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企業が社名変更を行う理由 社名変更に必要な手続きとは?

公開日2018/08/19 更新日2020/05/21
企業が名前を変えるとき…社名変更のメリット・デメリットとは?

社名変更は会社の成長を期した一大イベント。ここではなぜ社名変更をするのか?といった理由や社名変更のメリット・デメリット、社名変更のお知らせ方法、社名変更の手続きなどについて解説していきます。

企業が社名変更を行う理由は?

大企業が社名をリニューアルした有名な例としては、「松下電器産業」→「パナソニック」の社名変更があげられます。ほかにもファッションECサイト「ZOZOTOWN」を展開する株式会社スタートトゥデイが「株式会社ZOZO」に社名変更することを発表して話題になったこともありました。ちなみに、日本取引所グループが公表している「商号変更会社一覧」によれば、2005年から現在(2020年4月)までに社名の変更を行った企業はおよそ700を超えています。

最新のデータを参照してみれば、たとえば「電通」は2020年1月1日付で「電通グループ」に、「昭文社」は同年4月1日付で「昭文社ホールディングス」に商号を変えています。マザーズ上場の企業では「SOU」が「バリュエンスホールディングス」と、まったく違う商号に変更しています。

こうしたデータを見ると、企業が名前を変えるのはさほどめずらしいことではないといえますが、社名変更の理由は企業によってさまざまです。

知名度の高いサービス名称やブランドに統一する目的の社名変更

たとえば上記のパナソニックの場合、「松下」「ナショナル」「パナソニック」と使い分けられていたブランドの名称を、「パナソニック」に一本化することが社名変更の目的となっています。なお、社名を「パナソニック」にした理由としては、国内外ですでに「パナソニック」というブランド名が浸透していたことがあげられています。

このように、企業が提供するサービスの名称やブランド名を企業名として前面に押し出すタイプの社名変更としては、最近では重工業メーカーである「富士重工業株式会社」が、世間に浸透した自動車ブランド名を社名に冠し「株式会社SUBARU」に改名した例があります。上記のスタートトゥデイもこのタイプの社名変更ですね。

それから「エボラブルアジア」が、商号を「エアトリ」に変更しているのもこのパターンです。2010年代にはLCCがブームになり、格安航空券のプラットフォームである「エアトリ」も注目され、人々に馴染みのあるサービスとなりました。そこで「エボラブルアジア」は、社会に浸透した「エアトリ」という名前を冠することになったのです。

事業内容の変化を反映した社名変更

一方、「日産化学工業」→「日産化学」、「富士写真フイルム」→「富士フイルム」のように、事業内容の変化にあわせて社名を変更するケースもあります。

上記の企業名からは、社名変更により、それぞれ「工業」「写真」の文字が外されていますが、これは時代の移り変わりとともに、企業の事業領域やメインとなる事業が変化したことによるものです。

最近の事例だと、「宝印刷」が「TAKARA&COMPANY」に社名変更を行っています。フィナンシャルプリンティングという事業の核があるものの、現在は、翻訳やコンサルティング、Webサイト制作などサービスを拡げています。

吸収合併や分社化を機に社名変更

ほかにも近年では、企業が吸収合併や分社化を繰り返すなかで、社名を「~グループ」や「~HD(ホールディングス)」に変更する例も多く見られます。

たとえば冒頭でご紹介した「電通グループ」も、純粋持株会社制に移行したために、「~グループ」という社名に変更しています。米国最大級のデータマーケティング会社である「マークル」を完全子会社化したことは記憶に新しいでしょう。

「肉のハナマサ」を展開する「JMホールディングス」や、元「ヤフー」の「Zホールディングス」なども、同じような理由で社名の変更を行っています。

企業が社名変更を行うメリット・デメリット

それでは、次に社名を変更するメリットとデメリットについて見ていきましょう。

社名変更のメリット

社名変更のメリット一つの例としてあげられるのは、改名によって会社名が以前よりも広く認識されるようになる事例です。

たとえば、パナソニックやSUBARUのように会社名よりも自社のブランド名が広く知られている場合、会社名とブランド名を統一することで社会に対する企業の認知度は以前よりも高まるといえるでしょう。

さらに海外の市場をターゲットにしている企業の場合、社名を横文字に変更することは、海外で覚えてもらいやすいというメリットにもつながります。

こうしたネーミングの先駆けとしては、1958年に東京通信工業から改名した「ソニー」の社名変更が有名ですね。

ちなみに、スタートトゥデイが15歳~49歳の男女を対象として行った調査によれば、「ZOZOTOWN」の認知度が9割を超えていたのに対し、「スタートトゥデイ」の認知度は2割に満たなかったそうです。

