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公認会計士試験に合格すると、一般的にはいよいよ監査法人への就職活動を迎える段階に入ります。
この期間は、個別相談や面接などが集中するため、効率的なスケジュール管理と準備が必要です。
自身に適した監査法人の選び方も含めて、就活を成功につなげるための情報収集が欠かせません。
この記事では、就活スケジュールとその注意点、監査法人ごとの特徴や就職のポイントなどをわかりやすく整理しました。
監査法人への就職活動は、公認会計士試験合格発表を境に一気にスタートします。
就活期間が限られるため、就活生にとっては効率的な行動と準備が欠かせません。
以下に、監査法人の就活の流れとスケジュールを見ていきましょう。
監査法人への就活スタートは、公認会計士試験の合格発表直後です。
このタイミングで面接申込やエントリーシートの準備が開始され、多くの就活生が同時に動き出します。
注意すべきは、就活期間が非常に短い点です。
11月中旬に公認会計士試験の合格発表があり、その直後から各法人の採用活動が本格化し、約4週間後の12月中旬には内定が出る流れです。
この短期間に多くの就活生による個別相談や面接が集中するため、スピード感を持って自身の面接日程を調整しなければなりません。
面接の予約は合格発表後1週間以内に締め切られることが一般的で、さらに短いスパンで複数の監査法人とやり取りを進める必要があります。
このような短期決戦を勝ち抜くためには、事前の情報収集や周到なスケジューリングが成否を分けるポイントとなります。
監査法人の採用活動は、「4法人東京事務所 リクルート協定」に基づいて進行します。
2024年の具体的なスケジュールは以下の通りです。
日程:活動内容
~9月7日(土): 説明会やその他の就活イベント
9月8日(日)~11月15日(金)13:00: 接触禁止期間
11月15日(金)13:00: 合格発表および面接申込開始
11月18日(月)~12月4日(水): 個別相談期間
12月5日(木)~12月11日(水): 面接期間
12月12日(木)13:00~15:00: 内定通知
12月12日(木)15:00~12月13日(金)12:00: 内定通知後の個別相談期間
2023年の採用活動スケジュールと比べると、接触禁止期間が長くなり、就活イベント期間が短くなっている点が特徴です。
就活を効率よく進めるためにも、監査法人の情報収集に役立つ就活イベントや、重要な面接期間などのスケジュールはしっかりと把握しておきましょう。
監査法人の就職市場は、慢性的な人手不足や監査基準の変更などの影響により、公認会計士の定期採用が売り手傾向にあります。
とはいえ、すべての応募者が内定を得られるわけではありません。
毎年一定数は監査法人に就職できない就活生がいることも事実です。
人手不足の影響が小さな問題でないことは、監査法人の業界においても例外ではありません。
特に、国際的な監査基準への対応や内部統制の強化が進む中で、会計監査の重要性が一層認識され、公認会計士の求人数は増加傾向を見せています。
この背景には、監査法人から他の業界への転職者が増加していることも関係しています。
一方で、人気の高い法人では依然として競争率が高く、十分な準備がなければ選考を通過するのは難しいでしょう。
近年、採用側が重視するポイントが多様化していることも、公認会計士の需要を押し上げている一因です。
ビジネスのグローバル化に伴い、国際的な視点を持つ人材や、M&A、IPOなどの特定分野で経験がある公認会計士のニーズが高まっています。
ただし、売り手市場でも内定を得るためには、監査法人が求めるスキルと適性を理解して面接対策を練ることが重要です。
クライアント対応を円滑にするコミュニケーション能力や、監査以外の業務経験を持つことも評価につながります。
2025年以降も売り手市場が続くと予測される一方で、採用基準は引き締まる傾向にあります。
こちらは、ここ2~3年の間に大手監査法人が定期採用に加えて、中途採用においても未経験者の採用を多く行っていたことから、教育に手が回らなくなることを防ぐため、応募要件を上げてきている背景もあります。
その為、今後はより一層単に資格を持っているだけではなく、付加価値をいかにアピールできるかが公認会計士に求められてくるでしょう。
就職活動で監査法人を選ぶ際、まずはBig4監査法人と中小監査法人の特徴を理解する必要があります。
Big4監査法人はグローバルなネットワークを持ち、クライアントの多くが海外に展開する大手企業や上場企業です。
国際的な業務に携わりたい人にとって、Big4は魅力的な選択肢と言えます。
監査業務だけでなく、コンサルティングやM&A支援、IPOサポートなどにも対応している多様性が特徴です。
一方、中小監査法人では、主に国内企業や特定分野に特化したサービスを提供しています。
地域密着型で地元企業とのかかわりが深い法人もあり、地元に根ざしたキャリアを目指す人には適した環境です。
チーム規模が比較的小さいため、一人ひとりの役割が大きく、幅広い業務経験を積みやすい側面もあります。
Big4としてひと括りにされている4大監査法人ですが、それぞれの得意分野や特徴を知ることも、監査法人を選ぶ要点です。
伝統と外資系の文化が調和した組織風土が特徴です。
KPMGのメンバーファームとして、グローバルな視点を活かしたアドバイザリーサービスに定評があります。
クライアントには首都圏をはじめ、関西や名古屋、中国地方の大手企業が多く、国内外の大規模案件に関わる機会が豊富です。
定期採用の募集要項 | 詳細 |
---|---|
給与(初任給) | 320,000円(首都圏手当10,000円含む) |
勤務時間 | 9:15~17:15 |
