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経済産業省から、平成30年度の「消費者相談の概況」が公表されました。消費者から寄せられた、商品やサービスについての苦情や相談などの内容や傾向をまとめたものですが、消費者の信用を裏切らないためにも、管理部門の担当者は確認しておきましょう。
平成30年度の経済産業省消費者相談室の消費者相談件数は7,163件で、平成20年度以降、11年連続で減少しています。
相談者の属性は、本人からの相談が3,476件と半数近くを占め、消費者生活センターからの相談(法律解釈の照会や情報提供)が3,024件となっています。
相談者を年代別(年齢が判明している分)に見ていくと、50歳代が747件、40歳代が638件、60歳代が615件、70歳代以上が453件、30歳代が411件の順になっています。
相談の内容では、前年より増加しているのが割賦関係(993件)と特定商取引法関係(4,108件)で、先物取引(22件)は横ばいとなっています。減少傾向を見せているのが、その他の契約(416件)、製品関係(485件)、個人情報(43件)、その他(1,096件)です。
全体の半数を超える特定商品取引法関係の取引形態は、訪問販売(1,182件)、電話勧誘販売(557件)、特定継続的役務(615件)が増加し、減少しているのは通信販売(1,136件)、連鎖販売取引(363件)、業務提供誘引販売取引(116件)の相談です。
平成30年度に寄せられた消費者相談の特徴を見ていくと、全体の相談件数が減少傾向にある中で、「割賦関係」の相談が、前年度から106件増加し、平成25年度以降、最も多い993件となっています。
このうち、改正割賦販売法に関する相談は138件(前年度比91.7%増)と、著しい増加となっています。具体的事例としては、「解約したいが事業者(加盟店)と連絡がとれない」「クレジットカードの不正利用にあった」などです。
また、1,182件と平成30年度で最も多かった訪問販売の相談では、住宅リフォームに関するトラブルが310件寄せられています。業者が突然訪れ、屋根に上って瓦の応急措置が必要と、契約を迫るという手口が目立っているようです。
「簡単に稼げる」といった、投資や副業の儲け話による、いわゆる情報商材に関する相談が、前年より5割増というのも、平成30年度の特徴といえるでしょう。「仮想通貨で高収入」など、今の時代を象徴するような相談も増えているようです。
時代を象徴するといえば、通信販売に関する相談もチェックしておく必要がありそうです。相談件数は1,136件と、前年より77件(前年度比6.3%減)減少していますが、訪問販売に次いで相談件数が多い取引形態です。
なかでも、インターネットを利用した通信販売に関する相談が約8割を占め、解約や広告表示に関する相談が、そのうちの約6割を占めています。
具体的な相談内容は、「分かりにくい申し込み画面で、お試しのつもりで申し込んだ商品が定期購入になっていた」 、「定期購入契約の総額表示がされていなかった」、「解約したいのだが、インターネット通販サイトに住所や電話番号等の記載がない」、「記載された電話番号にかけてもつながらず、メールをしても返信がない」など、詐欺まがいの商法もあるようです。
個人情報に関する相談件数は43件で、前年度から18件減少し、全相談件数に占める割合は、わずか0.6%です。内容としては個人情報の管理に関する相談がほとんどであり、「個人情報 が漏洩している」、「個人情報を目的外に利用されている」、「事業者が個人情報の削除に応じてく れない」などが寄せられているようです。
個人情報保護に関する相談件数が少ないのは、個人情報保護法(平成29年5月30日施行)により、問合せや漏洩など対応は、原則、個人情報保護委員会に一 元化されているからでしょう。
消費者の立場になり、まっとうなビジネス展開をしている企業にとっては、経済産業省の「消費者相談の概況」など、無縁のものでしょう。しかし、わずかな綻びから、消費者の信用を損ねてしまうこともあります。転ばぬ先の杖ではありませんが、常に自社の製品やサービス、取引形態に係るリスクをチェックしておくために、「消費者相談の概況」に目を通しておくことをおすすめします。
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