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マリハラ(結婚ハラスメント)とは?職場で見過ごされやすい“結婚プレッシャー”の実態と人事対応

公開日2025/12/03 更新日2025/12/02 ブックマーク数
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マリハラ(結婚ハラスメント)とは?職場で見過ごされやすい“結婚プレッシャー”の実態と人事対応

職場での何気ない「結婚しないの?」「家庭を持ったほうがいいよ」といった発言が、受け手にプレッシャーや不快感を与えることがあります。
こうした言動が、結婚に関する言葉で相手を追い詰める「マリッジハラスメント(マリハラ)」と受け取られるケースも少なくありません。

一見、個人間のやり取りのように見えても、放置すれば離職や職場風土の悪化を招き、企業全体に悪影響を及ぼしかねません。
本記事では、マリハラの定義や発生要因、企業にもたらすリスク、人事・管理部門が実施すべき防止策を整理します。

[ 目次 ]

マリハラ(マリッジハラスメント)とは

マリッジハラスメント(略称:マリハラ)とは、結婚に関する価値観やライフスタイルを他人に押しつけたり、結婚の有無で差別的な言動や扱いをすることを指します。

特徴的なのは、“悪意がなくても成立する”点です。発言者が雑談や気遣いのつもりでも、受け手にとっては心理的な圧力や不快感となる場合があります。

また、対象は性別を問いません。 未婚女性への「早く結婚しなさい」という言葉だけでなく、既婚男性に「家庭があるから残業は無理だよね」と決めつけるような言動も、マリハラにあたる可能性があります。

こうした言動は、個人の生き方やキャリアの選択肢を狭め、職場の心理的安全性を損なう要因にもなります。
人事・管理部門は、結婚観や家族観に関わる発言・行動がハラスメントに該当し得る点を正しく理解しておくことが大切です。

マリハラが起きやすい職場環境と要因

マリハラは、特定の個人の問題ではなく、職場全体の文化や慣習に根づいているケースが多く見られます。

以下のような環境では、特に発生しやすい傾向があります。

プライベートへの干渉が日常化している職場

休憩中や飲み会などで、恋愛・結婚・家族の話題が頻繁に出る。

ジェンダー観が固定化している職場

「男性は稼ぐもの」「女性は家庭を守るもの」といった価値観が根強い。

形式的な研修・対策にとどまっている職場

研修やポスター掲示のみで、現場の理解や行動改善が進んでいない。

昇進・評価に家庭事情が影響する職場

既婚・未婚・子どもの有無によって業務負担や評価を変える慣習がある。

こうした環境では、何気ない一言や冗談が「個人の人生への干渉」となりやすく、被害を訴えにくい構造を生み出します。
特に、“昔ながらの気遣い文化”が残る職場では、マリハラが表面化しにくく、潜在的な問題として放置されやすいため注意が必要です。

マリハラに該当する発言の事例

マリハラは、発言者の意図にかかわらず、受け手の感じ方次第で成立することがあります。
次に、職場で見られやすい具体的な発言例を見ていきましょう。

未婚の社員への発言

「いつ結婚するの?」「いい相手見つけた?」などの言葉は、結婚を“当然の選択”と押しつけるものであり、相手の生き方を否定する結果になりかねません。

既婚社員への発言

「子どもはまだ?」「家庭があるのに転勤は難しいよね」など、私生活や家庭計画に踏み込む発言はプライバシーの侵害にあたります。
本人の意思を確認せずに業務制限をかけることも問題です。

離婚・独身者への発言

「一人で寂しくないの?」「次はうまくいくといいね」といった言葉は、過去の事情を茶化したり、再婚を前提に話す行為であり、相手を深く傷つけるおそれがあります。

同僚間の会話・噂話

「あの人、まだ独身なんだって」「家庭があるから残業は無理だよね」などの噂や決めつけは、偏見を助長し、職場の人間関係を悪化させる要因となります。

マリハラが企業にもたらすリスク

マリハラは個人間の問題にとどまらず、放置すれば離職や職場風土の悪化、企業の信頼低下へとつながります。
管理部門は、次の4つのリスクを把握しておくことが欠かせません。

離職リスク

プライベートを尊重しない風土は不信感を生み、社員の離職や人材流出につながります。
特に結婚や出産のタイミングにある社員が退職すると、採用・育成コストの増大も招きかねません。

心理的安全性の低下

結婚観などを茶化すような職場環境では、意見を言いづらくなり、チームワークや生産性が低下します。
管理職研修や1on1ミーティング(1対1面談)などを通じて、安心して発言できる風土を整えましょう。

プライバシー侵害

結婚や家庭などの私生活に踏み込む発言は、法的トラブルに発展するおそれがあります。
面談時の発言内容を記録し、ルールを明文化するなどして、防止策に取り組んでいきましょう。

人的資本開示への影響

マリハラがある職場では、エンゲージメントやダイバーシティ(多様性)に関する指標が低下し、企業の信頼を損ないます。
法令順守にとどまらず、人的資本経営の観点からも、継続的な対策が求められます。

