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4月に入り新年度を迎えるにあたり、昇進や人事異動などの理由で現在の部署を離れることになる経理担当者も多いことでしょう。また、年度の区切りにかかわらず、キャリアアップのために転職を視野に入れている経理担当者もいるかもしれません。
職場を離れる際に気をつけておきたいことの一つに、業務の引き継ぎがあげられます。経理に限った話ではありませんが、特に中小企業の経理に関しては、幅広い業務を1人でこなしているケースも少なくありません。新しい担当者から頻繁に質問の電話などを受けないようにするためには、きちんとした引き継ぎを行っておくことが重要です。
経理業務には、現預金管理・経費精算・伝票や帳簿への記入などの日次業務をはじめ、月次で行う売掛金の計上記録や請求書の発行、年に一度の確定申告や決算業務など、1年間にわたってさまざまな仕事が存在します。
それぞれの期日に間に合わなければ、取引先に迷惑をかけたり、遅延にかかる税が発生したりするなど、トラブルに発展する恐れもあるでしょう。また、細かい業務の仕方は企業ごとに異なるため、仕訳のタイミングや決算業務のルールなどが分からなければ、社内を混乱させることにもなりかねません。
引き継ぎにおいてこのような問題を解決していくためには、一連の作業を新しい担当者に経験してもらい、作業のタイミングや企業のルールなどを肌で感じてもらう必要があるでしょう。直接指導できる期間が長いほど、後任からの質問などにも余裕をもって対応できるため、身につけてほしいノウハウをしっかりと吸収してもらえます。
四半期決算への対応や試算表の作成など、月次業務までは身につけてもらいたいと考えるなら、最低でも3ヵ月間は引き継ぎ期間が欲しいところです。しかし、実際には引き継ぎで3ヵ月も費やせるケースは稀であり、場合によっては1週間程度しか引き継ぎできないこともあるでしょう。
満足な引き継ぎ期間がとれない場合に有効なのが、マニュアルの作成です。経理業務の大きなメリットとして、定型化できる業務の多さが挙げられます。処理のタイミングやこなすべき作業をマニュアル化しやすいため、作成したマニュアルの精度が高いほど、より効率的な引き継ぎを行えるでしょう。
企業によっては、既にマニュアルが作成されている場合もあります。しかし、古いマニュアルの場合は、業務のIT化についていけていない部分があるなど、満足に使えないことが多いのも事実です。思い切ったブラッシュアップを図るなど、できるだけ現状に即した詳細なマニュアル作りを心がけましょう。
精度の高いマニュアルを作成するために注意すべきポイントを以下に紹介します。簡潔かつ詳細にまとめることと、社内・社外の関係者に関連する業務を分かりやすく説明することが重要です。
経理の引き継ぎマニュアルを作成するにあたり最初にすべきことは、日次・月次・年次ごとの業務を洗い出す作業です。それぞれの主な業務は以下のようなものが挙げられます。
・日次業務
現金出納管理、伝票の起票や整理、領収書の入力、売掛金や買掛金の入力、領収書の整理、仮払金管理、立替経費精算
・月次業務
給与計算、請求書作成、支払業務、帳簿管理、月次決算、試算表の作成
・年次業務
決算作業、賞与支払い、源泉所得税の納付、各種保険料の納付、半期事業計画などの集計、年末調整法定調書などの提出、棚卸し、厚生年金保険料率の改定
経理担当者の中には、労務や人事の業務も兼任している場合があります。それらで行う仕事も別にまとめておきましょう。
上記のように業務を洗い出した後は、各作業の細かいノウハウやルールなどをまとめていきます。できるだけ詳しく書こうとすると、見にくいマニュアルになってしまうため、表などを用いて要点だけを分かりやすく整理するとよいでしょう。
業務フローなどは細かく説明するような文章を書かずに、ひと言で分かるような的確な言葉を中心に表を作るのがコツです。
経理業務の中は、社内・社外の関係者と連携して進める仕事も数多くあります。それぞれの業務に対応した関係者を明確に区別し、関係者の所属先・名前・連絡先なども一緒にまとめておくとよいでしょう。
マニュアルが完成したら、関係者とも共有できるようにしておけば、よりスムーズな連携がとれます。少なくとも社内の関係者とは共有できるようにしておきましょう。
業務の引き継ぎは、誰にでも訪れる可能性がある作業の一つと言えます。普段から自分の業務を見直しておくことで、いつやってくるか分からない引き継ぎ時の負担もいくらかは軽減できるでしょう。
精度の高いマニュアルを準備しておくことも重要ですが、最終的に業務は人が行うものであり、引き継ぎにおいては後任との活発なやり取りが最も重要です。単に作業のやり方を教えるだけでなく、人材が成長するような引き継ぎを心がけてみましょう。
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