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経済産業省は毎月1回、社会的に関心の高い日本産業規制(JIS)の制定、改正を紹介していますが、2019年10月期に画期的なJIS規格制定が行われ話題を呼んでいます。それが「市場・世論・社会調査及びデータ分析サービス」に関するJIS規格です。今回は、なぜこの市場調査分野におけるJIS規制制定が社会的に注目されているのか、JIS化されて何がどう変わるのか、について詳しく解説します。
目次【本記事の内容】
JISとはJapanese Industrial Standardsの頭文字を取ったもので、日本の産業製品やサービスに関する規格、測定法等を定めた国家規格のことです。家電や自動車といった産業製品の生産に関わる規格に加え、プログラムコードや情報処理、サービスに関係した規格もあります。こうした規格化を行うメリットとしては、①互換性の確保、②不必要な品種を減らして量産化しやすくできる、③取引の単純化、④新技術の開発促進及び普及の支援、⑤消費者の安全性や健康維持、⑥環境保全、等が挙げられるでしょう。規格を設けずに自由に放任すると、企業の作りだす製品・サービスが多様化、複雑化、無秩序化し、消費者の健康や地球環境に被害を与えるような製品が市場に出回る恐れもあります。JISはそれを未然に防ぐために設けられているわけです。
例えばJISでは、トイレットペーパーの紙幅が114mm、真ん中の空洞部分の直径は38mm、直径がロールの状態で120mm以下と規格化されていますが、このおかげで消費者はどのメーカーの製品を購入しても、自宅にあるホルダーに取り付けることができるのです。もしこうした規格がなかったら、消費者はいちいち自宅のホルダーに合う製品を探して購入しなければならず、大きな手間がかかってしまいます。規格を設けることにより、こうした消費者の不利益を解消することができるのです。
もともとJISは、主に工業製品を対象とする「工業標準化法」を基盤としていましたが、2019年7月に根拠法が「産業標準化法」へと改められ、製品だけでなくデータ、サービス等にも標準化の範囲が拡大されました。
JISは常に制定・改訂が行われていて、2019年10月には新たに8件の制定、10件の改定が行われました。しかし中でも特に重要とみなされているのが、7月の制度改正によって対象となったサービスに関するJISである「市場・世論・社会調査及びデータ分析サービスに関するJIS制定」です。このJIS規格は市場調査サービスを対象として定めたもので、多様な調査方法に共通する要求事項を規定した「本文(JISY20252)」と、各種調査方法別に整理されている「付属書」とで構成されています。付属書が作られているのは、以下の6つの調査方法です。
①付属書A:アクセスパネル(将来的にデータ収集に協力することを表明している潜在的対象者の標本データベース)を含むサンプリング(例:調査対象者の抽出、調査モニター組織の管理運営等)
②付属書B:フィールドワーク(例:家庭訪問による面接調査、座談会方式による調査等)
③付属書C:物理的観察(例:車両交通量のカウント調査等)
④付属書D:デジタル的観察(インターネットやソーシャルメディアを使ったデジタルデータの収集と分析等)
⑤付属書E:自記入式(郵送による調査、インターネット上での調査、日記式調査等)
⑥付属書F:データ管理及び処理(収集されたデータの集計、統計解析等)
各種市場調査を実施し、企業等に調査結果を提供するサービスを提供している事業者は、今後これら新たなJIS規格に従うことが求められます。特に近年、インターネット上で行われるアンケート調査等は多く行われていますが、これらJIS規格に従ったプロセスで調査が行われることで、より正しい情報の提供が期待されるわけです。
世界の市場調査業界には、既に「ISO20252」という品質管理基準が設けられていました。これまで日本で行われている各種公的統計は、全てこの基準に従って作られています。それが今回の規制により、日本産業規格として「JISY20252」となったのです。ISOをJIS化したサービス業としては第1号となりました。
では、市場調査業を営む日本企業がJISY20252をクリアすると、どのようなメリットが得られるでしょうか。まず、企業が提供する市場調査サービスに対する国内での認知度、理解度が高まります。日本における取引の場合、公的認証であるJISの認定を受けていることはサービスの信頼性向上につながるでしょう。また、日本の公的統計分野において、調査プロセスの適正さを保証することにも貢献します。JISという「日本におけるお墨付き」を貰うことは、「品質重視」の市場調査会社であることの証となり、行政機関が発注する調査業務への参入しやすくなるでしょう。
市場調査業は顧客・社会からの信頼性が重要であるため、今後はJIS規格を取得しているか否かが、同業界における信頼度の測定基準となるでしょう。JISY20252が導入され、普及することにより、国内の各調査機関とその利用者の間で調査プロセスに関する正しい理解が広まり、より適切なサービスが提供されることが期待されます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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