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金融庁は、担保や保証に過度に依存しない融資促進の取組みの一つとして、「経営者保証に関するガイドライン」の活用を進めてきましたが、ガイドラインの受け止め方を、地域銀行全行にアンケート調査を行い、その結果を公表しました。
金融庁が、平成30年6月に「経営者保証に関するガイドライン実態調査」を行った結果、ガイドラインの活用が習熟している金融機関では、経営トップが自ら各種取組みを主導している傾向が強く、形式的な対応に留まらず、競争力の強化や顧客に対する満足度を向上させるといった意識が芽生えていることが明らかになりました。
今回行ったアンケート調査は、地域銀行全体の現状を把握するとともに、どのような経営戦略上の取組みがガイドラインの活用に影響を与えたかなどを探り、さらなるガイドラインの活用を促すためのものです。
新規融資に占める、経営者保証に依存しない融資の割合(無保証融資割合)が6%ポイント(平成28年3月期から平成30年3月期)増加した理由として、「企業の財務内容だけではなく、事業の内容を深く理解する取組み」が約7割、「企業への訪問回数を増やすなど顧客との積極的なリレーションを図る取組み」が約5割と、ガイドラインの活用がプラスに影響していることが明らかになりました。
平成28年3月期~30年3月期において、新規融資に占める経営者保証に依存しない融資の割合(無保証融資等割合)が6%ポイント(※)以上上昇している金融機関と6%未満上昇の金融機関を比較したもの。
(※)平成28年3月期~30年3月期における、地域銀行の無保証融資等割合の上昇幅の平均が約6%ポイント。
1. 「企業の財務内容だけではなく、事業の内容を深く理解する取組み」
・かなり影響を与えた(19%)
・それなりに影響を与えた(52%)
・少しは影響を与えた(23%)
・あまり影響を与えていない(6%)
2. 「企業への訪問回数を増やすなど顧客との積極的なリレーションを図る取組み」
・かなり影響を与えた(7%)
・それなりに影響を与えた(43%)
・少しは影響を与えた(38%)
・あまり影響を与えていない(12%)
ガイドラインを積極的に活用することで、多くの地域銀行が、「顧客との信頼関係の強化につながった(74%)」、「職員の目利き力の向上につながった(53%)」と回答するなど、これまでのような、担保や保証に過度に依存してきた体質から抜け出そうとする姿勢が見受けられます。
また、無保証融資等割合が大きく上昇している地域銀行と、そうでない地域銀行に比べて、「他行との差別化やブランド力強化につながった(26%)」と回答した地域銀行もあり、ガイドラインの活用を通じて、顧客との信頼関係の強化やブランド力の強化などにつながっている割合が高い傾向にあるようです。
ほかにも、融資取引の拡大につながる可能性や、企業の成長や円滑な事業継承にも、大きな役割を果たしていくこととなりそうな兆候も見られました。
ガイドラインの活用促進によるデメリットとして挙げられたのは、「経営者の規律付けの低下を招くことへの危惧」で、それが取引先企業の財務内容の悪化につながるのではと、懸念する声も少なくありません。
また、貸出債権に対する経営者保証からの回収率を見ると、地域銀行の6割以上が1%未満の回収率に留まっています。このことから、多くの地域銀行にとって経営者保証を求めることは、回収を前提とした保全としての役割というよりも、むしろ、経営者の規律付けのための役割ととらえているようです。
さらに、事業承継時の二重徴求については、平成30年4月より、信用保証協会では、事業承継時における二重徴求は基本的に行わない運用となっていますが、旧経営者が事業継承後も代表権や株式を保持するなど、実質的に経営権を有していることから、旧経営者の保証をなかなか解除できない状況のようです。
しかし、改正民法の施行(2020年4月)により、明確な保証徴求基準を定めることや、原則として保証を解除するなどの具体的な対応も、5割以上の地方銀行でとられつつあるようです。
中小企業にとっては、地方銀行との良好な関係の構築が、何よりも大切なことです。担保や保証に依存せずに、業績や将来性の評価によって融資がスムーズに行われるようになれば、企業にとっては飛躍のチャンスをつかむことができるかもしれません。
財務担当者は、銀行に正当に企業価値を評価してもらうためのデータを、将来に備えて用意しておくことが求められそうです。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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