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【経理必見】法人カードの仕訳・経理処理・証憑管理ガイド

公開日2025/09/06 更新日2025/09/05 ブックマーク数
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【経理必見】法人カードの仕訳・経理処理・証憑管理ガイド

月末になると机の上に積み上がる大量の領収書、経費精算の催促メール、入力ミスや証憑不足による差し戻し…。
経理担当者にとって、経費処理は「終わらない仕事」の代表格です。
そんな悩みを一気に解消し、経理・申請者・経営者すべてにメリットをもたらすのが法人カードです。
利用明細の自動取得やキャッシュレス決済による効率化はもちろん、内部統制の強化や経費の可視化にもつながります。

本記事では、法人カードの基本から導入メリット、失敗しない選び方・ルール作り、仕訳例付きの経理処理、証憑管理の実務、さらには運用を高度化させる方法まで、経理担当者が知っておくべきポイントを完全網羅で解説します。

[ 目次 ]

STEP1:法人カードとは?基本と導入メリットを理解する

ここではまず、法人カードの基本的な仕組みや、個人カードとの違い、導入によって得られるメリットを整理していきましょう。

法人カードの定義と個人カードとの違い

法人カードとは、企業や団体名義で発行されるクレジットカードのことです。
利用代金の引き落とし先は法人の銀行口座となり、業務に関わる経費決済をキャッシュレスで行えます。

個人カードとの大きな違いは、契約主体が法人であることと、利用目的が業務に限定されていることです。
加えて、法人カードは複数枚の追加カードを発行し、部署や社員単位で利用権限を付与できる点も特徴です。
これにより、社員が業務経費を立替精算する必要がなくなり、経費処理の効率化や内部統制の強化が期待できます。

法人カード導入による3つのメリット(経理・申請者・経営者)

経理担当者のメリット:精算業務の効率化が図れる

カード利用明細がオンラインで取得でき、経費精算システムや会計ソフトに自動連携できるため、手入力や領収書突合作業の負担が軽減されます。
月末処理のスピードが向上し、締め切り直前の残業削減にもつながります。

申請者(社員)のメリット:立替負担の軽減につながる

交通費や宿泊費、備品購入などの業務経費を個人で立替える必要がなくなります。
精算待ちの金銭的ストレスが解消され、業務への集中度が高まります。

経営者のメリット:経費が可視化されコントロールしやすくなる

利用明細がリアルタイムで確認できるため、経費発生状況をすぐに把握できます。
カードごとに利用上限額や使用可能カテゴリを設定すれば、不必要な支出や私的利用の抑制にも効果的です。

導入が特に効果的な企業の特徴

  • 出張や接待など、経費発生頻度が高い企業
  • 営業拠点や店舗など、複数拠点で経費精算が発生する企業
  • 立替精算・現金精算の割合が高く、処理に時間がかかっている企業
  • 経費の可視化や内部統制の強化を進めたい企業

法人カードは、単なる決済手段ではなく、経理効率化と経営管理の両面でメリットをもたらすツールです。

STEP2:失敗しない法人カードの導入と社内ルール作り

法人カードを導入していても、自社の利用実態に合わないカードを選んでしまえば、利用制限が厳しすぎたり、必要な機能が不足していたりして、逆に業務が煩雑になるケースも少なくありません。
また、ルールや承認フローが曖昧なまま運用を始めると、不正利用や証憑不備といったトラブルの温床になります。

このステップでは、導入を成功させるためのカード選定のポイントと、運用開始前に整えておきたい社内ルール作りの基本を解説します。

自社に合ったカード会社・プラン選定のポイント

法人カード導入の第一歩は、複数のカード会社やプランを比較し、自社の利用状況に最も適したものを選ぶことです。
主に以下の項目をチェックしましょう。

  • 年会費・発行枚数を踏まえ、総額はいくらになるか:社員数や利用部門ごとに必要なカード枚数と、年会費の総額を試算します。
  • ポイント還元率・特典はあるか:還元率や付帯サービス(空港ラウンジ利用、旅行保険、会計ソフトとの連携など)を確認します。
  • 決済限度額はいくらか:業務上の出費に十分対応できるか、また利用者ごとに限度額を設定できるかを確認します。
  • 不正利用時の補償はあるか:紛失・盗難・不正利用が発覚した場合の補償範囲や手続きのスピードも重要です。
  • 連携機能があるか:経費精算システムや会計ソフトとのAPI連携可否をチェックすることで、後の業務効率化につながります。

