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お正月といえば、年始の挨拶と1年間のお礼を伝える年賀状を出すことが、日本に古くから伝わる風習です。
しかし、メールやSNSの普及に伴い年賀状離れが加速し、発行枚数も年々減少傾向にあるようです。さて、2022年の年賀状事情はどうなっているのでしょうか。
日本郵便によると、2022年用の年賀葉書の発行枚数は約18億3,000枚です。2020年の23億5,000万枚、2021年の19億4,000枚から大きく枚数を減らし、過去最少の発行枚数となる見込みです。
現存する最古の年賀状は平安時代のものとされています。まさに日本古来の文化でもあります。郵便行政として年賀葉書の発行が始まったのは1949年(1950年用)からで、初年度の発行枚数は1億8.000万枚でした。
その枚数に比べると、減少傾向にあるとはいえ、まだ10倍ほどを保っています。しかし、1964年に10億枚、1973年に20億枚、そしてピークとなった2003年の44億5,936万枚に比べると、年賀状という風習そのものが廃れつつあることは確かなようです。
年賀状の枚数が年々減少している理由としては、メールやSNSの普及があげられます。筆記具メーカーの株式会社パイロットコーポレーションの調査(2020年)によると、新年の挨拶に使うのはLINEなどのメッセージアプリが74.4%で最多でした。
年賀状は60.7%で、メール(38.1%)、Facebook(14.7%)、Twitter(12.6%)、電話(9.2%)、Instagram(8.4%)と続いています。その理由は、年賀葉書をわざわざ購入しなくても、手軽にメッセージを送ることができるからでしょう。
それは個人ばかりではありません。年賀状廃止の方針を打ち出す企業も増えています。以前は年賀状は、企業広告の一環として位置付けられてもいたものです。しかし、年賀葉書の購入も枚数が多くなれば、費用負担もバカになりません。
それが、購入費用をかけずに新年の挨拶ができるとなれば、年賀状を取り止める方針を選択することは、必然だったかもしれません。
年賀状は年始の挨拶と、昨年の感謝を伝えるものです。しかし、年賀状でなければならないということはありません。メールやSNSで年始の挨拶をすることも選択肢の一つであり、基本的なマナーは、きちんと守る必要があります。
ところで、お正月に年に1度の友人、知人からの便りに目を通すことを、楽しみにしていた人も多いのではないでしょうか。とくに印刷したものではなく直筆で書かれた年賀状には、独特の味やぬくもりが伝わるものです。
年賀状は通信手段が今とはまったく異なる、アナログ時代の象徴のようなものです。しかし、コロナ禍で遠方の友人・知人になかなか会うことができない状況では、SNSなどのデジタルツールでは表せないぬくもりを届けられる年賀状を見直してみてはいかがでしょうか。
デジタル全盛時代となり、「終活年賀状」「年賀状仕舞い」「年賀状スルー」という言葉が注目されています。しかし、コロナ禍で翻弄された2021年だからこそ、懐かしき友人・知人、あるいは取引先に、あえて直筆の年賀状を送ることも喜ばれるかもしれません。
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