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社会的課題解決(ソーシャルプロジェクト)を目的とする資金調達のために発行される債券「ソーシャルボンド」が世界中で注目されるようになり、日本でも民間企業による発行が始まっており、徐々に広がりを見せています。
さて、みなさんは、「ソーシャルボンド」についてどの程度理解されているでしょうか?
ソーシャルボンドとは、教育・福祉、医療、衛生などの社会的課題に取り組むプロジェクトの資金調達のために発行される債券のことです。
国際標準になっている国際資本市場協会(ICMA)が策定する『ICMAソーシャルボンド原則』は「調達資金の使途」「プロジェクトの評価と選定プロセス」「調達資金の管理」「レポーティング」の4つの核となる要素で構成されています。
つまり、ソーシャルボンドは、調達した資金の使途が適切に評価されたプロジェクトのみに限定され、どのように使用されたかを追跡管理し、さらにレポーティング(情報開示)を通じて透明性と秩序が確保されていなくてはならないということです。
発行元は、発行する債券が国際資本市場協会(ICMA)策定のソーシャルボンド原則に適合していることを確認するための第三者評価機関の任命を推奨されており、日本においては、「株式会社格付投資情報センター」や「株式会社日本格付研究所」などが第三者評価機関として評価を行っています。
さらに、『ICMAソーシャルボンド原則』の2021年6月の改訂では、既存の4つの核となる要素に加え、発行体がこれらの要素に適合していることを説明するソーシャルボンドフレームワーク、あるいは目論見書等を用いた投資家への説明や外部評価の開示についての2つの推奨項目が追加され、ソーシャルボンド市場の透明性や誠実性の促進を図っています。
ICMAによるソーシャルボンドは4種類。発行体全体のキャッシュ・フローを原資として償還するStandard Social Use of Proceeds Bond(標準的ソーシャルボンド)や事業の収益のみを原資として償還するSocial Revenue Bond(ソーシャルレベニュー債)、ソーシャルプロジェクトに係る資産から生じるキャッシュ・フローを原資として償還するSocial Project Bond(ソーシャルプロジェクト債)、具体的なソーシャルプロジェクトを資産とするSocial Securitised Bond and covered Bond(ソーシャル証券化債、ソーシャルカバードボンド)が挙げられます。
ソーシャルボンドの大きな利点として、ソーシャルプロジェクトへの取り組みをPRすることで、企業であれば社会的な支持を得やすく、ステークホルダーからの支持の獲得や、合理的・好条件での資金調達が見込めるでしょう。
また、投資家の視点から見ると、ソーシャルプロジェクトへの支援をしていることのアピールや、投資利益と社会改善効果のメリットの両立が期待されています。
何より、ソーシャルプロジェクトの推進によって、社会的課題の解決やSDGsの達成に貢献することで社会的メリットは大きいといえるでしょう。
国内におけるSDGs債の発行額の推移を見てみると、ソーシャルボンドの発行額はこれまではグリーンボンドとほぼ同水準で推移していました。
しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大により、2020年の初頭から、国際金融機関を中心とするソーシャルボンドの発行が相次ぎ、2020年の世界のソーシャルボンド発行額は、約14兆4,000億円(1ドル=105円換算)と、急速な広がりを見せ、グリーンボンドを上回っています。
社会的課題の解決について民間企業の関心も高まり、民間企業による発行事例も積み重なっている状況の中で、ソーシャルボンドは今後もさらに注目されていくでしょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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