私的利用や不正を防ぐ「運用ルール」の作り方

法人カードの導入効果を最大化するには、明確な運用ルールを整備することが欠かせません。
以下の項目を社内規程に盛り込みましょう。

  • 利用対象者を明確にする:役職や部署単位で発行対象を決める。
  • 利用可能な経費の範囲を設定する:交通費、宿泊費、接待費など、業務関連に限定する。
  • 利用上限額を設定する:カードごとに上限額を設定し、予算超過を防ぐ。
  • 証憑提出期限を明記する:領収書や請求書の提出期限と方法(紙・電子)を明記する。
  • 紛失・盗難時の対応フローを決める:カード停止や再発行の連絡先・手順を共有する。

※規程は配布だけでなく、説明会やイントラネットでの周知を徹底することが重要です。

スムーズな運用のための「承認フロー」の設計

利用ルールと併せて、承認フローを事前に設計しておくことで、利用者と経理の間でのやり取りが円滑になります。

  • 利用申請→上長承認→カード発行までの流れを明確化する
  • 利用後の証憑提出→承認→経理処理のフローを標準化する
  • 承認プロセスを経費精算システム上で自動化すれば、承認漏れや処理遅延を防止できる

こうした準備を経て導入すれば、法人カードは単なる支払い手段ではなく、経費管理の強力なインフラとして機能します。

STEP3:【仕訳例付き】法人カード利用時の経理処理と証憑管理

本章では、カード利用から引落までの経理処理を時系列で整理し、間違いやすい科目別の仕訳例などを実務目線で解説します。

経費精算フローと、電子帳簿保存法・インボイス制度への対応

法人カードを経理処理に組み込む場合、カード利用明細と領収書の突合が基本となります。

  1. 利用者がカードで決済する(業務経費のみ)
  2. 利用明細がカード会社のオンラインシステムに反映する
  3. 利用者が領収書・請求書(適格請求書)を提出する
  4. 経理担当者が明細と証憑を突合する
  5. 証憑を紙または電子データとして保存する

電子帳簿保存法では、電子データのまま保存する場合にタイムスタンプや改ざん防止措置が必要です。
さらに、インボイス制度により、仕入税額控除を適用するには「適格請求書」の保存が必須となります。
カード決済時でも、必ずインボイス要件を満たした領収書の回収・保存を徹底しましょう。

【利用時〜引落時】時系列で見る仕訳例

法人カード決済は、利用時と口座引落時で分けて仕訳します。

【① 利用時(例:事務用品を購入)】

借方 貸方
消耗品費 10,000 未払金 10,000

→ この時点ではカード会社への支払いは発生していないため、未払金で計上します。

【② 口座引落時(カード利用額の合計を引落)】

借方 貸方
未払金 10,000 普通預金 10,000

決算期をまたぐ場合
期末時点でカード利用分の支払いがまだの場合は、未払金を計上しておく必要があります。
計上漏れは費用や負債の過少計上につながり、決算数値の正確性を損なうため要注意です。

【科目別】間違いやすい費用の仕訳例

法人カード経理では、費用科目の判断を誤るケースが少なくありません。
代表的な例を挙げます。

旅費交通費(ICカードチャージなど)

SuicaやPASMOのチャージは、利用時点で旅費交通費として処理するのが一般的です。

交際費

取引先との会食費用は、飲食費の合計額や参加人数によって交際費または会議費に区分する。

通信費

携帯料金やネット利用料などは通信費で計上。
ただし端末購入代は消耗品費や固定資産に該当する場合があります。

年会費・ポイント利用・分割払いなど特殊なケースの仕訳

  • 年会費:支払時に「支払手数料」や「会費」科目で計上。期間按分は不要です。
  • ポイント利用:ポイント利用分は値引き扱いとし、費用から控除または雑収入で処理します。
  • 分割払い:利息分は「支払利息」科目に分け、元本部分は費用や資産取得額に計上します。

STEP4:経理業務をさらに高度化させるためには

ここでは、クラウド会計や経費精算システムとのAPI連携による自動化と、定期的なモニタリング・分析による経費管理の高度化について解説します。

単にカードで経費を決済するだけでなく、システム連携やデータ活用を組み合わせれば、経理部門はルーティン業務から解放され、より戦略的な役割を担えるようになります。

クラウド会計・経費精算システムとのAPI連携

法人カードの真価を発揮するには、カード利用明細をクラウド会計ソフトや経費精算システムと連携させることが効果的です。
API連携を活用すると、以下のメリットがあります。

