する可能性があります。

そのため、短時間労働者に対し、「年収の壁」の見直しや撤廃によって労働時間の変更を希望するか、あらかじめ意向確認をしておくことが望ましいです。​また、その結果次第で今後の採用や配置転換などの要員計画も見直しておきましょう。​

特に、短時間労働者を多く雇用している企業ほど、意向確認および要員計画の見直しにかなりの時間を要するかもしれません。現時点では「年収の壁」の見直しや撤廃は決定事項でないものの、決定後に速やかに行動できるよう、今のうちから計画的に進めておきたいです。​

2.人件費の計算

社会保険の「106万の壁」が撤廃されることで、週20時間以上の労働時間要件を満たす労働者は社会保険に加入することになります。また、社会保険の適用要件である企業規模の要件(51人以上)もなくなれば、お勤めの職場で短時間労働者が加入対象になる、という方も多くいらっしゃることでしょう。

そこで、社会保険料の企業負担増加による人件費を試算し、経営計画や人員計画への影響を洗い出しておくことで、いざというときの対応がスムーズではないでしょうか。

【試算例】​
従業員数40名(うち年収100万円のパート20名)、愛知県の事業所​
厚生年金保険料 16,104円 ※2024年3月の保険料率​
折半額 8,052円×20人=161,040円/月→1,932,480円/年

ただ、「106万の壁」撤廃後に新しく加入対象となる労働者の社会保険料については、事業主負担分について現在も議論が続いています。事業主負担割合が増える等の措置がとられる可能性もあるため、その点にも注意が必要です。

3.社員の扶養者の確認

「年収の壁」の見直しに伴い被扶養者が増えたり、配偶者がその扶養から外れたりする社員がいた際は、企業は原則5日以内に社会保険の扶養異動届の提出が必要です。手続きを滞らせないために、扶養異動があれば速やかに連絡をするよう、社員にあらかじめ周知しておきましょう。

また、「配偶者手当」「扶養手当」等の制度がある場合は支給要件を確認し、手当の終了や追加支給について方針を検討し、備える必要があります。​

最後に

「年収の壁」の見直しや撤廃は、労働者が今後の働き方を見直す大きなきっかけになり得ます。

2025年1月22日現在、これらの見直しや撤廃はいずれも決定事項ではありません。今後の動向を見守りつつ、改正時には速やかに対応できるよう、可能な限り準備しておきましょう。




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