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管理部門の業務改善に役立つBO Techとは?導入のメリットと注意点

公開日2021/11/21 更新日2021/11/22

働き方改革関連法の施行から2年以上が経ちました。時間外労働の上限規制強化や年次有給休暇の取得義務化など、管理部門にとって関わりの深い法改正だったといえます。

一方で、管理部門そのものの働き方改革は、決して順調とはいえない企業も多いのではないでしょうか。フロントオフィスと比べてバックオフィスでの業務は成果が可視化されにくく、業務の改善・効率化が後回しにされやすい側面があるからです。

そこで、本記事では管理部門の業務改善に役立つ「BO Tech」について、導入のメリットと注意点を解説します。現状の課題や改善が必要な業務について考える上で、ぜひ役立ててください。

BO Techとは?

BO TechはBack OfficeとTechnologyを掛け合わせた造語です。総務・経理・人事・労務・財務といった管理部門の業務を効率化するテクノロジーを意味します。

BO Techの代表例として、従来は紙ベースでやりとりされていた書類の電子化が挙げられます。クラウドツールや電子決済を駆使することにより、紙の文書の電子化は技術的に可能な時代になりました。

しかし、BO Techの導入は多くの企業で進んでいないのが実情です。BO Techを推進するには、そのメリットや注意点を十分に踏まえた上で、自社に必要なソリューションを選択する必要があります。

では、実際に日本企業のBO Tech導入はどの程度進んでいるのでしょうか。米国の例と比較しながら検証していきます。

日本企業におけるBO Techの導入状況

下図は、電子決済・電子契約システムを導入している企業を対象に、社内外の手続きをどの程度まで電子化しているかをヒアリングした結果を示しています。

【社内・社外手続きの電子化の状況】

(総務省「令和3年 情報通信白書のポイント 『働き方改革』とデジタル化」より)

注目すべきは、日本と米国では社内・社外それぞれの電子化推進状況に異なる傾向が見られることです。

日本においては、社内稟議に関する申請処理の「すべて」あるいは「8割程度」が電子化されていると回答した企業は67.1%でした。これに対して米国では57.7%に留まっており、日本のほうが進んでいることが分かります。

ところが取引先等に提出する書類への押印・サインでは、8割程度以上が電子化されていると回答したのは、日本企業は27.6%に留まっています。これに対し、米国企業では62.5%となっているのです。日本においては、とくに社外に向けた処理の電子化が遅れていることがうかがえます。

また、業種別のDXへの取組状況は下図の通りとなっています。

【デジタル・トランスフォーメーションの取組状況(業種別)】

(総務省「情報通信白書のポイント 『我が国におけるデジタル化の取組状況』」より)

「実施していない、今後も予定なし」と回答した業種のうち、最も割合が高かったのが「医療、福祉」であり、次いで「漁業」「生活関連サービス業、娯楽業」となっています。

一部を除き、半数以上の業種は今後も紙ベースで書類を扱っていく見通しであることが明らかになっているのです。

このように、多くの業種でDXに向けた動きは後れを取っており、BO Techに関してはとくに対外的な処理で電子化の動きが鈍いことが見て取れます。

BO Techを推進するメリット

では、BO Techを推進することで具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。

請求書など、社外に向けて作成される書類を電子化することで得られる顕著な効果は「業務効率化」と「コスト削減」でしょう。

典型的な例が「押印」のプロセス簡略化です。申請者と承認者のやりとりがクラウド上で完結することにより、処理の迅速化や労力の軽減といった効果が期待できます。従来は必須だった用紙代や複合機の使用料が削減され、コスト削減につながる可能性も高いと考えられます。

下表のようなアプリケーションを導入することで、書類の電子化を推進することが可能です。

【BO Techに役立つアプリケーションの例】

名称

概要

運営会社

料金

楽楽精算

クラウド型経費精算システム

株式会社ラクス

(基本プラン)

初期費用10万円

月額費用3万円〜

マネーフォワード

債務支払

クラウド型請求書管理システム

株式会社マネーフォワード

基本料金59,760円

(年額プラン)

※従量課金あり

SmartHR

クラウド型人事・労務管理システム

株式会社SmartHR

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また、BO Techの推進によるメリットは業務効率化とコスト削減だけではありません。業務の属人化リスクの回避や、情報漏洩リスクの軽減にもつながる可能性があるのです。

電子化された書類は、クラウドやイントラネットで共有可能です。承認フローと進捗状況が可視化され、特定の社員だけが業務を掌握している状況を回避することにつながります。

BO Techの推進に伴う懸念事項として、しばしば指摘されるのが情報漏洩リスクです。しかし、紙ベースの書類に関しても盗難や紛失といったリスクは決してゼロとはいえません。クラウド型アプリケーションの多くはセキュリティ対策が十分に施されていることから、むしろ紛失・盗難リスクの低減につながる場合もあるのです。

BO Techを推進する際の注意点

BO Tech推進に際して注意しておくべき点として、とくに経理業務に関わる国税関係帳簿の保存義務が挙げられます。電子帳簿保存法によって定められている下記の帳簿・書類は、それぞれ適切な方法で保存しておくことが必要です。

・国税関係帳簿(仕訳帳・現金出納帳・固定資産台帳・売上帳・仕入帳など)

・国税関係書類(棚卸表・貸借対照表・注文書・契約書・領収書など)

・電子取引の取引情報(電子契約情報・電子取引情報など)

いずれも紙に出力して保存する以外に、電子データによる保存が認められています。ただし、国税関係帳簿および国税関係書類に関しては、電子データによる保存が可能となる条件が定められている点に注意が必要です。

種別

作成方法

保存方法

電子データ

国税関係帳簿

一貫してPCで作成

紙に出力

電子データまたはマイクロフィルムによる保存

手書き等で作成

原本

不可

国税関係書類

一貫してPCで作成

紙に出力

電子データまたはマイクロフィルムによる保存

手書き等で作成

原本

スキャンデータ

電子取引の取引情報

紙に出力

電子データまたはマイクロフィルムによる保存

国税関係帳簿は一部でも手書きが混在していれば紙による保存以外に方法がないのに対して、国税関係書類は手書きしたものをスキャンして保存することが認められています。

経理業務にBO Techを導入する際には、電子データによる保存が「一貫して」可能かどうかがポイントとなります。自社の状況に応じて、国税関係帳簿は従来通り紙で保存し、国税関係書類および電子取引の取引情報は電子化を推進するといった柔軟な対応が求められるでしょう。

まとめ

管理部門は業務の特性上、電子化への対応が遅れがちであることが以前から指摘されていました。今回挙げたデータからも、日本においてはとくに社外を対象とした処理で電子化の動きが進んでいない実態が浮かび上がってきます。

一方で、デジタル化を見据えた法整備の動きが見られるのも事実です。BO Techの推進によって、管理部門の業務を大きく改善することも可能となります。

本記事を参考に、自社でのBO Tech推進を検討してみてはいかがでしょうか。

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