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株主総会の決議事項ってどういうものがあるのか

公開日2019/06/22 更新日2019/06/23
株主総会の決議事項ってどういうものがあるのか

6月に入ると、総務や人事を中心に、株主総会の準備に追われる企業が増えてきます。一般的に、会社の株主総会は6月下旬に集中しており、経営陣にとって緊張の走る時期です。

株主総会は、1年間の経営状況を株主に報告するとともに、この先1年の経営方針や経営戦略を説明し、理解を求める場ですが、株主総会で経営について決定する決議事項とは、どのような内容なのでしょうか。

この記事では、会社法で規定されている株主総会の決議の種類や内容をはじめ、株式会社における株主総会での決議の意味を考えていきます。

株主総会による決議の意味とは

株主総会は株式会社の最高意思決定機関と呼ばれます。通常の経営判断は代表取締役の社長をはじめ専務や常務が行います。しかし、ひとつの株式会社の基本的な経営方針や経営判断を決定しているのは株主総会であり、その判断の内容こそ株主総会における決議事項です。

一言で株主総会の決議事項といっても、決議内容だけでなく決議するために必要な決議要件(決議するのに必要な方法)は異なります。決議事項の種類と決議要件を把握しておくことは、経営側も株主側にとっても非常に重要なことです。

株主総会の決議には3種類ある

株主総会では経営判断が必要な事柄を一つ一つ議決していきます。株主は持ち株数に応じた議決権を持ち、それを行使する権利があります。

ここでポイントなのは、株主総会で行われる議決は、会社法にその手続き方法や必要な要件が厳格に決められていることです。

なお、先に株主総会における決議で使用される用語について簡単に解説しておきます。

定足数株主総会で決議する際、議決のために最小限必要な出席者数を指します。もし、株主総会で議決を行ったとしても、議決権を持つ株主が一定数出席していなければ、その決議は無効となってしまいます。
この定足数は決議の種類によって異なるだけでなく、約款に定められている場合はそちらが優先されます。
決議要件議決が行われるために必要な賛成についての条件です。定足数を満たした上で、出席している株主が産生している割合によって決議が可決または否決されます。

それでは、ここから具体的に3種類ある決議について見ていきましょう。

普通決議(会社法309条1項)

普通決議の主な決議事項は、次のように定められています。

<主な決議事項>

 ・自己株式の取得(特定の株主からの取得は除く)

 ・剰余金の配当

 ・剰余金の額の減少や資本金などの変更

 ・取締役や監査役の選任および解任

 ・役員報酬

なお、取締役会の有無によって決議事項に若干の違いがあり、取締役会を設置している株式会社のほうがより広い議決を行えます。

<決議要件>

定足数議決権を行使可能で、かつ議決権の過半数を持っている株主の出席が必要
可決となる基準出席した株主のうち、過半数の議決

特別決議(会社法309条2項)

定款の変更をはじめ、普通決議よりも経営においてより重要な判断が必要となる場合、会社法によって特別決議が求められます。

<主な決議事項>

 ・自己株式の取得(特定の株主からの場合)

 ・譲渡制限株式の買取り

 ・相続人等への株式売渡の請求

 ・募集株式の募集事項の決定

 ・株式の併合

 ・会社の合併・分割など

 ・取締役および監査役の解任の一部

 ・定款の変更

 ・株式会社の解散

<決議要件>

定足数議決権を行使可能で、かつ議決権の過半数を持っている株主の出席が必要(ただし、定款で定めがあるときは過半数以上が必要なケースもあり)
可決となる基準出席した株主のうち、3分の2以上の議決

特殊決議(会社法309条3項)

特殊決議は、今後の株式会社において極めて重大な判断を行うものです。そのため、普通決議や特別決議に比べると、行われる率は非常に少なくなっています。

<主な決議事項>

 ・発行する株式の譲渡を制限する定款の変更

 ・一定の合併契約を締結する場合の承認

<決議要件>

定足数普通決議や特別決議と違って、定足数の定めがありません。議決権を行使でき、さらに議決権の過半数を上回る株主の出席が必要(ただし、定款で定めがあるときは過半数以上が必要なケースもあり)
可決となる基準議決権を行使可能な株主の過半数、もしくは3分の1以上で可決(定款の定めに従う)

株主総会と取締役会で決定する決議事項の違いとは

日常的に経営判断をしている取締役会と株主総会の決議は、どのように違うのでしょうか。

取締役会とは、日々の業務を遂行する責任者である取締役が集まって、会社業務全体を取り仕切る機関です。株主総会は、株主が集まり、会社の経営の根拠となる定款や合併、取締役や監査役の処遇など、いわば株式会社のハード面を決定するのに対して、ソフト面を担当しているのが取締役会といえるでしょう。

取締役会で行われる決議事項のなかでも重要なものは経営方針の判断や株式譲渡の可否、株主総会の開催にまつわることから具体的な業務の指示・監督まで、株主総会の議決事項とは取り扱う内容がまったく異なります。

ただし、株式会社によっては取締役会を設置していない企業があります。その場合は、株主総会において一般的に取締役会で決議する内容を議決しなければなりません。

まとめ

株主総会での決議事項や議決の流れは、株主や経営陣にとって会社の未来を占う重要な知識です。以下5点はぜひ、頭に入れておきましょう。

 ・株式会社は、定期的に会社経営の重要事項を決議する株主総会を開催する必要がある

 ・株主総会は会社法によって定められている

 ・決議事項は普通決議・特別決議・特殊決議の3種類

 ・決議の種類によって決議要件が異なる

 ・株主総会と取締役会の決議事項はそれぞれ異なる

※当社は本サイトに細心の注意を払って情報を掲載していますが、正確性および完全性を保証するものではありません。詳細については念のため関連省庁や専門家にご確認ください。



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