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なぜDX推進が日本では遅れているのか?海外企業との比較によって課題を考察

公開日2021/08/10 更新日2021/08/11


ここ数年、日本政府はDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を、企業へ積極的に働きかけてきました。

とくに、新型コロナウイルス感染拡大によって、ビジネス環境が大きく変化したことから、DXの加速化が注目されています。しかし、現状の企業活動においてまだ望ましい成果は出ていません。

DX推進における日本企業の課題

総務省が公表した2021年版の「情報通信白書」によれば、ビジネスモデルを変革するようなDXが広がっていないことが指摘されています。

ここでいうビジネスモデルの変革とは、新製品やサービス開発による事業拡大や新事業進出のことです。

AIやIoT、ブロックチェーン、スマホアプリ、クラウド技術などの活用によって、米国企業は売上高を増加させている一方、日本企業は導入そのものが遅れをとっています。

DXの取り組み状況を、日米企業で比較すると以下の通りです。

【製造業】

日本企業
米国企業
13.3%
63.6%

【非製造業】

日本企業
米国企業
13.4%
55.9%


さらに、DXを導入していても業務効率の向上(従業員の負担軽減)のために活用されていることが問題視されています。

なぜ、ビジネスモデルを変革するようなDXが日本では拡大しないのでしょうか。その要因として、「情報通信白書」では「人材不足」(53.1%)が第1位に挙げられています。

実際、専門人材は2018年に約22万人、2030年には約45万人が不足すると見込まれています。

さらに深刻なのは、IT業界以外での人材不足です。日本では、専門人材がIT企業に集中して在籍(72%)しています。欧米主要国(35~47%)に比べると、偏りがあります。

(参照:総務省・情報通信白書令和 3年度版

この報告書からわかることは、欧米企業は事業を拡大するためにDX人材を、積極的に投入している点です。

一方、日本企業は業務効率化やコスト削減のためとDXを捉えており、かつ人材を十分に採用できていません。

なぜ、このような差が生じているのでしょうか。その理由の一つとして、組織としてDXにどう取り組むべきか、人材をどう活かすかという戦略に違いがあると推測できます。

しかし、日本企業でも成功事例がないわけではありません。各企業の事例を見ることで、この課題を考察してみましょう。

企業のDX導入事例

① 24 Hour Fitness

    アメリカ・カリフォルニア州に本社を置くフィットネスセンターチェーンです。

    アプリを通したパーソナライズ体験を提供しています。顧客の興味・嗜好に合わせたパーソナルトレーニングの提示、自宅でのワークアウトの進捗管理を実施しています。

    日常でのパーソナルなコミュニケーションの機会を増やして、会員数の増加に成功させました。

    ② ロレアル パリ

      フランス・クリシーに本部を置く世界最大の化粧品メーカーです。

      2018年に、AR技術を使ったコスメティックス・シミュレーションアプリを開発する「ModiFace」を買収しました。

      これによって顧客の商品検討から購入までの導線をスムーズにさせ、商機を拡大させています。また、Amazonとも提携をしてEコマースも強化させています。

      ③ 長谷工コーポレーション

        関東地方中心に、マンションの開発からマンション管理、リフォームなどを手がける大手ゼネコンです。

        新築分譲マンション探しをサポートするLINEアプリ「マンションFit」を、2020年にリリースしました。

        ユーザーが質問に回答すると、おすすめ物件が推薦されます。さらに、営業担当者がつかない非対面のモデルルームの見学予約を実現しました。

        ④ トライグループ

          家庭教師派遣サービスのリーディングカンパニーです。

          中学生・高校生向けのハイクオリティな映像授業サービス「Try IT」を開発しました。主要科目の授業が、スマホやタブレット端末で時間・場所を問わずに視聴できます。

          4,000本の映像授業が見放題の無料サービスで、利用者拡大に成功しています。

          DXを推進するために

          国内外のDX導入事例を紹介しました。ほかにも事例は多数あります。いずれにしても、IT業界でなくても、デジタル技術を使って事業拡大や新事業進出ができることは明らかではないでしょうか。

          しかし、深刻な人材不足という問題は事実です。希少な人材を活かすためには、DX人材を採用する目的や、デジタル技術を活かした事業戦略を確立しなければなりません。

          経済産業省は、DXに関して「将来の成長、競争力強化のために、新たなデジタル技術を活用して新たなビジネス・モデルを創出・柔軟に改変する」ことだと定義しています。

          (引用:経済産業省・DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~

          また、DXを提唱したスウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授は、「進化し続けるデジタル技術を使って、人々の暮らしを豊かにしていく」ことがDXの概念であると述べています。

          この2つの定義に従って、企業が行うべき対策を考えてみましょう。それは、顧客の満足度を高めるために、デジタル技術を使った新サービス・商品を提供して、業績を拡大していくことではないでしょうか。

          専門人材の採用が難しい場合は、企業内で育成していくという選択肢もあります。ほかにも他企業と連携や、事業の買収など、さまざまな道が考えられます。

          人材不足に悩む前に、まずはDXによる事業戦略を打ち出すことが急務ではないでしょうか。

          まとめ

          日本国内では新型コロナウイルス感染症の拡大、さらには地震や大雨など自然災害によって多大な影響を受け、働き方だけではなく、生活やライフスタイルなどに変化をもたらしました。

          さまざまなトラブルに強い社会を実現するためにも、DXの推進が欠かせません。業務効率化という目先の目的だけではなく、社会基盤の構築や生活環境の改善など、未来の暮らしのために、DXの課題は積極的に取り組んでいくべきではないでしょうか。

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