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職場での人の呼び方として、上司は役職名、先輩や同僚には“さん付け”、部下には“君付け”、あるいは呼び捨てというのが一般的に多いのではないでしょうか。
なかには“ちゃん付け”や“ニックネーム”で呼び合う会社もあるようですが、職場ではどう呼び合うのが正解なのでしょうか?
ビジネスマナーのハウツー本の多くは、「職場は仕事をする場であり、 “さん付け”か上司には役職名で呼ぶのが基本」と解説していますが、職場での呼称は業種や企業文化によっても違いますから、これが正解とは言い切れないようです。また、暗黙のルールも含め呼び方が明確に定められている会社もあります。
上下関係を重んじる会社では部下を呼び捨てで呼ぶことも多く、どちらかといえば堅苦しいイメージです。一方、親近感のある“ちゃん付け”で呼び合う会社はフレンドリーなイメージですが、実は職場での呼び方がパワハラにつながる可能性があることを、ビジネスパーソンは意識しておく必要があります。
昭和の時代の職場では、部下は上司から呼び捨てで呼ばれることが当たり前でした。さらに仕事の進め方や結果に対して、今ではパワハラと認定されるような罵詈雑言を浴びせられることも決して珍しくはありませんでした。
また昨今では、女性社員に対しての“ちゃん付け”や悪意が感じられるようなニックネームも、セクハラやパワハラと受け取られることもあるようです。
では、職場ではニックネームで呼び合うことについてどのように受け止めているのかを見ていきましょう。
シティリビングWebのアンケート調査によると、ニックネームで呼び合うことについて、「あり」が31%で「なし」が25%、「関係性によってはあり」が44%で、実際にニックネームで呼ばれたことのある人は69%という結果でした。
ニックネームで呼び合うことについては概ね好意的に受け止められているようですが、けじめがつかない、公私混同など、否定的な見方もあるようです。
職場における呼び方は、その会社の文化が大きく関わっています。ベンチャー企業など若い世代が多く自由な社風の会社では、ニックネームで呼び合うことも多いでしょうが、日本では苗字で呼ぶ文化・慣習が根付いている会社が多数です。
ベースメントアップス株式会社の「職場での呼び方についての調査」によると、「苗字」が74%、「名前」が 9%、「フルネーム」が1%、「あだ名」が16%で、苗字で呼び合っている職場が主流になっています。
しかし、少数派といえニックネームで呼び合うことで、社員同士の距離感が縮まり、職場の人間関係にもプラスに作用するメリットがあるとの声もあります。
「呼び方の違いで距離感の違いがわかってしまう」「相手を傷つけるようなニックネームはパワハラではないか」という否定派もいますが、円滑に業務を行うためには、その職場の環境や社風に適した呼び方を心がけるとよいでしょう。
人権意識やコンプライアンス意識が高まる令和の時代では、その職場にふさわしい呼び方が求められるでしょう。
どんな呼び方をするにしても、相手の気持ちに配慮することが重要なのではないでしょうか。
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