福利厚生 | 育児・介護休業制度、リフレッシュ休暇制度など |
経営アドバイザリーを得意としており、会社法や金融商品取引法に関連する業務が強みです。
テクノロジーやグローバル業務への対応に積極的で、AIを活用した監査手法の導入を進めています。
学校法人をクライアントに持つ割合が高い点も、他法人と異なるポイントです。
監査における収入比率が最も高い法人ですが、近年はアドバイザリーにも力を入れており、成長著しい法人です。
定期採用の募集要項 | 詳細 |
---|---|
給与(初任給) | 首都圏:320,000円、地区:317,000円 |
勤務時間 | 9:30~17:30 |
福利厚生 | 育児・介護休業制度、配偶者出産休暇など |
外資系的な社風と多国籍クライアントの多さが際立っています。
企業が任意で受ける非監査業務にも力を入れており、監査業務との売上比率がほぼ同じです。
最先端のテクノロジーによる効率的な監査業務を追求している一方、女性が働きやすい環境整備にも積極的です。
定期採用の募集要項 | 詳細 |
---|---|
給与(初任給) | 月給412,090円 ※みなし時間外勤務手当(月30時間分:87,090円)を含む |
勤務時間 | 9:15〜17:15 |
福利厚生 | 短時間勤務、各種休暇など |
商社関連や労働組合での監査対応に秀でた法人です。
監査業務以外でも、株式公開支援やコンサルティング分野に強みがあり、非監査業務の実績が豊富です。
国内外に視野が広く、グローバルな業務経験を通じて多様なスキルを身につけたい会計士に向いています。
定期採用の募集要項 | 詳細 |
---|---|
給与(初任給) | 320,000円 |
勤務時間 | 9:30~17:30 |
福利厚生 | 各種休暇、生殖医療サポートなど |
監査法人の採用活動期間には、就活生に向けた説明会やオフィスツアー、座談会などの就活イベントが開催されます。
現場で働く職員から直接話を聞いたり、実際の職場を見学したりすることで、業務内容や職場環境について理解を深められる貴重な機会です。
こうした就活イベントは、各法人のWEBサイトから申し込みが可能です。
監査法人を選ぶ際の判断材料となるため、積極的に参加するようにしましょう。
ただし、就活イベントが開催される期間は限られているため、開催情報を見逃さないよう早めの確認が重要です。
監査法人への就職を成功させるためには、押さえておくべきポイントがあります。
主な3点に着目してみましょう。
監査法人ごとの異なる特徴を把握するためには、就活イベントに積極的に参加してコアな情報を集めることが重要です。
例えば、説明会や座談会に参加すると、職員の働き方や価値観、具体的な業務内容などがイメージしやすくなります。
オフィスツアーでは、職場環境や雰囲気を実際に確認できるため、仕事をする場としての適性を考える参考になるでしょう。
就活イベントを通じて現場のスタッフと話すことで、公式情報だけではわからないリアルな声を聞ける機会にもつながります。
エントリーシートは、自身の経験や強みを具体的に伝える重要な書類です。
監査法人を志望する理由を明確に記載するとともに、法人ごとの特徴を踏まえた動機を示すなど、入念な対策が必要です。
面接対策では、自己PRをわかりやすく簡潔にまとめる練習を行いましょう。
模擬面接を活用し、回答内容をブラッシュアップしながら、話し方や表情にも注意を払うことで説得力が増します。
前述のとおり、11月中旬の論文式合格発表から内定までは約4週間しかありません。
就活の準備はその短期間で行うのではなく、合格発表前から取り組むことがポイントです。
事前にエントリーシートや自己PR文の草案を完成させ、選考が開始された際にすぐ対応できる状態にしておきましょう。
説明会などに参加して得た情報をもとに、志望法人の絞り込みを進めておくことも重要です。
最後に、監査法人の就活・就職でよくある質問と回答を紹介します。
A:就活イベントでは、リクルートスーツを選ぶのが無難です。
リクルートスーツは、フォーマルな場に適しており、多くの参加者が選ぶスタイルです。
男性であれば、ジャケットやネクタイを着用することが一般的で、清潔感のある装いが好印象につながります。
一方で、過度に堅苦しくする必要はなく、自然体を意識した服装でも問題ありません。
A:応募先としては、Big4の中から2~4社を選び、加えて中小監査法人1社を候補に加えるのがおすすめです。
複数の法人を対象にすることで、限られた日程の中でも自分に最適な法人を見つけるチャンスが広がります。
自信があれば、あえて応募を絞る選択肢もありますが、不安がある場合には複数社に応募しておくと安心です。
A:面接の最後では「何か質問はありますか」と聞かれることが通例です。
逆質問なしでは熱意が伝わらず印象も良くないため、あらかじめいくつかの質問例を用意しておくと良いでしょう。
質問のポイントとして、自身の志望意欲をアピールするものや、面接官の印象に残る内容が効果的です。
例えば、「入社までに準備しておくべきことは何かありますか」「社員の方はどのようなやりがいを感じることが多いですか」といった逆質問は、面接官にも前向きな印象を与えます。
監査法人への就職活動は、公認会計士試験の合格発表後から始まり、短期間で進行します。
わずか4週間に満たない期間で効率よく就活を進めるためには、採用スケジュールを注意深く把握し、計画的に動くことが重要です。
その際、就活イベントへの参加が、情報収集と法人選びに大きく役立ちます。
自身の適性をアピールする機会を逃さず、十分な準備を通じて、就活を成功へと導きましょう。
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