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FXってなに?初心者のための入門講座

公開日2019/06/29 更新日2019/06/30

近年、「FX」という言葉を新聞や雑誌、テレビでよく目にするようになりました。ただ、投資初心者の方にとっては、「FXとは一体何なのか」、「投資方法の一つとは聞いたことはあるが、仕組みがよく分からない」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。また、個人的な投資をしない人も、自社の資金周りの業務にかかわる可能性がある方は周辺情報として押さえておくと業務の参考になるかもしれません。

今回は、FXとはどのような取引なのかについて解説し、取引の開始方法、メリットやデメリットなどを紹介します。

FXとは?他国の通貨を売り買いすること

FX(Foreign Exchange)は正式名称を「外国為替証拠金取引」といい、一言でいうならば、「異なる通貨を取引すること」です。例えば日本円でドルを買うと、「円売り」や「ドル買い」と呼ばれます。その他、世界にはあらゆる通貨が流通し、その相場は常に変動していますが、それらを売ったり買ったりすることを通して利益を挙げることが、FXにおける目的です。

例えば、1ドル=100円という相場の時にドルを買って、1カ月後に1ドル=110円になったとすると、持っているドルの価値が高くなったことにより、10円の利益を得たことになります。この時、もし1,000万円分のドルを買っていたとすると、利益は100万円となるわけです。

うまく利益を出していくためには、どの通貨が安くなり、どの通貨が高くなるのかという相場の流れを読み取り、決済するタイミングをつかむ必要があります。レート(通貨の価値)は海外の政治経済の情勢によって急に変動することもありますが、基本的には時間と価格をグラフ化した「チャート」を見て過去の値動きを把握し、そこから今後の動向を予測して取引を行うのが通例です。

FXの始め方・・・取引開始までのプロセスを解説

FXを始めたい場合、まずはFX会社で専用の口座を開設する必要があります。口座開設は無料で行うことができ、開設の際はマイナンバーと本人確認書類が必要です。実際の取引はFX専用口座に振り込まれた金額(証拠金額)で行われますが、一般的には1,000通貨単位の場合は4000円前後~1万円から始めることができます。ただ、中には1通貨単位から売買できるFX会社もあり、その場合は理論上、約4円から取引できるのです。

FX取引に対応する会社は国内に数十社以上あるので、実際に取引を開始する場合は各会社の特徴について事前に調べておくとよいでしょう。なお、FXはネット上で行うことができ、パソコンはもちろんタブレット型端末やスマートフォンでも、各会社の専用アプリを使うことで取引できます。

FXのメリットとは?レバレッジで大きな利益を得られる

FXの最も大きな特徴は、少ない資金で投資を行えるという点です。FXでは、投資額以上の金額を運用する「レバレッジ」をかけることができるので、手元の資金以上のお金を投資できるのです。

例えば、手元に100万円の資金がある場合、レバレッジを5倍かけると「資金の100万円×レバレッジ5倍」となり、500万円分のFX取引ができます。この場合、もし米1ドル=100円という相場なら、100万円の資金で5万ドルを買うことができ、得られる利益もそれだけ大きくなるわけです(元々の資金だけだと1万ドルしか買えません)。「レバレッジ」とは、もともと小さな力で大きな物を動かす「てこの原理」を意味する言葉ですが、その名の通り、FXには少ない資金で大きな運用額を扱えるという利点があります。

また、レートのトレンドを読み取ることで、不況時でも利益を出せるという点もFXのメリットです。例えば株式投資の場合、経済不況時だと価値が下落するため、好景気の中でしか利益を見込めません。しかしFXであれば、通貨の上昇トレンドと下降トレンドを予測し、価値が下がっている時に買い、上がっている時に売りさえすれば、不況時であろうと大きな利益を出せるのです。

さらに、FXでは「スワップポイント」と呼ばれる金利のようなものを日々受け取れます。スワップポイントとは、金利の高い通貨を購入して低金利の通貨を売った場合、金利の差額分を利益として受け取れる仕組みのことです。例えば、日本円だと金利はわずか年率0.1%に過ぎませんが、他の国の通貨だとそれよりも高い金利がついていることが多いです。もし10%の金利がつく通貨を買って日本円を売った場合、その差9.9%を金利差として受け取ることができます。2019年4月現在、スワップポイントが高い通貨としてはトルコリラや南アフリカランドが有名です。

FXのデメリットとは?損失が大きくなることも

一方でFXにはデメリットもあります。1つは、レバレッジをかけると少ない資金で大きな利益を上げられる反面、受け得る損失のリスクもそれだけ大きくなるという点です。例えばレバレッジ8倍の場合、100万円資金で800万円分の運用ができ、受け取れる利益も8倍になりますが、同時に損失が発生すればそれも8倍になってしまいます。レバレッジが高いほどリスクも高くなり、それだけギャンブル性が高くなるわけです。

高いレバレッジによる取引の場合、ちょっとでも損失の方向にレートが動くだけで、FX会社が強制的に損失を確定させて決済を行い、取引ができなくなる場合もあります。例えば100万円の資金で取引している場合、100万円以上の損失が出そうな場合は、そうなる前にFX会社の方で強制的に損失を確定(強制ロスカット)するのです。このシステムがあることで、資金以上の金額を失うことはありませんが、証拠金として投入した資金は失われるので、市場から退場せざるを得なくなります。

まとめ

外国通貨を売買し、為替レートの動きを読み取ることで利益を上げるFXは、少ない資金で大きな利益を上げやすい、景気が悪くても利益を出せるなどの利点がある反面、被り得るリスクも大きいです。近年、FXは、パソコンやスマートフォンにより24時間取引ができるという便利さもあり、手軽にできる副業として取り上げられることも多いですが、取引を始める際は、損失が発生する恐れがあることも十分に認識しておく必要があるでしょう。

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