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ハイブリッドワークで失われた社員の「居場所」 繋がりを生むコミュニケーションの工夫とは

公開日2025/04/11 更新日2025/04/10 ブックマーク数
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サイオステクノロジー株式会社様インタビュー

ポストコロナ時代、リモートワークの普及により、多様な働き方が受け入れられるようになってきました。一方で、便利さの裏にある新たな課題も見過ごせません。とくに顕著なのが、コミュニケーションの希薄化によって、社員が「出社しても自分の居場所を感じられない」という現象です。

そこで今回は、フリーアドレス管理ツールYourDeskを提供するサイオステクノロジー株式会社様にインタビューを実施。コミュニケーションの工夫や、YourDeskを通じた「居場所づくり」のヒント、さらには多様性を尊重する企業文化についてお話を伺いました。

【プロフィール】

塚元 恵梨奈氏
サイオステクノロジー株式会社
DEI推進 Service Line
ヘッド

「ハイブリッドワーク=自由」ではなかった──明らかになったコミュニケーションの課題

――まず最初に、ハイブリッドワーク時代のコミュニケーションの課題についてお聞かせください。

コロナ禍以降、出社頻度が減少した企業は多く、弊社も例外ではありません。出社の機会が限られるようになったことで、社員同士のコミュニケーション不足という課題がより顕在化してきました。

中でも特に深刻なのが、社員が「自分の居場所がない」と感じてしまうことです。

塚元 恵梨奈様

――「居場所のなさ」というのは、どういったことでしょう?

リモートワークやフリーアドレスの導入により、物理的にも心理的にも「自分の場所」がなくなってしまった、という感覚ですね。出社しても「誰がどこにいるのか分からない」「話しかけづらい」といった状況が続くと、自然と周囲との関係性が薄れ、会社への帰属意識すら薄れてしまう。そんな状況が少しずつ増えてきたと感じています。

とくにフリーアドレスの場合は、自分の席が毎日変わるため、「ここが自分の席だ」という実感を持ちにくいという課題もあります。

――とはいえ、フリーアドレスの導入にはコミュニケーションを活性化する効果も期待されていたのではないでしょうか?

フリーアドレスは本来、社員が部署の垣根を越えて自由に働ける柔軟な環境として注目されてきました。しかし、弊社で実施したアンケート調査では、導入企業の55%が「形骸化している」と回答 しており、導入するだけでその効果を得られるわけではないことが浮き彫りになっています。

――具体的には、どういった形で形骸化してしまうのでしょうか?

たとえば「毎回同じ席に座ってしまう」といった現象ですね。せっかく自由に席を選べる環境が整っていても、社員が慣れた場所に固定してしまえば、意味がありません。

フリーアドレスの形骸化を防ぐ仕組み──YourDeskとは?

――先ほど、フリーアドレスは運用次第で形骸化してしまうというお話がありました。御社が提供するYourDeskなら、そのような事態を防げるのでしょうか?

はい、YourDeskの活用は、フリーアドレスの形骸化を防ぐ一助になると考えています。YourDeskは、座席の予約・管理をサポートするクラウドツールで、使い方によっては固定席化などの運用課題を防ぎ、社員同士のコミュニケーションを促すきっかけにもなります。

――たとえば、どんな仕組みがあるのでしょうか?

代表的なのが、座席抽選(ランダム機能)や同じ席を連続で選べない機能ですね。これらの機能によって、どうしても「つい毎回同じ席に座ってしまう」といった状況を防ぎ、日々異なる人と隣り合うような配置を促すことができます。意図的に流動性を持たせることで、部署や役職を超えた偶発的な交流が生まれます。

YourDesk

YourDesk

――なるほど。それによって、席を選ぶ行動自体が「人との接点」に繋がるのですね。

そうです。YourDeskは社員が出社前にフロアマップを確認し、空いている席を直接予約できる仕組みになっています。その際に周囲の人のステータスやプロフィールもチェックできるので、「この人と久しぶりに話したいから隣に座ろう」など、「誰とどこに座るか」を計画的に選べる機能といった行動につながることもあります。

――席を選ぶことが、コミュニケーションの入り口になるのですね。

はい。また、YourDeskではリモート勤務・出張・外出などの勤務状況も座席とあわせて可視化されているので、「この人は何曜日に出社している」「次に出社する日はいつか」といった情報をもとに、予定を合わせてランチに行くなどの活用例も出てきています。

――それは、ハイブリッドワークには心強い機能ですね。

さらに、会議室の予約管理や、Microsoft 365・Googleカレンダーとの連携にも対応しているため、予定と座席がシームレスに結びつきます。業務全体の流れの中に、座席管理が自然に組み込まれていくようなイメージです。

社員の「繋がり」を育てる──他己紹介シートと1on1の仕組み

――フリーアドレス管理ツールをより効果的に活用するために、御社で行っている施策などがあれば教えてください。

弊社では 、コロナ禍の2021年に所属していた部署で「コミュニケーション活性化チーム」を発足しました。当時はフルリモート体制を取っていたこともあり、社内からさまざまな声が上がっていました。

たとえば「雑談が全くなくなった」「顔と名前が一致しないので声をかけにくい」「関わりのない社員とも話してみたい」といった、「人との繋がり」に関する悩みがとても多く寄せられていました。

――やはり、オンライン中心では関係性を築くのが難しいですよね。

そうなんです。そこで私たちが取り組んだのが、「他己紹介シート」という施策です。

――他己紹介シートとは、どういったものなのでしょうか?

