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特集「税金対策 トクする人 ソンする人」が、2月3日発売の「週刊東洋経済」に掲載されていましたが、その中に、上場企業の決算数字を基に「企業納税ランキング」も作成しています。多額の法人税を納めている日本企業の顔ぶれとは・・・
では、ランキングを見ていきましょう。1位はトヨタ自動車の6,599.44億円、2位がNTTの5,331.74億円、3位は国際石油開発帝石の3,972.59億円で、納税額トップ10にランクインしている企業の顔ぶれを見ていくと、納税額は2,000億円を超えています。
納税額のベースなる数字は、各企業の最新決算(2018年11月期〜19年10月決算内)の、「法人税等」の額で、企業の決算で開示されている、その期の法人税や法人住民税などの納税額です。
ただ、固定資産税や消費税、自動車税など、経費として計上される税金は含まれず、連結決算の企業の場合は、海外子会社が現地で納税した法人税も含まれている可能性があります。
1位 トヨタ自動車(6,599.44億円)、
2位 NTT(5,331.74億円)
3位 国際石油開発帝石(3,972.59億円)
4位 NTTドコモ
5位 三井住友フィナンシャルグループ
6位 KDDI
7位 ホンダ
8位 ソフトバンクグループ
9位 三菱商事
10位 ソフトバンク
日本の法人税の基本税率は、2019年4月1日時点で23.4%です。中小法人は年800万円以下の所得については軽減税率の19.0%が適用となりますが、2021年3月31日までの期限限定で15.0%となっています。
日本の法人税率は、諸外国に比べると高いとされていますが、平成の30年間で7回の減税が行われ、23.4%まで低下しています。では、この20%台の法人税率は、世界水準と比較して高いのか、それとも低いのでしょうか。
世界水準と比較するためには、実効税率を見ていく必要があります。日本では、法人にかかる税金は法人税だけではありません。法人税に加えて地方法人税、法人住民税、法人事業税が課税されます。
実効税率は、所得金額に対する法人税額総額の割合です。税制を改正する前の2014年度の実効税率は34.62%でしたが、2015年度は32.11%、2016年度は29.97%、2017年度は29.74%と、数度の税制改革によって、やっと政府が目標に掲げた20%台に達しました。
しかし、やっとグローバルスタンダードに追いついた程度で、世界を舞台にビジネスを展開するグローバル企業にとって、魅力的な法人税率水準とはいえないようです。
法人税率を引き下げることは、企業活動の活性化とともに、グローバル企業の日本進出や投資効果も期待できますが、それが、国民生活の向上につながるかといえば、多くの疑問も残ります。
日本では、2019年10月に消費増税が行われました。その結果、消費が落ち込み、賃金も思うように上がっていません。
その一方で、法人税減税によって、企業の内部留保は463兆円と過去最高を更新しています。企業は利益を確保しやすくなっているものの、それが賃金に還元されることなく、庶民生活は、ますます厳しくなっています。
消費増税に新型コロナウイルス感染拡大による景気への影響など、まさに見通しが立たない状況となり、
諸外国と同水準まで法人税率を引き下げることは、グローバル時代を勝ち抜く戦略としては重要でしょう。そのため、アベノミクスと歩調を合わせるように法人税の引き下げも行われてきました。
しかし、結果はどうでしょう。景気は一向に回復の兆しを見せず、国の借金も膨れ上がる一方です。アベノミクスならず、“安倍のミステイク”といわれかねない状況です。経営者にとっても、経営のサポートをする管理部門にとっても、令和2年のスタートは、まさに正念場。活路見出すために、あらゆる手立てを考える必要がありそうです。
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