  • 明細の自動取込ができる:利用データが自動でシステムに反映され、手入力が不要に。
  • 仕訳の自動生成ができる:事前にルールを設定すれば、科目や税区分が自動で反映される。
  • リアルタイムで経費が把握できる:経営層やマネージャーが最新の支出状況を即座に確認できる。

導入時の注意点としては、システム間のデータ形式や取込タイミング、セキュリティ要件を事前に確認し、自社の運用に合うかを検証することが重要です。

経理部門が主導する定期的なモニタリングと利用状況分析

法人カード運用は、導入して終わりではなく定期的なモニタリングが欠かせません。

  • 不正利用がないか
    利用明細を月次・四半期単位でチェックし、不自然な高額利用や業務外の支出を洗い出します。
  • 経費利用の傾向を分析する
    部署別・プロジェクト別の支出傾向を可視化し、コスト削減や予算配分の見直しに活用します。
  • ルール改善に向けてフィードバックする
    実際の運用データから、上限額設定や承認フローを再調整し、より効率的かつ安全な運用体制を構築します。

経理部門がこうした分析・改善を主導することで、法人カードは単なる決済手段から、経営判断を支えるデータ資産へと進化します。

法人カードの経理処理に関するよくある質問(FAQ)

法人カードの導入や運用を進める中で、「これってどう処理すればいい?」という細かな疑問は少なくありません。
経理担当者だけでなく、利用者や管理者から寄せられる質問に迅速かつ正確に答えられる体制は、トラブル防止や業務効率化に直結します。
ここでは、導入現場や運用中によく聞かれる代表的な質問をピックアップし、実務に即した回答をまとめました。

Q. 法人カードとビジネスカードの違いは何ですか?

一般的に「法人カード」は、会社や団体名義で契約し、法人の銀行口座から利用代金が引き落とされるクレジットカードを指します。
主に法人や個人事業主が対象で、複数枚発行して社員ごとに利用できます。

一方「ビジネスカード」は、個人名義で契約しつつ、事業用利用を想定したカードです。
引き落としは個人口座から行われ、利用額は後で会社へ請求・精算します。
つまり、法人カードは経費精算フロー全体を効率化できるのに対し、ビジネスカードは立替精算が前提となる点が大きな違いです。

Q. 従業員が誤って私的に利用してしまった場合、どう処理すればいいですか?

私的利用分は業務経費として計上できません
処理手順は以下の通りです。

  1. 利用者本人に利用内容を確認し、私的利用であることを確定。
  2. 私的利用分の金額を利用者から会社へ返金してもらう。
  3. 返金時に以下の仕訳を行う(例:消耗品費で誤って計上していた場合)。
借方 貸方
現金 〇〇〇〇 消耗品費 〇〇〇〇

私的利用が頻発する場合は、利用ルールの見直しや利用制限を検討します。

Q. 獲得したポイントやマイルは誰のものになりますか?経理処理は必要?

法人カードで獲得したポイントやマイルは、契約主体である法人の資産とみなされます。

  • 金銭価値がある場合(ポイントで商品券や現金相当物に交換):雑収入として計上します。
  • 経費支払いへの充当や物品交換:値引きとして処理し、対応する費用を減額します。

私的利用を防ぐため、ポイント・マイルの利用方針も社内規程に明記するとトラブル防止になります。

Q. ETCカードの利用料金はどのように処理しますか?

ETCカードが法人カードに付帯している場合も、利用明細に基づき旅費交通費車両費として処理します。

  • 高速道路利用:旅費交通費(営業活動や出張の場合)
  • 業務用車両の通行料:車両費や運搬費

証憑としては、ETC利用明細(オンライン明細や紙の利用証明書)を保存し、インボイス制度対応が必要な場合は、適格請求書発行事業者の発行する明細を取得しておきましょう。

まとめ

法人カードは、単なる経費決済の手段にとどまらず、経理業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)と内部統制の強化を同時に実現できる強力なツールです。
自社に合ったカードを選定し、明確な利用ルールと承認フローを整備することで、経理担当者の負担軽減、社員の立替精算負担の解消、そして経営層によるリアルタイムな経費管理が可能になります。

さらに、クラウド会計や経費精算システムとの連携、利用状況の定期的なモニタリングを組み合わせれば、経費精算業務は大幅に効率化され、経理部門は**「処理型」から「戦略型」へ**役割を進化させることができます。
今こそ、自社の経費管理体制を見直し、法人カードを活用した効率的かつ透明性の高い経理運営を実現しましょう。

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