Googleスライドを使って、自分のプロフィールを記入してもらい、そこに他の社員が「第三者として」コメントを加えるという施策です。「○○さんはこんな場面で頼りになった」「実は○○好き」といった印象やエピソードが重なっていくことで、自然とその人の個性が伝わります。

このシートの面白いところは、「人間関係」も見えてくることです。たとえば、「Aさんのことはよく知らないけれど、コメントしているBさんとは仲が良い」──そうすると、「Bさんが仲良さそうにしているなら、自分もAさんと仲良くなれるかも」という心理的な安心感が生まれます。こうした間接的な繋がりが、コミュニケーションのハードルを下げてくれます。

他己紹介シート

YourDesk上の社員名に、この他己紹介シートへのリンクを紐づけているので、フロアマップを見ながら「この人ってどんな人?」とすぐに確認でき、話しかけるきっかけにもなっています。

YourDesk上マップ

――フリーアドレスでは、隣に座った相手のことが分からないことが多いので、こうした工夫があると助かりますね。

大切にしているのは、「自分を知る、相手を知る、深く知る」という考え方です。他己紹介シートは、まさにそれを自然に促す仕組みなのです。

自分のことを言葉にして整理し、他者からのコメントを通じて新たな一面に気づく。そして、それを見た別の誰かが、「話しかけてみよう」と思う。こうして少しずつ繋がりが生まれていく。部署を越えたコミュニケーションが生まれれば、「同じ業務でも実は他部署のやり方のほうが効率的だった」といった新たな気づきも出てきます。人の繋がりが、業務改善やイノベーションの種になると考えています。

――ただ、入社したばかりの社員などは、他己紹介シートにコメントが少なくなってしまいそうですが…。

その点は、定期的に行っている1on1ミーティングがカバーしています。会話の中で得た印象をそのままコメントすることも多いですし、新入社員には必ずメンターがつく仕組みなので、まずはメンターが率先して記入していきます。

――1on1にも力を入れていらっしゃるんですね。

はい。弊社では上司と部下の関係に限らず、他部署の社員や経営層とでも、社員自身が希望すれば1on1ができる仕組みを整えています。

YourDeskを通じてコミュニケーションのきっかけをつくり、それが1on1にも自然につながっていく。そういった「対話の循環」が起こる環境づくりを大切にしています。

DEI推進の土台となる──「誰もが安心して働ける環境」づくり

――サイオステクノロジー株式会社様は、「働きがいのある会社」として3年連続で認定を受けていらっしゃいますが、その背景にはどのような取り組みがあるのでしょうか?

ありがとうございます。認定されたポイントとしては、働きやすい環境が整っていることが大きいと考えています。
私は現在、DEI推進部のヘッドを務めており、DEI(Diversity,Equity&Inculsion)は一部の対象者だけではなく全社員が関わり実現させるものであると考えています。
お互いに尊重、受容し、感謝・称賛・応援をしあう文化の醸成にも取り組んでいます。

働きやすい環境ということについては、働き方が多様化するなかで、企業がハイブリッドワークやリモートワークにどう対応していくかは、まさにDEIを実現できるかどうかの試金石だと感じています。出社を前提とした制度や文化のままでは、柔軟な働き方を求める社員が取り残されてしまう危険があります。

――その中で、YourDeskの導入もDEIの観点から意味があるということでしょうか?

YourDeskの導入は、単なる業務効率化ではなく、「誰もが安心して働ける環境」を整えるための仕組みとして活用できると思っています。

たとえば、ハイブリッドワーク下でよく起きる「あの人、今どこ?」「隣のこの人、誰?」といった「見えない不安」は、心理的な障壁となってコミュニケーションを妨げます。YourDeskでは、出社状況や座席位置、さらにプロフィールや他己紹介シートといった情報を可視化できるため、こうした不安を取り除き、心理的安全性の確保に繋げることができます。

また、時代の変化に応じて、働き方も柔軟に見直していく必要があります。私たちは「しない」「できない」といった線引きを最初から設けず、それぞれの得意・不得意を認め合い、補い合える組織を目指しています。誰もが安心して働けるオフィス環境が整えば、そこからイノベーションも自然と生まれてくるはずです。

――本日はありがとうございました。

まとめ

ハイブリッドワークの普及により、オフィスの「居場所」が見直されています。とくにフリーアドレスの運用においては、物理的な柔軟性だけでなく、社員が安心して集える「心理的な居場所」づくりが重要です。

サイオステクノロジー株式会社が提供する「YourDesk」は、座席予約という日常的な行動を通じて、社員同士の自然な接点を生み出す工夫が詰まっています。座席抽選(ランダム機能)を活用したランダムな席の割り当てなどの仕組みにより、組織内に新たな繋がりを育み、部署や世代を超えた対話のきっかけを創出しています。

また、同社の取り組みは単なる業務効率化に留まりません。DEIの観点からも、誰もが安心して働ける環境づくりに寄与しており、それが「働きがいのある会社」としての評価にも繋がっています。

フリーアドレスを単なる席の自由化ではなく、「人と人の居場所を繋げる環境」へと進化させる。その実現に向けて、YourDeskのようなツールと運用の工夫が、今後ますます求められていくでしょう。

YourDesk:https://www.yourdesk.jp/


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