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内部統制や内部監査という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。
ビジネスに関わる人なら知っておきたい言葉です。今回は、内部統制・内部監査の違いや役割について解説します。
また、内部統制部門への転職を検討している方向けに、必要なスキルや経験なども紹介しています。
内部統制や内部監査について気になる方は、参考にしてみてください。
内部統制とは、簡単に言うと会社が健全に事業活動を遂行するためのルールや仕組みのことです。
そのため、基本的には全社員が関わります。
言葉だけ聞くと難しいように思いますが、業務レベルに落とし込むと例えば書類の不備がないようにダブルチェックするなどの仕組みも内部統制の一つにあたります。
内部監査とは、内部統制がしっかり機能しているかチェックをすることです。
つまり、内部統制の仕組みの一つを指します。
内部統制を理解するためには、4つの目的と6つの要素を理解しておくことが肝心です。
金融庁が公表している「企業会計審議会第15回内部統制部会」によると、内部統制の4つ目的は下記となっています。
①業務の有効性及び効率性
事業活動の目的の達成のため、業務の有効性及び効率性を高めること
②財務報告の信頼性
財務諸表及び財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性のある情報の信頼性を確保すること
③事業活動に関わる法令等の遵守
事業活動に関わる法令その他の規範の遵守を促進すること
④資産の保全
資産の取得、使用及び処分が正当な手続及び承認の下に行われるよう、資産の保全を図ること
そして6つの要素は以下の通りです。
①統制環境
②リスクの評価と対応
③統制活動
④情報と伝達
⑤モニタリング
⑥IT(情報技術)への対応
この内、内部監査とはモニタリングの一つと考えられています。内部統制の目的を達成するためには、これら6つの要素が有効に機能していることが必要です。
なお、金融商品取引法における内部統制報告制度というものもあります。内部統制報告制度は、J-SOXのことです。アメリカにはSOX法という制度があります。
この日本(Japan)版ということでJ-SOXと呼ばれています。
内部統制報告制度は、金融商品取引所に上場している会社が対象の制度です。
簡単に言うと、財務計算書を適正に作成するための体制が整っていることを証明する内部統制報告書を、事業年度毎に有価証券報告書とあわせて内閣総理大臣に提出すること、そしてそれらが適正か外部の公認会計士・監査法人による監査を行うことを義務付けています。
内部統制が注目される背景には、相次ぐ日本企業の不祥事が挙げられます。
不祥事と聞くと莫大な損害が発生した事件を思い浮かべる方がいるかもしれませんが、ごく普通の社員が起こした不正報告なども不祥事です。
また、SNSを通じた内部告発により、今まで不正が見過ごされていたことが分かり、多くの企業が内部統制の強化を重視するようになっています。
内部統制は、大きく予防的な統制と発見的な統制の2種類があります。
予防的な統制はリスクがそもそも起きないように手段を講じること、発見的な統制はリスクを伴う事象が発生したことに早期に気づくための仕組みを作ることです。
この2種類がうまく機能すると、不正が発生しやすい機会・リスクを減らして不祥事の芽を摘みながら、業務全体が可視化されて健全な事業活動へと導くことができます。
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