マリハラに似ているハラスメントの種類

マリハラを防ぐには、結婚に関する言動だけでなく、職場で起こりやすい他のハラスメントとの共通点や違いを理解しておくことが重要です。
以下では、管理部門が押さえておくべき主要なハラスメントの種類を整理します。

セクハラ(セクシュアルハラスメント)

性別や性的指向に基づき、相手の意思に反して性的な言動・行為を行い、身体的・精神的な苦痛を与えるハラスメント。
例:性的な冗談を強要する/職場での性的なあだ名で呼ぶ/異性への不適切な身体接触など

パワハラ(パワーハラスメント)

職場での優越的な立場(上司・先輩など)を利用し、仕事上の適正な範囲を超えて、身体的・精神的苦痛を与える言動を指します。
例:理不尽な叱責・暴言/能力を無視した過剰な業務負荷/つきまとうような監視行為など

マタハラ(マタニティハラスメント)

妊娠・出産・育児を理由に、女性従業員に対して嫌がらせを行ったり、休暇取得を阻害するような言動・制度運用を指します。
例:妊娠を報告したことで配置変更を通告される/育休取得をためらわせる雰囲気がある/育児と仕事を両立する意欲を否定されるケースなど

同僚間パワハラ

上司と部下の関係ではなく、同僚間の優位性やグループ内の力関係を背景として起こるハラスメントです。
例:同じ階級の社員が、複数で一人を無視したり、仕事を押しつける/「皆やってるから」「お前だけ違う」など

ジタハラ(時間外労働ハラスメント)

時間外労働や勤務時間をめぐり、私生活に干渉したりプレッシャーを与える行為を指します。
例:既婚・未婚を問わず「家庭があるから残業できるよね」といった前提で残業を強いる、定時退社をよしとしない風土など

パタハラ(パタニティハラスメント)

男性従業員が育児・出産・育休を取得・活用したり、家族に関わる事情を理由に業務量・昇進機会などで不利益を受けるハラスメントです。
例:男性が育休を相談したら「男なら働いて当然」「家庭事情で早退?無理だろ」と言われる/子育てを理由に排除されるなど排除されるなど

管理部門・人事が実施すべきマリハラ防止策

企業には、「労働施策総合推進法」に基づく職場環境整備義務があります。この義務を果たさずマリハラを放置すると、法的リスクを招く可能性もあります。
管理部門・人事は、マリハラの発生を未然に防ぐとともに、万一の際にもすぐに対応できる体制を構築する必要があります。ここでは、実務で取り組むべき2つの防止策を整理します。

①教育・研修の実施

ハラスメント防止の基本は、「知らないうちに加害者にならない」ための教育です。
マリハラは、悪意がなくても発生するケースが多いため、社員一人ひとりが「どのような発言が不適切か」を理解しておくことが欠かせません。
実務では、以下のような研修を定期的に実施することで予防効果が高まります。

  • 全社員向け研修:ハラスメントの定義や事例を学ぶ集合研修・eラーニングを実施します。
  • 管理職向け研修:面談・雑談時の注意点や、部下から相談を受けた際の初期対応方法を学びます。
  • 新入社員向け研修:入社時に、企業の価値観・行動規範としてマリハラ防止の考え方を伝えます。

特に管理職は「職場の空気づくり」を担う立場です。

無意識の言動が部下への圧力にならないよう、実際の事例を交えたケーススタディ研修を行うと理解が深まります。

②ハラスメント相談窓口や通報体制を整備

マリハラ防止の実効性を高めるには、社員が安心して声を上げられる仕組みが不可欠です。単に窓口を設けるだけでなく、「相談しても不利益を受けない」「内容が外部に漏れない」といった安心感を社員に持ってもらうことが重要です。
以下のような体制が望まれます。

  • 社内外の複数窓口を設置する(人事・外部委託ホットラインなど)
  • 匿名・記名いずれの相談にも対応できるようにする
  • 相談対応者に守秘義務・対応ルールを徹底する
  • 相談後のフォロー体制(再発防止・被害者ケア)を明示する

また、相談記録や対応経過を適切に保存し、再発防止策へつなげることも人事部門の重要な責任です。
これらの仕組みを明文化し、定期的に周知・見直しを行うことで、相談しやすい職場風土をつくることができます。

まとめ

マリハラは、悪意のない言動からも発生し得るハラスメントです。放置すれば、離職や心理的安全性の低下、企業イメージの損失につながりかねません。

特に管理職や人事部門は、マリハラ防止の中心的な役割を担う立場にあります。就業規則での明文化や研修による意識づけ、相談窓口の整備、アンケートによる実態把握など、複数の施策を組み合わせて進めていきましょう。
結婚観やライフスタイルの多様化が進む今、誰もが安心して働ける職場づくりが、企業の信頼と人材定着を支える確かな基盤となります。

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