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コロナ前なら、師走を迎えたこの時期に職場で盛り上がるのは「今年の忘年会はどこでやろうか」という話題ではないでしょうか。しかし、感染状況が落ち着いているとはいえ、忘年会に対する意識は、コロナ前と後で大きく違うようです。
「Job総研」を運営する株式会社ライボが、社会人男女を対象に実施した「2021年 忘年会意識調査」によると、今年の職場での忘年会については87.1%が開催を自粛する傾向にあることがわかりました。
酒類提供や営業時間短縮などの制限がやっと解除され、年末年始の客足増加に期待を寄せていた飲食店にとっては大変ショッキングな数字ですが、ヨーロッパや韓国での急激な感染再拡大や新たな変異株の出現など、警戒感が強いことがうかがえます。
コロナ感染拡大の直前となる2019年は忘年会を開催しなかった割合は34.5%でしたから、それに比べると、コロナ前と後で忘年会の開催割合には大きな違いがあることがわかるでしょう。ちなみに緊急事態宣言中の2020年は、92.3%が忘年会開催を見送っています。
また、職場以外での忘年会実施についても68.0%が「開催しない」と回答し、全体の49.2%が今年の忘年会について「そもそも実施すべきではない」と、開催そのものに反対の意思を示しています。
忘年会実施に反対する理由で一番多かったのは「コロナ感染への恐れ」で、年代別に見ていくと20代が41.6%、30代が47.8%、40代が57.7%、50代が58.1%と、年代があがるほど忘年会実施に否定的な声が高まる傾向にあることもわかりました。
一方、忘年会を実施することに肯定的な理由で一番多かった「コミュニケーションの活性化」ですが、日本生命保険の調査では、飲酒によるコミュニケーション、いわゆる“飲みニケーション”はおよそ6割が必要ないと考えていることも示されています。
忘年会といえば年末の風物詩でもあったわけですが、コロナ禍で長く続いた自粛生活の影響が、価値観やライフスタイルに対する意識を大きく変えてしまったのかもしれません。
ところで、忘年会は“年を忘れる”の表記が示すように「その年の苦労を忘れるために行う宴会」ですが、いつ頃から始まったのかははっきりわかってはいません。
ただ、室町時代の「看聞日記」に、年末に催された連歌会の盛り上がりようを「としわすれ」のようだと記してあることから、年末に酒を飲みながらの宴会は室町時代には既にあったようです。
1年の苦労を忘れるためにお酒を酌み交わしながら大いに盛り上がる忘年会が一般的になったのは、“無礼講”というフレーズが使われるようになった明治時代とされていますが、この無礼講を巡っては、受け取り方の違いでさまざまなトラブルも発生しています。
忘年会といえば上司の“乾杯”の発声で始まり、その際に「今日は無礼講で」のフレーズも決まり文句のように付け加えられることが多いでしょう。
それを真に受けて上司に対してもタメ口で接したために、評価が下がったなんて話も聞きますが、そんな忘年会ならではの悲喜こもごもの光景も、これからは見かけることがなくなってしまうのでしょうか。
忘年会の実施云々にかかわらず、コロナ前とコロナ後では働き方をはじめ、ライフスタイルに対する意識の変化は明らかです。「Job総研」では、回答者の属性や集計結果、回答者コメントなどを「2021年 忘年会意識調査 報告書」に詳細を掲載していますので、ビジネスパーソンの意識を把握するためにも参考にされてはいかがでしょうか。
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