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毎年3月期決算のあと、その年の最速決算発表企業が話題になります。これまでに一番早かった決算発表は、どの企業だったのでしょうか。また、その企業は決算発表の早期化に向け、どのような取り組みをしているのでしょうか。今回は早期決算発表に関してご紹介します。
決算発表早期化のメリット
決算後、ほとんどの取引所では45日までに決算発表を行うようルール化されています。いわゆる「決算短信」と呼ばれるもので、決算後有価証券報告書の提出には時間がかかってしまうため、有価証券報告書よりも情報量が少なく速報性をもつ決算短信が投資家に向けた情報開示という観点で行われます。
有価証券報告書は確度の高い情報を網羅しており、信頼性も高く、投資家の判断材料として用いられますが、その報告期限は3か月以内と金融商品取引法で決められています。緻密な情報を正確に記入する必要があるため、どうしても提出までに時間を要してしまうデメリットがあります。それを賄うのが決算短信であり、なるべく速く投資家へ企業情報を開示するために行われています。
平成29年3月期決算企業においては、2,345社にのぼり、決算発表の平均所要日数は39.3日となっていました。全体の59.45%は45日までの発表となっており、次いで21.02%の40日まで、14.46%の30日までとなっています。
東京証券取引所はこの決算発表に関して、発表日が集中することによる決算情報の消化弊害や、投資家の情報収集に対する影響などを避けるため、決算発表の分散化を呼び掛けています。さらに、投資家への迅速な情報開示の必要性にも触れ、早期発表も促しています。
取引所からも求められている決算発表の早期化ですが、事実早期発表に向けて取り組みをしている企業は多数あります。
決算発表の早期化は、決算の時期だけの問題ではなく、決算発表の遅延要因を明らかにし、日次業務から改善していくことで実現可能になります。そのため決算発表の早期化が図れるということは、日々の業務効率が良く、無駄な作業に時間を取られていないということが分かります。
また、決算後発表までに要する時間が、たとえば10日早まったとすれば、その分だけ次の業務に取りかかることができます。決算発表の早期化はプラスのスパイラルを生むことにつながります。
また、決算発表の早期化は、投資家にもさまざまなことをアピールする上で非常に有効です。
迅速な企業情報開示は投資家の信頼確保につながり、無駄のない効率的な業務遂行をアピールでき、企業イメージのアップにつながります。
決算発表が速ければ話題にのぼり、企業の名は知れ渡るようになり、早期発表実現のための業務改善など分析が行われ、一般社会への宣伝効果も得られます。
ここ数年トップを独走するのは「あみやき亭」
1996年から最速で決算発表を行った企業のデータがあります。
当時ホギメディカルがトップに名を連ねていましたが、2000年からメッツがトップの座に君臨します。
2003年ごろからアドヴァンが、2006年ごろからあみやき亭が現れ始め、2014年からはあみやき亭が単独首位を独走し続けています。
ホギメディカルは2週間強日数を要していたのに対し、2000年にメッツと京都きもの友禅が7日、2001年ごろからはメッツがほぼ翌日に発表をするといった具合に、所要日数が大幅に削減されました。
2018年はあみやき亭が2日午前7時30分に発表するという、尋常ではない速さを記録しています。
それほど速く決算発表ができる理由は、どこにあるのでしょうか。
あみやき亭は「日次決算」方式を取り入れています。
通常であれば毎月締める収支の管理を、あみやき亭は毎日行い、毎日が決算のような状態にしているのです。毎日それぞれの店舗から送られるデータを本社が管理し、日次決算として監査法人へ送られます。
会計に不自然な点が見られれば都度会社へ確認がなされ、相対的に期末の監査業務負担が軽減される仕組みです。
この日次決算を取り入れることで、あみやき亭はさまざまなメリットを得ていますが、業種によっては不向きな場合もあるため、万が一見直しを図る際には自社の業務体系に沿った改善・変革を試みるよう注意してください。
日々の業務改善が決算発表につながり、決算発表の迅速性が投資家の信頼獲得につながります。
決算発表を早期に実現するには、これが経理の課題であるという考えを廃し、全社で取り組む必要があります。透明性、迅速性、正確性を兼ね備えた決算発表が行えるよう、日々足元にある業務から見直してみませんか?
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