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金融庁は、金融機関のコンプライアンス・リスク管理について、経営陣等との対話を重ねながら実態を把握する動きを実施。課題や傾向について、2019年6月現在の金融機関における「コンプライアンス・リスク管理に関する傾向と課題」として取りまとめて公表しました。
目次【本記事の内容】
金融庁は、平成30年6月29日に公表した「金融検査・監督の考え方と進め方(検査・監督基本方針)」についてパブリックコメントを募集し、平成30年10月15日に基本方針を策定しました。
寄せられたパブリックコメントには、コンプライアンス・リスク管理の具体的な事例をはじめ、金融機関が抱える課題などが寄せられました。
その中には、課題を克服していく対応策として、参考にすべき要素もたくさん含まれていたようです。浮かび上がった課題や具体的事例を整理したものが、「コンプライアンス・リスク管理に関する傾向と課題」として公表されました。
金融機関は、異次元緩和による超低金利政策で収益環境が悪化し、現在さまざまな課題を抱えています。
真っ先に求められるのは、収益力をアップしていく体制の構築です。そのために、経営統合なども視野にいれていく必要も出てきています。
とくに厳しい状況にさらされているのが地方銀行です。異次元緩和やマイナス金利などの影響で、2019年3月期決算は、7割の上場地方銀行が減益、もしくは最終赤字となるなど、危機的状況にあるといっても過言ではありません。
企業の経済活動をはじめ個人の生計の支えでもある金融機関には、より強くコンプライアンスへの意識が求められています。
しかし、多くの課題や悩みを抱えながらも、創意工夫をしながら取り組んでいる金融機関が存在する一方で、経営陣を含む役職員が、法令等の既存のルールを遵守していれば足りるという発想にとどまっている事例も、残念ながら多く見受けられるようです。
コンプライアンスへの意識の低さが指摘されるようなトラブルが発生すると、利用者の信頼は低下し、企業としての存在価値が問われることにもなりかねません。それだけに金融機関はコンプライアンスに敏感になっているといえるでしょう。これは一般企業にも当てはまります。
たとえば、信用低下につながるような事例の一部を紹介すると、下記のようなことです。
経営トップが、いくらコンプライアンス・リスクを的確に認識し、正しい姿勢で経営に臨んでいたとしても、実際に業務を行う役職員全員にそれが浸透していなければ、組織として適切にコンプライアンス・リスク管理を行うことはできません。
法務担当者、総務担当者は、コンプライアンス・リスク管理の意識を強く持ち、社員にも広く浸透させていくことが求められます。
企業を取り巻く環境は、大きく変わろうとしています。昔は通用していた慣習も、今は通用しない、あるいは法令に違反となることもあります。一人ひとりが意識を高く持ち、ルールに則った適切な対応を行うよう、今一度会社全体で確認しましょう。
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