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どの会社にも欠かせない重要な業務のひとつに経理業務があります。専門的な業務だからこそ、経験すればするほどに一生通用するスキルが身につきますが、一朝一夕にはいきません。一般的にある程度認められる経理のスキルが持てるようになるには、3年かかるといわれているからです。今回は、経理部員の育成や、未経験者と経験者を育成する時の違いについて見ていきましょう。
会社の中で他部署の社員から見れば、経理部署は「給与・保険料の計算や経費精算、源泉徴収」をしてくれるぐらいのイメージかもしれませんが、経理業務はそれだけのルーチンワークではありません。
日常の入出金管理を行うことはもちろんですが、月、半年、1年ごとに行う決算対応から固定資産の管理・税務対応まで、範囲の広い仕事内容になります。場合によっては、IR活動にまで及ぶ深いところにまで関わることもあり、会社の資産状況に関しては、より経営者と同じ目線を求められることもあるでしょう。
同じ経理業務といっても、会社の規模によって携わる業務の範囲は違い、業種によっても違いますが、経理業務を日常、月、半年、1年ごとにまとめると主に次のような業務になります。
| 日常業務 | 現金出納管理、立替経費の精算、伝票管理、会計帳簿記帳、仕入・売上管理、預金管理など |
| 月次業務 | 経費精算、月次決算、給与計算、各種税金・保険料の計算・納付、請求書の発行・発送、入金・支払の確認など |
| 年次業務 | 年次決算、年末調整、各種税金・保険料の計算・納付、実地棚卸、減価償却など |
会社の規模が小さいほど、一人の経理担当者が抱える業務範囲は大きくなる傾向だといえるでしょう。反面、大企業では一人の経理担当者の守備範囲は狭まる傾向にありますが、高度な専門的スキルを求められることになります。
各業務の一つひとつをマスターすることも大変ですが、これら一連の流れを覚えて処理していくことは、1年の流れを何回か対応しなければ身につけることはできません。
経理担当者を育成する時、新卒社員と途中入社社員では、同じ経理未経験者でもスタート時の処遇に差があるかもしれません。なぜなら、社会人として働いた経験の有無によって、判断に差が出る可能性があるからです。
新卒社員では数々の研修を行ってから実務に就かせるまで、時間的な余裕を持たせながら育てていくものですが、途中入社社員では、未経験者といっても即OJT(On The Job Training)教育での実務になります。
未経験から始まる経理業務のスキルアップは、多くの場合、データ入力や入出金管理などという初歩的な日々の処理を間違えることなく、コツコツと目の前の業務をしっかりこなすことの積み重ねからスタートします。営業のように、今日これだけ数字(実績)を上げたという、一足飛びのような目に見えるものではないからです。
日々のミスをなくすには勝手な自己判断をしないことが、経理業務を続けていく上での基本姿勢になります。このように、ゼロから一人の経理担当者を育成するには、時間がかかることを心得ておきましょう。
未経験者でも絶対に持っていたほうが良い資格として、「日商簿記検定」があります。経理担当者になるなら誰でも持っているというような王道の資格です。4級から1級まであり、実務で本当に役立つレベルは2級以上、1級になれば税理士試験の受験資格も得られます。自分の実力確認にもなるので、新卒社員にも受けさせると良いでしょう。
経験者が途中入社で経理担当者になった場合、一通りの流れはわかっているものと考え、即戦力として期待します。
経験者の育成となれば、管理職も視野に入れての指導が考えられます。最初から管理職候補として募集する場合もあり、そうでなくても実力が認められれば、数年で管理職候補として期待されることもありそうです。育成に加え、自主性を主体としたスキルアップを求めることもあるでしょう。経験があればあるほど、経理の知識にプラスする能力も必要になっていくからです。
スキルアップしていくために役立つ資格は、経理業務に直結する資格、間接的な資格に分かれますので、どこまで取得させるかは、状況に応じて検討すると良いでしょう。
以下に、主なスキルアップ資格を挙げておきます。
【経理業務に直結する資格】
・簿記
・FASS検定
・PASS検定
・給与計算実務能力検定
・電子会計実務検定
・ビジネス会計検定
・公認会計士
・税理士
・BATIC(国際会計検定)
・USCPA(米国公認会計士)
【間接的な資格】
・ファイナンシャルプランナー
・TOEIC
・英検
・MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
・日商PC検定
・文書情報管理士
・ビジネス文書検定
・秘書技能検定
経験者の場合、上司あるいは経営者が事前に本人のキャリアパスをヒアリングし、取得した資格を生かせるような仕事を任せることでモチベーションアップを図ることが可能です。
いかにして能力をアップさせ、仕事にフィードバックさせるかがマネジメントのキーポイントになるでしょう。
経理業務は、経験を重ねて年齢を経るほどに活躍が期待できます。モチベーションを上げ、活躍できるポジションを作るのは、会社側の仕事です。最終的に会社の利益となるようにするためにも、明確なキャリアアップの社内基準を設け、優秀な人材を育成するシステムを確立していきたいものです。
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