また社名を横文字にしなくても、東芝(旧:東京芝浦電気)や東レ(旧:東洋レーヨン)のように、長い企業名を省略することで、社名が世間に浸透しやすくなった例もあります。

ところで、上記の東レの「レ」はもともと同社が製造していた化学繊維のレーヨンを示す言葉でしたが、現在では東レはレーヨン糸の製造は行っていません。富士フイルムの例もそうですが、こうした社名変更は企業の事業内容の変化を示すだけでなく、他の分野に事業領域を拡大する企業の姿勢をPRする意味合いも持っているといえるでしょう。

社名変更のデメリット

一方、社名変更を行うデメリットとしては、それに伴うコストが第一にあげられます。

松下電器がパナソニックに社名変更を行った際は、社名変更に伴うコストが約300億円と計上されていることが報じられました。

これは大企業が社名変更を行うと、新たな社名についての広報・宣伝や、組織の再編に莫大な費用がかかる例といえますが、パナソニックは300億円のコストよりも、社名・ブランド名を統一するメリットを選択したことになります。

また、中小企業や新興企業が社名変更を行うデメリットとしては、企業名を変更することにより、せっかく浸透しかけていた企業の知名度を逆に失ってしまうリスクがあげられます。社会への企業名の浸透や認知度の拡大を狙って行った社名変更で、逆に知名度を失ってしまっては元も子もありませんが、このあたりの見極めも企業の社名変更においては重要といえそうです。

社名変更の手続きはどんなものがある?

続いて、社名変更にかかる手続きについてみてみましょう。下記3点が押さえるべきポイントです。

株主総会決議

商号を変更するときは、定款も同時に変更しなければなりません。なぜなら商号は、定款に記載され、そして登記されているものだからです。商号は、定款における「絶対的記載事項」に当たり、必ず記載しなければならないものです。

定款の変更には「株主総会決議」が必要になります。類似・重複する商号がないことを法務局に確かめてから、株主総会で決議をし、商号変更の登記の申請を行います。申請は決議から2週間以内に行う必要があります。

社名変更にかかる費用

先ほども書いたように、株主総会の決議の後、法務局で登記の申請を行います。実印の変更にも届出が必要です。主に用意すべきものは登記申請書や株主総会の議事録などで、費用としては、登録免許税3万円や実印代がかかってきます。なお、これはあくまで事務的な費用であり、ほかにもさまざまなコストが発生します。商号が変わっているので、企業のホームページや社員の名刺を作り直さなければなりません。何か製品を開発している場合は、そのラベルやパッケージなども一新する必要があります。

このように、社名変更にかかわる費用は実に多様です。事前にしっかりと計算をしておくか、専門家に相談しておく必要があるでしょう。

社名変更の際の注意点

社名変更の際に注意しなければならない点がいくつかあります。まず、会社名は「同一住所に同一の商号(会社名)」は使用できません。また、同じ市町村に同一の事業目的で同一の商号を利用した場合は、使用差し止めの請求や損害賠償請求を受けることがあります。

それから会社が「許認可」を受けている場合、許認可の種類によっては事前に役所の許可を取ってからでないと変更できない場合もあります。

社名変更の一般的なお知らせ方法・マナー

商号の変更は会社にとっての大きな節目です。すべての事務作業が済んだら、しっかりと取引先などにお知らせをする必要があります。Webやメールなどの通知はもちろん、できれば挨拶状を送ることが望ましいでしょう。

社名は取引先などのシステムにも影響を与える重要な要素なので、必ず事前のお知らせを忘れないようにします。頻繁に訪れるようなところであれば、個別に挨拶しに行くのもよいでしょう。

まとめ

企業の「看板」である社名の変更には、メリットだけでなくコスト面などでさまざまなリスクも伴いますが、知名度のある企業の場合は、社名を変更すること自体がニュースとなり、世間の注目を集める効果もあります。

こうしたことを考えると、社名変更は企業にとって、新たなビジョンや新しいサービスを社会に対して示す絶好のチャンスといえるかもしれません。

関連記事:企業・サービスのロゴ変更 -企業は何故ロゴを変更するのか-

(リンク:https://www.manegy.com/news/detail/835

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