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決算月は、会計・税務の都合だけでなく、資金繰りや人事、取引先との調整など企業活動全体に影響する重要な設計要素です。
中でも日本では3月決算が多数派ですが、その背景と、自社にとっての最適性は、改めて整理しておきたいポイントです。
本記事では、決算の基本から3月決算が多い背景、決算時期ごとのメリット・デメリットを実務目線で解説し、決算月を見直す際の判断軸と変更手続きまでまとめます。
決算とは、企業が一定期間の事業活動を締め切り、その期間における収益・費用や資産・負債の状況を整理し、確定する一連の手続きを指します。
日々の取引を集計・整理し、財務諸表(損益計算書・貸借対照表など)を作成することで、企業の経営成績や財政状態を明らかにします。
日本の企業では、原則として1事業年度につき1回の年次決算を行います。
事業年度の最終日を「決算日」、その属する月を「決算月」と呼び、会社設立時に定款で定めます。
決算月は法律上、特定の月に限定されるものではなく、各企業が事業内容や業務サイクルに応じて自由に設定できます。
決算は、税務申告のためだけの手続きではありません。
決算書は、法人税等の計算根拠となるほか、金融機関からの融資判断、株主や投資家への情報開示、さらには次年度の経営計画や予算策定の基礎資料としても活用されます。
このように、決算月の設定は、単なる形式的な問題ではなく、企業運営全体に関わる重要な検討事項の一つです。
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日本の企業では、他の月より3月決算を選ぶ割合が高いという傾向があります。
国税庁の統計によると、決算月を3月に設定している法人は、他の月と比較して最多であり、普通法人数の約18%が3月決算で最も多く、次いで9月決算、12月決算と続きます。
これは任意で決算月を選べる中でも顕著な偏りです。
なぜ3月決算が多いのかには、いくつか社会・制度的背景が関係しています。
主な要因は以下の3点です。
日本の政府や地方自治体の会計年度は4月1日〜翌年3月31日と定められており、これが教育機関の年度や多くの公共機関の予算サイクルと一致しています。
この年度サイクルと合わせることで、予算申請や補助金・助成金の申請、取引先との調整が比較的スムーズになると考えられています。
日本では税制改正は4月1日施行のものが多く、年度替わりに制度対応をまとめやすい点が、3月決算が選ばれる理由の一つとされています。
日本の学校制度では、高等学校や大学などの多くが3月を学年末・卒業月としています。
その後4月に新年度が始まり、企業でも4月に入社する新卒社員が多い傾向です。
このような社会全体の「年度サイクル」と企業の事業年度を合わせることで、人事異動や採用、研修・評価の計画を立てやすくする狙いもあります。
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3月決算は、日本企業で最も多く採用されている決算時期です。
社会全体の年度区切りと一致する点などから利便性は高い一方で、実務面では注意すべき点も存在します。
ここでは、管理部門の運用や外部専門家との関係といった観点から、3月決算の主なメリット・デメリットを整理します。
3月決算は、国や自治体、教育機関の年度(4月〜翌年3月)と一致するため、補助金・助成金の申請、人事評価や予算管理などを年度単位で整理しやすいという特長があります。
社内外で「年度」という共通認識を持ちやすく、説明や調整が比較的スムーズに進みます。
多くの企業では、4月を起点に新卒入社や人事異動、組織改編が行われます。
3月決算とすることで、期末に業績を確定し、その結果を踏まえて次期の人員配置や予算配分を検討する流れを組み立てやすくなります。
経営判断と人事施策を一体で考えやすい点は、3月決算ならではの利点です。
3月決算企業が集中することに加え、同時期は個人の確定申告とも重なるため、税理士や会計事務所にとっては年間でも特に業務が立て込む時期です。
その結果、決算内容について十分な相談時間を確保しにくかったり、対応スケジュールがタイトになったりする可能性があります。
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3月は決算業務に加え、人事異動対応、予算策定、引き継ぎなどが重なりやすい時期です。
経理・人事・総務など複数の管理部門で業務負荷が高まりやすく、体制によっては残業増加やチェック不足のリスクが生じる点には注意が必要です。
3月決算は日本では一般的ですが、すべての企業にとって最適とは限りません。
実務負担の平準化や事業特性への適合を目的として、あえて3月以外を決算月に設定する企業も多く存在します。
ここでは、3月以外の決算月を選択した場合に考えられる主なメリット・デメリットを整理します。
3月決算が集中する時期を避けることで、税理士や会計事務所の繁忙期と重なりにくくなります。
決算内容の確認や税務上の論点について、比較的余裕をもって相談できる点は大きなメリットです。
結果として、決算対応のスケジュール調整がしやすくなり、実務の質向上につながるケースもあります。
業種によっては、3月が売上や業務のピークとなる場合も少なくありません。
決算月を閑散期に設定することで、棚卸や決算整理といった負荷の高い作業を落ち着いた時期に行えるため、現場業務への影響を抑えやすくなります。
たとえば、海外企業との取引が多い場合は12月決算とすることで、取引先の決算期と足並みを揃えやすくなります。
3月決算以外の場合、国や自治体、教育機関などの年度区切りと一致しないため、補助金・助成金の申請時期や社内の予算管理、人事評価のタイミングを別途調整する必要が生じることがあります。
取引先の多くが3月決算の場合、業績報告や契約更新のタイミングがずれ、資料作成や説明対応が増える可能性があります。
特にグループ会社や主要取引先との連携が強い企業では、決算期の違いが実務負担につながることもあります。
