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上場企業の経理として経験を積んできた30代の方の中には、「このままでキャリアは広がるのだろうか」と感じている方も多いのではないでしょうか。
経理の専門性を高めるだけでなく、より経営に近いポジションを目指すなら、開示資料作成やIR(投資家向け広報)業務への関与が大きな転機となります。
本記事では、上場企業経理が開示・IR領域に携わることでどのように市場価値を高め、キャリアの選択肢を広げられるのかを詳しく解説します。
上場企業の経理としてキャリアを築いてきた方の中でも、中堅社員として活躍する30代の皆様は、日々の業務に追われる中で、自身の市場価値や今後のキャリアについて不安を感じていらっしゃるかもしれません。
特に経理の専門性を深めるだけで、将来の選択肢は本当に広がるのだろうかと、自身のキャリアの先行きに漠然とした課題を感じている方は、開示資料作成やIR業務に携わることで、次のキャリアを大きく広げるための重要な鍵となります。
開示やIRが注目されている大きな理由の一つは、投資家や株主に対する説明責任の強化です。
ガバナンスコードの改定やサステナビリティ開示の義務化など、企業にはより透明性の高い情報開示が求められる時代になっています。
このような背景から、開示やIRは単なる事務作業ではなく、企業の経営戦略そのものと深く結びついた、重要な役割を担うようになりました。
つまり、開示やIRは「経営に近い領域」であり、専門性と戦略性の両方が求められるため、対応できる人材が少なく市場価値の高い、希少なスキルとなっているのです。
30代の経理担当者が開示やIRに関わる場合、主に決算短信や有価証券報告書などの作成に関与するケースが多くなります。
具体的には、自社の業績や財務状況を正確に反映した数値や注記を作成し、開示資料の基盤を固める重要な役割を担います。
また、IR担当者と連携し、投資家向けのプレゼン資料や説明会資料の作成をサポートすることもあります。
30代の上場企業経理の担当者が開示やIRの領域で評価されるのは、単なる日常的な仕訳や決算処理を超えた、経営目線での情報提供や折衝経験です。
特に企業が評価するのは、以下の3つの経験です。
開示やIR経験者が企業から高く評価されるのは、単なる経験だけでなく、その業務を通じて培われた「思考プロセス」と「行動特性」にあります。
特に重視されるのは、「財務数値を第三者にわかりやすく伝える力」と「法令・基準遵守を徹底しつつもスピード感をもって対応する力」の二つのスキルです。
一つ目のスキルは、単に正確な数値を作成するだけでなく、その背景にある事業の状況や戦略的な意図を理解し、投資家や株主といった財務知識に精通していない人にも伝わるように、簡潔かつ明確な言葉で表現する能力です。
これは、経理業務で培った財務分析力と、IR業務で求められるコミュニケーション能力が融合して初めて身につくスキルと言えるでしょう。
二つ目のスキルは、決算発表や有価証券報告書の提出といった厳格なスケジュールと、金融商品取引法などの法令や会計基準を厳守した正確性という、相反する要件を両立させる能力です。
スピーディーかつ正確な対応が求められるこの能力は、多くの企業が求めるスキルです。
これらのスキルは、経理業務をただこなすだけではなかなか身につかない、一段上のレベルのスキルと言えます。
後編では、開示資料作成やIR業務の経験が転職市場でどのように評価されるのかを解説し、職務経歴書や面接での効果的なアピール方法、転職成功事例も紹介します。
後編は、管理部門・士業特化型転職エージェント「MS-Japan」のサイトにて公開中です。
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記事提供元
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