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企業の将来性をアピール、決算短信の重要性

公開日2021/05/26 更新日2021/05/27


日本では3月に大手企業の多くが決算を迎えますが、株主や投資家に向けて最初に決算の結果を開示するものが決算短信です。決算短信はいわば簡易版の決算報告であり、その後正式に有価証券報告書が開示されます。

この記事では、主に決算短信を中心にした決算発表の方法を解説します。また、企業の管理部門が行うべき決算処理の流れについても紹介します。

有価証券報告書と合わせて、決算報告の概要を知るための参考にしてください。

上場企業の決算報告

まず、上場企業の決算開示までを大まかにまとめてみましょう。

最初に親会社・子会社それぞれに、単体で決算に関わるデータの算出や書類作成の準備を始めます。企業内では経理部門を中心に、各部門の管理責任者も必要な書類やデータを整理することになります。

次に、親会社・子会社を統合した連結ベースでの決算処理を進め、必要な数字をまとめた上で決算日を迎えます。この日から45日以内に、上場企業は証券取引所に対して、決算書の簡易版ともいえる決算短信を提出しなければなりません。

その後、決算処理は会計監査人による監査を受け、さらに取締役会での承認を得てから、正式な決算書である有価証券報告書の作成に進みます。

通常は、ここで株主総会が開かれ、最終的に決算日から3ヵ月以内に有価証券報告書として開示されます。

上場企業には決算としての有価証券報告書以外に、四半期報告書の提出も義務づけられており、その前には四半期分の短信も提出しなければなりません。

今回は、決算短信を中心に解説を進めます。

決算短信の開示

決算短信の果たす役割は大きく、株主や新規の投資家はその結果により当該企業への投資方針を決定します。決算短信では最初に概要を報告するサマリー情報が示されています。その主な内容は以下の通りです。

  • 連結経営成績
  • 連結財政状態
  • 連結キャッシュフローの状況
  • 配当の状況
  • 連結業績予想

通常はこのサマリーに加えて、貸借対照表や損益計算書などの各種資料が添付され、決算短信全体ではおよそ20ページ前後になります。証券取引所によれば、規定では決算日以後45日以内での決算短信の開示が義務づけられていますが、実際には30日程度での開示が望ましいということです。

出典:「決算短信・四半期決算短信 作成要領等」東京証券取引所 

決算短信の作成

企業の決算に関する業務は、ほとんどが経理部門によって処理されます。そのため決算期には、経理部門は責任者を中心にフル回転状態に入ります。同時に企業内の各部門でも、収支をはじめ金銭管理に関するすべてのデータを整理しなければなりません。大手企業ともなると、決算の中身に不正やミスがあれば大変なことになるからです。

また、決算短信では経営成績の概況や、今後の見通しについても説明する必要があります。これらの情報は各管理部門が中心になって会議を行い、概要をまとめなければなりません。特にその企業にとって戦略的価値を持つ商品やサービスについては、現状と次期の展望をわかりやすく説明して、株主や投資家の投資意欲を高めることが求められます。

そのため、各部門の管理責任者は1年間の業績について、改めて整理しておく必要があるでしょう。企業規模が大きくなるほど、事前に準備するデータも多くなり、部門間での連携が重要になります。それほど大規模ではない企業でも、次期の業績アップのためには、決算短信でアピール度を高めておく必要があります。管理部門にとって決算とは、現在の事業内容について見直す機会になるはずです。

経理部門にとっての決算短信

決算処理の中心となる経理部門にとっては、決算短信を作成することが決算業務そのものといってもよいでしょう。そこで親会社・子会社の単体ごとに経理部門が業務を進め、連結決算の責任者と連携することになります。

最終的な有価証券報告書は、決算日から3ヵ月という作成期間がありますが、一方の決算短信は実質1ヵ月を目安に作成を進めなければなりません。その間にさまざまなデータを整理して計算を行い、間違いのない内容で資料を準備しなければならないため、決算短信の開示は経理部門にとって1年間で最大の業務になるはずです。

決算短信と有価証券報告書

最後に、決算短信と有価証券報告書との違いについてまとめておきます。有価証券報告書とは、簡単に述べると上場企業が提出する正式な決算書であり、決算短信とはその簡易版と考えればよいでしょう。

また、決算短信は証券取引所に提出した上で開示され、有価証券報告書は金融商品取引法にもとづき、財務局~金融庁を経由して内閣総理大臣宛に提出されます。同時に証券取引所にも提出されます。

決算短信は会計監査人による監査を受ける前に開示されるので、有価証券報告書の正式な数字とは異なるデータがあるかもしれません。とはいえ、大きなずれにはならないでしょう。開示する書類のボリュームとしては、決算短信が20ページ前後であるのに対し、有価証券報告書では100ページを超えることもあります。

まとめ

決算短信の作成は、上場企業にとっても大仕事であり、経理をはじめとする管理部門にとっては、1年間で最も大変な業務ともいえるでしょう。しかし、決算短信を早めに開示することには重要な意味があります。

決算短信はその企業の業績を知り、今後の展望を予測するための重要な指標になります。企業の株式に投資する人々にとって、決算短信とは投資先を見極める指針であり、一方の企業にとっては投資家への強いアピールになるのです。

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