人事異動や組織改編、年度予算の見直しなどを4月起点で行っている企業では、決算月が異なることで管理指標の整理や社内説明に工夫が求められます。
決算と人事・予算のサイクルが分離する点は、事前に考慮しておく必要があります。
決算月(事業年度)は、会社設立時に定款で定めますが、後から変更することも可能です。
ただし、決算月の変更は社内手続きだけで完結するものではなく、一定の法的手続きや対外的な対応が必要となるため、流れを理解したうえで進めることが重要です。
決算月を変更する場合、一般的には次のような手続きを行います。
1.株主総会での特別決議
決算月は定款記載事項にあたるため、株主総会での特別決議により定款変更を行います。
特別決議には、原則として議決権の3分の2以上の賛成が必要です。
2.定款の変更および議事録の作成
株主総会で決議された内容をもとに定款を変更し、あわせて株主総会議事録を作成します。
これらの書類は、後続の届出や確認の際に必要となります。
3.税務署への届出
決算月を変更した場合は、所轄の税務署へ「異動届出書」を提出します。
これにより、税務上の事業年度も正式に変更されます。

オーナー会社や小規模企業の場合、形式的な手続き自体は比較的シンプルですが、実務面での対応漏れには注意が必要です。
・金融機関や取引先への連絡
決算月の変更は、融資審査や契約更新のタイミングに影響することがあります。
主要な取引先や金融機関には、事前または速やかに変更内容を共有しておくと安心です。
・許認可・届出業務への影響
建設業などの許認可事業を行っている場合、所管官庁への届出が必要となるケースがあります。
業種特有のルールがないか、事前に確認しておくことが重要です。
・経過期間の扱い
決算月を変更すると、事業年度が通常より短くなったり、長くなったりする「変則決算」が発生します。
税務・会計処理が通常と異なる点については、専門家と相談しながら進めるのが望ましいでしょう。
決算月は、法律上は自由に設定できますが、実務や経営への影響は小さくありません。
「多くの企業が3月決算だから」「慣習的に問題なさそうだから」といった理由だけで決めてしまうと、後から資金繰りや業務負担の面で不都合が生じることもあります。
決算月を決めるうえで、まず意識したいのが資金繰りです。
法人税や法人事業税、法人住民税、消費税などの税金は、原則として事業年度終了日の翌日から2か月以内に申告・納付する必要があります。
そのため、決算月の選択は「税金を支払う時期」をいつにするか、という判断でもあります。
仕入れ代金の支払いや賞与の支給など、資金流出が重なる時期と納税期限が重なると、資金繰りに余裕がなくなる可能性があります。
自社のキャッシュフローを踏まえ、無理のないタイミングかどうかを確認しておくことが重要です。

経理業務に欠かせない税金の申告・納付期限や、各種書類の提出期限をまとめた「経理の年間業務カレンダー」です。 GoogleカレンダーやOutlookカレンダーに取り込めるICS形式のため、普段使用しているカレンダーにそのまま追加することが可能です。 各期限には公的機関の詳細ページへのリンクも付いており、都度調べる手間を省きながら、日々の経理業務を効率的に管理できます。 ※本カレンダーに掲載している各種期限・日程は、法令改正や行政対応等により変更される場合があります。内容の正確性には十分配慮していますが、本カレンダーの情報を利用したことによって生じた損害等について、当社は一切の責任を負いかねます。
無料でダウンロードする決算期には、帳簿の締め作業や棚卸、決算書類の作成、株主総会対応など、通常業務とは別の負担が発生します。
そのため、自社の繁忙期と決算期が重なると、現場・管理部門ともに業務が逼迫しやすくなります。
業界特有の繁忙期や季節変動がある場合は、できるだけ業務量が落ち着く時期を決算月とすることで、決算作業を計画的に進めやすくなります。
設立間もない企業の場合、決算月の設定によっては、消費税の納税義務が免除される期間に影響が出ることがあります。
資本金1,000万円未満の法人は、原則として設立第1期・第2期が免税期間となるため、事業年度の取り方次第では、その期間を実質的に長く確保できる場合があります。
一方で、インボイス制度への対応として適格請求書発行事業者の登録を行うと、設立初年度から課税事業者となります。
この点は、自社だけでなく取引先の状況や事業内容も踏まえ、慎重に判断する必要があります。
決算期に負荷がかかるのは、経理部門や経営層だけではありません。
生産・物流部門では棚卸作業が発生し、営業部門やマーケティング部門では期末目標の達成に向けた対応が集中することもあります。
決算書作成に必要な資料や伝票の回収も、各部門の協力が不可欠です。
そのため、決算月を決める際は、会社全体として業務負担が集中しすぎないかという視点で検討することが大切です。
季節によって売上が大きく変動する業種では、売上が伸びる時期と決算期の関係も重要な判断材料となります。
売上のピークを期首付近に持ってくることで、年間を通じた業績予測が立てやすくなり、早い段階で改善策や投資判断を検討しやすくなるケースもあります。
また、期全体の見通しが早期に立てば、利益水準を踏まえた節税対策を検討する余地も広がります。
決算月は「多くの企業が3月だから」という理由だけで決めるものではありません。
確かに3月決算には、社会的な年度区切りと整合しやすいなどのメリットがありますが、一方で業務集中や専門家の繁忙期と重なるといった課題も存在します。
重要なのは、自社の資金繰り、本業の繁忙期、人事・予算管理のサイクル、税務上の影響などを総合的に踏まえたうえで判断することです。
慣習に流されず、自社にとって最も合理的なタイミングを選ぶ視点が、安定した企業運営につながります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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